読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人は2022年ドラフトで二塁手を獲得すべきか

 巨人の北村拓己内野手(26)と畠世周投手(27)が15日の中日戦(東京ドーム)前に、出場選手として登録された。広岡大志内野手(25)と菊地大稀投手(22)が抹消となった。

今季の北村は4月19日に一軍昇格もわずか9日で抹消となっていた。ここまで3戦2打数無安打。二軍では21戦で打率2割5分、3本塁打をマークしている。巡ってきたチャンスを今度こそものにしたいところだ。

 抹消された広岡はケガで離脱中の坂本、吉川の代役を務めたが、27試合で5失策と守備でのミスが目立ち、打率も1割8分4厘と低迷。14日の中日戦(東京ドーム)では1打席で交代となっていた。原監督からも「あれをヒットにしてしまうようでは投手に申し訳ないなという感じ」と初回の二ゴロ捕球後に転倒したプレー(記録は内野安打)を指摘された。

 畠は開幕から中継ぎと15試合に登板したが、疲労からか失点が増え防御率3・94と悪化。5月1日に抹消となっていた。勝ちパターン、接戦、ロングと何でもこなす〝ユーティリティー〟右腕の復帰はG救援陣にとって大きな力となりそうだ。

 150キロ超の直球を武器に育成から昇格したルーキー・菊地は6試合に登板し防御率3・00。だが送球面の課題が見つかり14日の打撃練習前に桑田投手チーフコーチ自らノックを打ち、送球練習を行っていた。

吉川不在の巨人で正二塁手争い過熱 昇格・北村が即スタメン(東スポWeb) - Yahoo!ニュース

 

【吉川尚選手が活躍。長年課題だった二塁手が埋まる】

 仁志選手が引退以降、寺内・藤村・脇谷・古城・木村拓也・クルーズ選手と様々な選手が入れ替わりスタメンをつとめた巨人のセカンド。藤村選手が引退、寺内選手の衰え以降はスタメンを獲得できるほどの若手が台頭せず、中井・立岡選手が一時台頭したものの故障後は成績が落ち込み二塁手争いから消え、16年1位で獲得した吉川尚選手も入団後故障に悩まされ、翌年に北村・田中俊太・若林選手と大卒・社会人内野手を獲得するも、どの選手も長続きせず、マギー選手を二塁手にするほど悩まされていました。

 しかし吉川選手は20ねんの112試合354打数97安打8本塁打で打率.274を残したのをきっかけに、その後は二塁手スタメンで最多起用され、今年は広島戦の死球で離脱するまで、3割中盤の打率を残し続け、課題だった二塁手・1番バッターの穴埋めに貢献しました。

 

【一方で見えた二番手二塁手の弱さ】

 一方で見えたのは吉川選手以外の二塁手候補の弱さ。死球で離脱後に起用されたなかで最多起用は7試合起用の廣岡選手ですが、守備率は.926に加え打率は.186と2割を切っており、2番手の4試合の中山選手は将来を見据えショートでがメインであり、打率も同じく2割を切っています。3番手の湯浅選手は3試合で起用で失策こそ0ですが、打率も.000とスタメンは期待できません。

 このように吉川選手が故障、不振に陥った際の二塁手候補がおらず、坂本選手の離脱と吉川選手の離脱が重なった際は大きな得点力不足に加え、セカンドが1試合1エラーといった事態となり、連敗の大きな要因となりました。

 

【2軍二塁手の現状】

 

 これは吉川尚選手を除いた2塁起用された選手の打撃・守備成績。トップは1軍で初本塁打を記録した増田陸選手。次が坂本選手故障後1軍ショートで起用されている中山選手。そして右の中距離打者である北村選手と続いています。

 二塁手については20~27歳辺りの若手・中堅が多く、サブポジション持ちの選手も多いため飽和状態。19日の2軍戦では香月選手がセカンドスタメンで二塁手が不足しているように見えますが、1軍外野手がスタメンの丸・ボランコ・ウォーカー選手を除くと控えは立岡・岡田選手のみと打力不足が否めず、代打要員として増田・北村・中島・中田選手に代走・守備固め要員に増田大・湯浅選手と外野手不足分内野手を多く登録しているため2軍が不足しているだけで、打撃型外野手を獲得できればその分内野手が2軍に落ちるため、二塁手不足は解消されます。

 

 

【足りないのは遊撃手】

 二塁手が溢れる中、足りていないのは遊撃手。2軍では中山選手が16試合の最多出場で、次が15試合の湯浅選手。中山選手はポスト坂本選手として期待され1軍で起用されており、増田大選手の足・守備が劣化している中、代走・守備固め候補として1軍帯同しているため、残りは守備率.950前後の選手が中心。

 中山・湯浅選手が1軍帯同していることで廣岡・北村選手が2軍ショートスタメン。しかしこの二人がショートとして計算できないのは1軍での守備を見れば一目瞭然であり、即戦力でなく、守備型の素材型が欲しいところです。

 

【22年は大卒・社会人二塁手の目玉年】

 なぜ今年二塁手を獲得すべきとしたかについては、今年は二塁手に目玉候補が多いこと。22年ドラフトは高い打撃センスと守備能力を誇る青山学院大山田拓也選手や駒沢大・林琢真選手。安打製造機の明治大・村松開人選手。

 その中でも特に注目されるのが1シーズン3本塁打の法政大・齊藤大輝選手と1年から4番に座り7本塁打を記録する立教大・山田健太選手。社会人でも指名漏れを経験し、社会人で長打を量産するフルスイングのNTT西日本・平良竜哉選手と注目株が揃っています。

 このため例年に比べても打撃に魅力がある二塁手を獲得しやすい年となっています。

支配下でなく育成での獲得を】

 現在の巨人は中継ぎ不足、外野のレギュラー候補がいないといった課題があるため、中継ぎ・外野の補強が最優先となっています。また吉川尚選手はショートでは送球難の課題が出るため、坂本選手がショートで起用できなくなった場合も吉川選手をショートへコンバートするのはむずかしく、あくまで吉川選手はセカンドスタメンのため、セカンド即戦力でなく、セカンドの第2候補を育成で獲得するのが現実的な路線となります。

 内野手の育成選手を見ても勝俣・平間・黒田選手とあまり結果に繋がっていない選手が目立ち、戦力外からの獲得と育成3年以上となる選手がいるため、育成で内野手を獲得する可能性は高くなっています。

 ですが巨人の俊足内野手は増田大・平間・若林選手とセンター・レフトで起用される外野のサブポジション持ちも多く、外野手の守備固め要員が不足してることも踏まえ、センターをサブポジションでできるほどの足、守備力を見込める選手を獲得し、2軍でセカンドメイン、さらに外野守備を経験させていきながら二塁手2番手&外野の守備固め要員として育てていきたいところです。

 

 

【候補の選手】

 山田・斎藤選手といった長打が武器の選手を育成指名は難しく、社会人である平良選手は育成でも獲得できません。村松選手はショート経験もあるためこちらも育成は厳しく、二塁専の選手が対象となります。