<全日本大学選手権:上武大4-2桜美林大>◇9日◇2回戦◇神宮
上武大が逆転勝ちで、4年ぶりの8強進出を決めた。身長188センチの長身サイド右腕、上村嶺投手(3年=文徳)の好リリーフが勝利を引き寄せた。0-2の3回2死一、二塁に2番手で上がると、右飛でピンチを脱した。そのまま、9回まで2安打無失点。その間に打線の逆転勝ちを呼び込んだ。
谷口英規監督(51)は「中盤で投げる予定だったので。だいぶ長いリリーフになりましたが、よく投げてくれました。桜美林さんの打者がタイミングがあっていなかったので、捉えられるまではと」と話した。サイドより、やや低い位置から多彩な変化球を繰り出し、直球は常時130キロ台後半。初回に2ランで勢いづいた相手打線の流れを止めた。
リーグ戦では1、2イニングが通常だった。全国で、いきなりロングリリーフとなったが「そんなに疲れはなく、しっかり腕を振って投げられました」と堂々と言った。野球を始めた小3の時から横手で投げていた。身長が伸びるにつれ、上背を生かす投げ方のほうがいいのでは、という声もあったが「自分は手足が長い。特長を生かせれば」とサイドスローを続けてきた。初志貫徹で、全国の舞台に立った。
【上村選手の紹介】
188センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・チェンジ
セットから軸足の重心を大きく落とし、低い位置からサイドスローの振りで投げ込むフォームから最速143キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。小さく落ちる120キロ中盤のスライダー、120後半の外に流れるチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は低い位置からリリースされ浮き上がってくるストレート。非常に高さに高低差があり低い位置にも投げ込めるため、打者はストレートだとわかっていても芯に当てることが出来ず打ちとられています。
チームでは主に中継ぎで起用。全国大会では3試合に登板し3イニング1失点と好投。4年春は先発として登板しており、長いイニングを投げられるスタミナも持ち合わせています。
浮き上がるストレートが武器の素材型として注目されています。
【指名への課題】
課題は変化球の精度。特にチェンジアップは抜け球が多く変化量も大きいため、右打者に投げ込めば死球になる球となっています。そのため右打者のインコースを突く武器にならず、左打者に対しても指に引っかかりすっぽ抜けた球となるため、左打者にも見切られています。
スライダーもあまり変化せず小さく落ちるためストレート狙いを抜く球となっています。そのため多投できる球ではなく、スカウトからも変化球のレベルアップを課題に挙げられており、アンダースローに近い高さから浮き上がってくるストレートであるため、低めに落ちる球があれば一気に即戦力に化ける可能性があります。
【指名順位予想】
評価としては素材型としての評価。まだ空振りが取れる変化球が無くストレート主体となっているため、即戦力としては評価できません。
また変化球でも一つは計算できる変化球があるわけではなく、あまり変化しないスライダーと抜けることが多いチェンジアップしかないため、戦力となるにも時間がかかります。
ですがアンダーに近いサイドスローながら140前後を投げられること。投手向きの体つきと素材面での評価は高いため、育成6~8位が評価となります。大卒で計算できる変化球が無いため、育成での順位は低めとなります。