読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2022年読売ジャイアンツ支配下指名を振り返る。欲しいポイントを押さえた順当な指名

◆2022年 プロ野球ドラフト会議 Supported by リポビタンD(20日)

 巨人は5選手を指名し、支配下指名を終えた。

 指名したのは1位が高松商・浅野翔吾外野手、2位が慶大・萩尾匡也外野手、3位が国学院大・田中千晴投手、4位が創価大・門脇誠内野手、5位は西濃運輸・船迫(ふなばさま)大雅投手だった。

 1位は阪神との競合の末、原監督が引き当てた浅野。12球団最速で指名を公表した愛が実った。高校通算68発の長打力に加え、50メートル5秒9の俊足、遠投110メートルの強肩と走攻守3拍子そろった将来のスター候補だ。

 2位は慶大の長距離砲・萩尾。今年だけで9本塁打を放つなど急成長を遂げた。3位の田中は身長187センチの最速153キロ長身右腕。今秋は5試合に登板して2勝1敗、防御率1・42の成績を残している。4位は昨秋の東京新大学リーグで首位打者と最多打点のタイトルを獲得した門脇で、50メートル5秒8の俊足好打の遊撃手だ。

 5位は聖光学院高、東日本国際大を経て西濃運輸入りした26歳のサイドスロー右腕・船迫。聖光学院時代には、巨人外野手の八百板と同学年で、再び同僚となる。5人を終了した時点で、選択終了となった。

【ドラフト】巨人が5選手で支配下指名終了 1位浅野翔吾、2位萩尾匡也ら投手2人、野手3人 : スポーツ報知

 

【1位で浅野選手を獲得。獲得数は予定通りの5名】

 阪神との競合の末、高松商・浅野選手を獲得。巨人は競合くじで11連敗というすさまじい記録を持っていましたが、ついにその記録が終わりました。

 浅野選手を指名したことで2位で右打ち外野のスラッガーである慶応大・萩尾選手に3位で将来性を期待する国学院大・田中選手。さらに4位では坂本選手の後釜候補の創価大・門脇選手。5位で中継ぎ補強として西濃運輸・船迫選手と、補強ポイントをきっちり抑え指名することが出来ました。

 

【1位指名 高松商 浅野 翔吾選手 高卒右外野手】

 


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 甲子園で4本塁打を放った右のスラッガー。通算68発のパワーだけでなく、U-18では木製バットへの対応力も見せ、50m5.9秒の俊足に遠投110mの強肩と高い身体能力も魅力。右打ちのスラッガー外野手候補として、将来のクリーンナップを担う選手の獲得となりました。

 

【2位指名 慶応大 萩尾 匡也選手 大卒右外野手】

◆2022年 プロ野球ドラフト会議 Supported by リポビタンD(20日)

 巨人は、ドラフト2位で慶大・萩尾匡也外野手(21=文徳)を指名した。

 萩尾は、今季急成長した大砲。春に5本塁打を放つと、今秋もすでに4発を放っている。今年は、大学日本代表にも選出された。

 文徳高時代も通算46本塁打。2年生で4番を務めた17年夏の熊本大会は準決勝で九州学院に8―10で敗れた。相手の3番・捕手は1学年上で現ヤクルトの村上宗隆だった。

 1位では阪神との競合を制して、高松商の浅野翔吾外野手との交渉権を獲得。今季は日本人選手で外野の定位置をつかんだのは丸だけとあって、1、2位で強打の外野手を指名した。

【ドラフト】巨人2位指名は慶大・萩尾匡也外野手 ヤクルト・村上宗隆の元好敵手…今年9本塁打と急成長 : スポーツ報知


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 1位で高卒の浅野選手を獲得したことで、2位は大卒の右打ち外野手を獲得。萩尾匡也選手は慶応大で4番をつとめるスラッガー。大学通算10本塁打、4年生になり9本を放った急成長の大型外野手となります。

 またスラッガーながら足も速く、ライト・センターを守るためそのポジションが不足している巨人にとって補強ポイントの一つでした。1位で中央大。森下選手を阪神が獲得したため、同じ右打ちでセンター・ライトを守れ長打がきたいできる萩原選手を獲得。1年目から1軍レギュラーを期待したいところです。

 

 

【3位指名 国学院大 田中 千晴選手 大卒右腕投手】


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 最速153キロ、角度あるストレートとフォークを決め球に空振りを連発する大型右腕。3年生は怪我で全く投げておらず、4年春も本調子とはいかず不本意な結果に終わりました。

しかし4年秋になり先発として復活。140後半のストレートをコントロール良く投げ込み高い奪三振能力を披露。多くのスカウトから成長性を評価されており、巨人も素材型として今後の成長を期待しています。

 久保コーチ・杉内コーチとファームに魔改造・トレーニングコーチを固めているため、1年目はファームで変化球の精度向上につとめながら、中継ぎから先発として実績を積んでいきたい選手となります。

 

【4位指名 創価大 門脇 誠選手 大卒左内野手

◆2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(20日)

 創価大・門脇誠内野手(21)が、巨人からドラフト4位で指名された。

 担当の柏田スカウトが「走攻守を高いレベルでこなす期待のショートストップ。打撃と守備は1軍クラスの力がある。常に向上心を持って取り組む姿とチームをまとめるキャプテンシーを併せ持った貴重な選手」と高く評価するなど、チームの大黒柱・坂本勇人の後継者としての期待もかかる。

 指名を受け、門脇は「1年1年が勝負。覚悟を持って、入団する前からしっかり練習をして、1軍ですぐに試合に出られるようにやっていきたい」と意気込んだ。

【ドラフト】巨人からドラフト4位指名の創価大・門脇誠「1年1年が勝負」走攻守そろった遊撃手 : スポーツ報知


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 大学通算2本塁打、俊足と高校時代は投手もこなした強肩に守備での動きの良さが評価されるバランス型の内野手。今年は大卒ショートの候補が多かったため、打撃が売りの門脇選手もこの順位まで残りました。

  実は巨人が支配下で大卒ショートを獲得するのは16年1位の吉川選手以来。翌年の北村選手はサードがメインだったため、6年ぶりのショート本職の内野手獲得となりました。

 中山選手とともに坂本選手に続くショートとして期待されますが、中山選手は坂本選手が離脱した間1軍起用されたものの、パワー不足の壁にははばまれ打率1割台に終わりました。他のショートも打力不足が目立ち、坂本選手が離脱するとチーム全体の得点力が落ち込みました。

 中山選手は来年しっかり体づくりをしながら、坂本選手が離脱した際は門脇選手をメインに起用していきたいところです。

 

【5位指名 西濃運輸 船迫 大雅選手 解禁済右腕投手】


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 最速150キロ、サイドスローのフォームから回転数2600以上の浮き上がるストレートに、スライダーとシンカーを使い分けて左右をせめる右腕投手。社会人4年目の解禁済投手で、チームでは先発・中継ぎ両面で起用されていました。

 上位枠を野手と素材型投手に使ったため、課題だった中継ぎの薄さを補強するために下位で解禁済の社会人投手を獲得。今の巨人にはいない変則型の右腕中継ぎを獲得することでリリーフに厚みを持たせることを目的としています。

 船迫選手自身ストレートで押していくタイプのため、リリーフでの起用がメインになると思われます。

 

 

【全体的なまとめ】

 支配下は浅野選手以外は大卒・社会人選手のみ。それも不足していたセンター・ライトを守れる右打ちの長打が魅力の外野手。坂本選手に続く打撃型ショート。変則右腕リリーフと優先補強ポイントをしっかりと獲得できました。去年が素材型ドラフトであったため、今年は早期の1軍戦力を見込んでの獲得がメインとなっています。

 高梨選手しかいない左の中継ぎの補強が無かった点は残念ですが、今年は左腕不作の年でもあったため、無理に繰り上げをせずに順位で獲れる補強ポイントの選手を獲得しました。