読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2022年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  育成1位指名 明星大 松井 颯選手 大卒右腕投手

巨人から育成ドラフト1位で指名を受けた明星大・松井颯投手が16日、都内のホテルで支度金290万円、年俸400万で仮契約を結んだ。

 最速154キロの直球を武器に、今秋の首都大学リーグ2部では6試合に登板してトップの防御率0・97をマーク。大学では物理学を専攻するなど、科学的なアプローチも取り入れて大きく飛躍を果たし「日本球界を代表するような投手になりたいと思っているので、そこのレベルまでにいけたら」と力を込めた。

 同席した榑松(くれまつ)スカウト部次長は「育成で指名させていただいた選手ですが、球団としましては即戦力の評価をしています。1年目から、先発も中継ぎも出来るタイプですので1軍での登板を期待しています」と評価。即戦力の期待を受けた右腕は「キャンプ中にしっかりとアピールをして、2月か3月にはもう支配下に上がれるように」と青写真を描いた。

【巨人】育成1位・154キロ右腕の松井颯が仮契約 球団の即戦力評価に「2月か3月には支配下に」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

【松井選手の紹介】


www.youtube.com

178センチ83キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・シンカー・チェンジ

 

 セットから足を上げたところでタメを作り、オーバースローよりも低い角度から力強い腕の振りで投げ下ろすフォームから最速154キロ、常時145前後のストレートを投げ込む右腕投手。130キロ前後の横に動くスライダー、110キロ台のカーブ、110キロ台のシンカーを投げ込んでいきます。

 チームでは主に先発で起用。4年生から本格的に起用されるようになっており、花咲徳栄時代は控え投手で本人もプロ入りを諦めていたものの、所属する監督から「お前はまだ限界じゃない。だから大学でもっと頑張れよ」との言葉を胸に大学ではウェートトレーニングに励み、体重を72キロから83キロまで増量。130キロ台だった平均球速を140中盤も記録するまでに成長しています。

 

【なぜ獲得されたのか】

 水野スカウト部長が評価していた選手の一人。5位で変則右腕の船迫選手を獲得し、さらに6位で同じ変則右腕の日本製紙石巻・宮内選手を狙っていたが日ハムに先に指名されてしまい、社会人は支配下でしか指名できないことからここで支配下指名を終了しています。

 松井選手については当初は枠の都合で支配下指名が厳しかったため諦めていたところ、まさかの育成指名段階が残っていたため即1位指名を決めたと語っています。

 菊池選手にひけをとらないストレートと高いコントロールを評価しており、1年目から支配下を狙える選手に挙げるほどです。投手は補強ポイントの一つですが、補強ポイントを加味しての獲得というよりも、支配下クラスと見込んでいた選手が育成で残っていたため、獲られる前に指名に走ったといった経緯となります。

 

 

 

【1軍起用への課題】

 課題の一つがクイックの遅さ。クイックでの秒数はプロは1.25秒が平均的とされている世界で松井選手のクイックは 1.4~1.5秒台と遅く、先発として計算するには盗塁を仕掛けられやすいタイムとなっています。

 クイック時も大きく球速が落ちることはないものの、クイックを早めようとフォーム改造をした結果球速が大きく落ち込む、制球が悪化するといったリスクがあるため、先発として計算したいなら即支配下は難しく、2軍で時間をかけフォーム矯正をしていくしかありません。

 中継ぎとしてもランナーを気にする必要がない場面からしか起用できないため、中継ぎとしても使いにくいポジションの選手になってしまいます。ただ今の巨人の投手事情を考えればじっくりと矯正する余裕はなく、編成陣も即戦力として見ていることから、キャンプ・オープン戦の結果次第で即支配下となる可能性はあります。その場合は去年の菊地選手のポジションであるロングリリーフパターンからの起用となります。