読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

紅白戦を踏まえての巨人・左腕中継ぎ新戦力の現状について

巨人・原監督が名付けた「代木ボール」が内角に決まった。2―2の3回1死二塁。2番手で登板した高卒2年目左腕の代木が、丸を144キロ直球で見逃し三振に斬った。

 内角ボールゾーンから、ストライクゾーンへスライドして入ってくる「フロントドア」。ピンチを切り抜け、続く4回は3者凡退。2回1安打無失点に「(見逃し三振は)インコースを狙ったボールが“真っスラ”しました。アピールする中で抑えるのが大切なので、強い気持ちで臨みました」と胸を張った。

 打者の手元で動く速球が持ち味。「僕だけのボール。教えても投げられないと思う。もっともっと磨いていきたい」と意欲を見せる。「投げてみないと分からない」という軌道は、スライド回転だけではなく、きれいなフォーシームになることもあれば、シュート気味に変化することもある。自分でも予測不能なボールが「代木ボール」だ。

 オフにはウエートトレなど過酷なメニューをこなし、体重は4キロ増の94キロになった。直球の最速は昨年を2キロ更新する147キロを計測。原監督は「体全体が強くなって、ボールも強くなっている。いろいろ課題はあるでしょうけど、ステージは着実に上がっている」と高評価を口にした。

 キャンプは2軍スタートだったが、11日の紅白戦で好投し沖縄キャンプから1軍に昇格。初の開幕1軍入りへ、独特の変化をする得意球で、アピールを続ける。

“代木ボール”巨人2年目左腕が魔球で丸K斬り!「投げてみないと分からない」打者の手元で動く(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 

【代木・横川・山田・大江・井上選手が紅白戦で登板】

 1軍の左腕中継ぎは高梨選手に続く選手が55試合に登板し防御率は3.57の今村選手だった巨人。左腕中継ぎの強化は必須の課題であり、春季キャンプでは先発ローテとして期待される井上選手だけでなく、高卒2年目の代木選手、フォームを大きく改造した横川選手。2年目で阿波野コーチが左腕中継ぎ候補として名を挙げた山田選手。復活が期待される大江選手が呼ばれており、紅白戦で起用されています。

 そこで今回は紅白戦の結果を踏まえて、今後の左腕中継ぎ新戦力台頭の可能性について言及していきます。ちなみに今回は中継ぎについてのため、先発要員である井上選手は対象外とします。

 

【①:代木大和選手


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 高卒2年目ながら1軍キャンプに呼ばれた代木選手。腕の振りの角度を上げるフォーム改造に着手し体つきも大きくなったことで球速が向上。上半身と下半身の連動性を高めるトレーニングにも取り組んだことで、高校時代は最速139キロだった球速は147キロまで伸び、原監督も高い期待を寄せられ招集されました。

 紅白戦では2試合に登板し4回1失点と好投。スライダー気味に変化するシロキボールを武器に丸選手からも見逃し三振を奪いました。ストレートも140前半から中盤を記録するようになる成長を見せました。

 一方で課題もあり、左打者に対しては見逃しを奪っているものの、制球にはばらつきがあり投げたのはほとんどストレートでも高めに抜ける球が目立っていました。変化量が多い球がないため高めに入ると打ち返されており、特に右打者からライト方向に打ち返されていました。

 まだ1軍中継ぎは厳しいものの、高卒2年目ということもありさらなる伸びしろが期待されます。本人もチェンジ・ツーシーム系の習得を目標に挙げ山口コーチにチェンジアップの指導を受けているため、変化量の大きい球の習得が今後の課題となります。

 

 

【②:横川 凱選手】


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 再び育成再契約となった大型左腕。後がないと本人も考え、大きなフォーム改造に着手。オフに中日にトレードされた涌井選手に弟子入りし、これまでスリークォーターよりも低い角度から投げる癖のないフォームから、グラブを大きく掲げ高い角度から振り下ろすフォームに変更。原監督からもタワーフォームと称され、最速を150キロにまで伸ばす変化ぶりを見せつけています。

 気になる投球内容は2試合に投げ4回無失点。ストレートの球速は130後半から140中盤とかなりばらつきがありさらなる精度アップが求められますが、ストレートで差し込む場面も見られました。

 またストレート以上に大きく変化したのが変化球。リリースポイントが高くなったため変化量の落差が大きくなり、カーブ系の球でカウントを取れるようになっています。時々甘く入るため外野に飛ばされることはあるものの、長身を活かせず武器という武器がなかった過去と異なり、投球を組み立てられるようになっているため、フォームをしっかり固め精度アップが求められます。

 

 

【③:山田龍聖選手】


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 高卒社会人としてドラフト2位で入団。140後半のストレートで押していくパワースタイルが魅力でしたが、制球が定まらず変化球も精度に課題があったため、3軍スタートとなりました。去年1年は3軍暮らしとなりましたが、不足する中継ぎの救世主候補として期待され、1軍キャンプに呼ばれました。

 紅白戦では2試合に登板。2回無失点と好投したように思えましたが、タイブレーク制で1・2塁から再登板すると全く制球が定まらず、バントで2・3塁となると申告敬遠で満塁。まさかの押し出しサヨナラ四球で幕切れとなってしまいました。

 ストレートも高めに抜ける球が目立ち、変化球はほとんど投げられていません。残念ですがこの左腕たちのなかでは最も期待度は低く、まだしばらくはファーム漬けとなりそうです。

 

【④:大江 竜聖選手】


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 横手投げの変則フォームにして21年は左腕中継ぎの救世主として活躍するも、22年は全く制球・球速が定まらず、3軍でも苦しい投球を続けていました。

 今年は紅白戦で好投後1軍キャンプに呼ばれ、2試合に登板し3回無失点。タイブレークで再登板し無失点と結果を出しました。

 球速は130後半とほかの左腕たちに比べ球速は劣るものの、コースを突くコントロールで左打者は当てるスイングが精一杯と打者にスイングをさせていませんでした。1軍経験者として格の違いを見せており、一番の安定感を見せていました。現状では1軍中継ぎ最有力。後はストレートの球速が140台まで戻るかどうかが注目です。

 

 

【まとめ】

 現状の評価では大江>横川>代木>山田となっています。高梨選手は新たにシンカーを覚え、今村選手はよくも悪くも安定しているため、前年から大きく変わるような成績にはならないと思われます。大江選手が復活すれば現状左腕でのワンポイントである高梨選手を勝ちパターンにあげられ、ワンポイントを大江・船迫選手がこなせれば勝ちパターンとなり高梨・ロペスー大勢。と勝ちパターンを繋げられます。