（社会人・大学野球オープン戦、ＪＲ東日本４－０立大、１３日、立大グラウンド）新人左腕・市川睦投手（２２）＝日大＝が先発し、４回を無安打無四球２三振のパーフェクトな投球を見せた。
「今年はスピードを求めてトレーニングから全力で、とやってきた。もともとコントロールには自信があって、今はバランスを考えて投げてるのがよかったと思う」
この後は東京都企業大会などもあり、オープン戦としては最後。新人としては何よりのアピールとなった。
打者では、九回に〝社会人２号〟の左越えソロを放った山内慧外野手（２２）＝専大＝が新人として結果を残した。
「相手の宮投手は左（腕）で知られていて、前の球を遅れた感じでファウルになっていて、次の真っすぐにうまく対応できた」
すでに満塁本塁打も放た右打ち外野手として認知されており、浜岡武明監督が「新人も含めて、（４投手の継投で１安打０封勝ち）と結果を出してくれている」と目を細めた。
【市川選手の紹介】
１８２センチ８５キロ 左投げ左打ち
変化球：スライダー・カーブ・チェンジアップ
解禁年：２０２３年
セットからテイクバックの小さい腕の振りで背中から腕を出し投げ込むフォームから最速１４５キロ、常時１４０前半のストレートを投げ込む左腕投手。１２０キロ台のスライダー、１１０キロ台のカーブ、１２０キロ台のチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は右打者のインコースに差し込む矢のようなストレートと腕の振りから遅れて投げ込まれる落差のあるスライダー・カーブのコンビネーション。ストレートを中心に押していきながら大きな緩急差のあるスライダーとカーブで打者のタイミングを外し打ち取っていきます。
チームでは先発・中継ぎ両面で起用。ストレートを軸に押していく投げっぷりのよい左腕としてさらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題はストレートに比べると精度が落ちる変化球。スライダーをコースに投げられずインコースにストレートを投げ込める右打者に比べ、アウトコース中心となる左打者からの被打率が高く、右打者からは１割程度と抑えられているものの、左打者からは４割打ち込まれています。
左打者に対して有効なスライダーはコントロールが甘く、ストレートが横に動くタイプのストレートのため横に動くスライダーが使えれば左打者からも空振りが奪えますが、縦の軌道のカーブとチェンジのためストレートを見せ球に出来る球がなく、カーブとストレートを使いやすい右打者に比べ、インコースに投げられる球がない左打者を打ち取るのに苦労しており、先発としては最長でも４イニング程度とあまり投げられていません。
【指名順位予想】
左腕投手は左のインコースに投げられるかどうか。左のインコースを攻める球がないとプロで伸び悩むのが多くの選手が実証しており、市川選手も左の投げ込める球がないため、現状では対左として計算できません。
左投手である以上左打者から空振りを奪えるスライダーが生命線となるため、スライダーの精度向上。また変化球３球種では常時１４０後半クラスにならなければ指名候補としては厳しいため、球速が伸びないならばさらなる球種の開発が必要となります。このため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。
