10月12日にプロ志望届が締め切られ、23年ドラフトの指名対象者が確定しました。このため23年ドラフトにおける指名予想(最終)を行いたいと思います。
①指名予想は各順位2名ずつ予想。ただし1位のみ1位とはずれ1位の両方を予想。
②指名順位は最終順位の4位とする。
③指名数は支配下6名、育成8名とする。
④プロ志望届を提出したもののみを対象とする
また東スポ・サンスポの記事により支配下は5~6名、育成は7~8名指名予定とされているため、育成指名数を8名としています。
現段階では1位指名を含め支配下で5~6人、育成では7~8人を指名予定とのこと。議論を重ねたのち、阿部新監督を交えた直前のスカウト会議ですべてが決まる。
【巨人】今年はドラフト1位指名公表せず 水野スカウト部長「直前まで視察を重ねて」(東スポWEB) - Yahoo!ニュース
今回は育成指名の5位~8位と指名振り返りとなります。。
- 【育成5位指名候補①】静岡大 佐藤 啓介選手 大卒左内野手
- 【育成5位指名候補②】埼玉武蔵ヒートベアーズ 町田 隼乙選手 独立リーグ右捕手
- 【育成6位指名候補①】函館大有斗 川下 将勲選手 高卒左腕投手
- 【育成6位指名候補②】筑波大 山田 拓朗選手 大卒右腕投手
- 【育成7位指名候補①】明星大 杉内 太一選手 大卒右腕投手
- 【育成7位指名候補②】城西国際大 中村 太耀選手 大卒左腕投手
- 【育成8位指名候補①】香川オリーブガイナーズ 赤尾 侑哉選手 独立リーグ右腕投手
- 【育成8位指名候補②】佛教大 竹田 貴行選手 大卒左外野手
- 【なぜこのような指名となったのか】
【育成5位指名候補①】静岡大 佐藤 啓介選手 大卒左内野手
静岡のゴジラと評価される左の大型内野手。主にサード・セカンド・ファーストを守り大学でウェートトレーニングと食トレに励み体重を92キロまで増加。恵体でありながら首位打者にも輝いたバットコントロールが魅力となっています。
静岡大は国立であり毎日10時間の勉強でストレート合格した知力の持ち主であり、本人も主将として勝利のためにどのようなことをすべきか常に考えていると語るクレバーな選手。ファームが桑田監督になり座学を取り入れるなど考える野球に力を入れる方針を示しているため、桑田監督の方向性に近い投手としての獲得。ポジションとしても中島・香月・松田選手が退団・引退となり内野手が大きく減っているため、編成としてもファースト・サードメインだった選手の獲得となります。
【育成5位指名候補②】埼玉武蔵ヒートベアーズ 町田 隼乙選手 独立リーグ右捕手
今年8本塁打を放っている右の大型捕手。高卒2年目ということで伸びしろが期待できる素材型捕手となっています。
まだスローイングの動きが遅い、失策数が目立つなど守備には課題を抱えているものの、次代の捕手候補を見据え獲得しておく必要があり、DHがないセリーグでは捕手もある程度は打てる必要があるため、打撃型捕手としての獲得。育成捕手に右打ちが偏る懸念点はありますが、即戦力でなく4~5年後の戦力化を見据える育成捕手で現在の左右の偏りを考慮するより、戦力になるかどうかで判断すべきであるため、指名候補としています。
【育成6位指名候補①】函館大有斗 川下 将勲選手 高卒左腕投手
最速142キロ、伸びしろが期待される細身の長身左腕。癖がなく角度があるストレートが魅力ですが上半身・下半身共に非常に細く、伸びしろを期待しての獲得。左腕投手の強化は今の巨人にとって必須の課題であり、21年にボディビルダーの鈴木雅氏と契約してから体づくりにも力を入れています。育成の吉村選手が体重を12キロ伸ばし最速を伸ばすなど成果も出ており、育成左腕の富田・吉村・森本選手とどれも変則フォームのため、オーソドックスフォームの投手の獲得でもあります。
体を作れば伸びしろがある選手であるため、指名対象としています。
【育成6位指名候補②】筑波大 山田 拓朗選手 大卒右腕投手
最速155キロ、チームではリリーフで起用される中継ぎ右腕。大学に入り球速を14キロも伸ばした成長株であり、一般入試で筑波大に入学。試合でも考えながら投球ができるクレバーな投手となっています。
ファームが桑田監督になり座学を取り入れるなど考える野球に力を入れる方針を示しているため、桑田監督の方向性に近い投手としての獲得。まだ実績も少なくフォームにもぎこちなさがあり改善の余地があることから育成指名となっています。
【育成7位指名候補①】明星大 杉内 太一選手 大卒右腕投手
最速142キロ、力強い腕の振りで投げ込むサイドスローが特徴の右腕投手。チームでは先発・中継ぎ両面で起用され、大学に入り磨きをかけたストレートと変化量が大きいスライダーを軸に打ち取っていきます。
22年ドラフトで育成1位指名された松井颯選手と同じ大学であり、松井選手が登板していた時期にも起用されていることからスカウトの目にとまっている選手。ただ首都大2部という実績の弱さとスカウトに注目されるほど大きなスケールがまだないため、育成でも下位となっています。船迫・吉村・森本選手と変則投手の強化に取り組んでおり、中継ぎ強化を目的とした指名となります。
【育成7位指名候補②】城西国際大 中村 太耀選手 大卒左腕投手
オフの練習で最速156キロを投げた左腕投手。通算防御率は6点台、コントロールにばらつきがあり平均球速も安定していないなど完成度は低いものの、決まった時の球はピカ一のロマン枠投手。
ロペス選手や横川選手の台頭や菅野選手の復活を引き出した久保コーチが来年も巡回コーチとして残ることが決まったため、魔改造を期待しての獲得。1軍中継ぎは変則左腕が占めパワータイプ左腕が不足しているため、速球で押していくタイプの中継ぎ左腕を育成するための指名となります。
【育成8位指名候補①】香川オリーブガイナーズ 赤尾 侑哉選手 独立リーグ右腕投手
最速152キロ、チームでは中継ぎで起用される右腕投手。クラブ所属時代に巨人の入団テストを受けたことで注目されましたが指名漏れ。その後香川OGに入団しました。
最初にグラブを前に出したあとでそのグラブを戻しフォーム始動する独特のフォームで投げ込むため、打者からするとタイミングの取り方がわからない投手。ただクイックになると独特のフォームがなくなるためそこからの打ち取りに苦労しています。
現在の巨人は中継ぎの頭数が足りておらず、勝ちパターンも敗戦処理に動員する試合も多々見られたため、ある程度年齢がいった選手も1~2年後の支配下を狙い、中継ぎを短期間で厚くするための獲得となります。
【育成8位指名候補②】佛教大 竹田 貴行選手 大卒左外野手
一塁到達速度4.0秒台の俊足センター。リーグでは2度首位打者をとった俊足好打が売りの外野手でしたが、3年秋に肉離れで長期離脱。4年生で復帰しましたが2割台と打撃は大きく落ち込んでいます。本人も練習不足で打撃の感覚がずれてしまっていると語っており、その分評価を落としての指名。
巨人はスカウト3人体制で視察に訪れており、編成面でも1番でセンターを守れる若手外野手が不足しており、育成外野手で期待されていた鈴木大和選手も打撃が厳しく内野安打がメインで支配下はまだ期待できないため、さらなる台頭を期待しての獲得となります。
【なぜこのような指名となったのか】
現在ポジション別引退・戦力外となった選手は投手が5(5)、捕手が0。内野手が3(1)、外野手が0(1)で合計で8(7)となっています。今年の巨人は2軍から中継ぎの底上げが出来ず高梨選手の調整が短期間しかできず、素材型の田中千選手を1年目から中継ぎとして動員せざるをえないほど頭数が不足していたため、左腕の充実化と中継ぎの補強をメインとした獲得としています。
一方で野手については外野手が中心。戦力外数からすると内野手を多めに取りたいtころですが、育成内野手は2軍で徐々に使われ始めた岡本大選手を筆頭に駒田3軍監督から打撃を高く評価される相沢選手、守備能力が高い中田選手、外野手登録だがサードで起用され守備も上達しているティマ選手。癖のない打撃で率を残せる北村選手、一時は支配下候補にまでのぼった加藤選手といった若手のホープが揃います。このため内野手は育成ではあまり補強対象としていません。
一方、外野手は保科選手が戦力外。鈴木大選手は打撃が物足りず笹原選手はまだ打席自体が足りていません。大城選手はまだ粗さが目立ちます。また今の巨人には1番を任せられる俊足好打型が少なく、岡田・大城選手のような身体能力型、萩尾・三塚選手といったパワータイプが多く、それらの選手は育成からの大成は他球団を見ても例が少ないため、育成からでも比較的出てきやすい俊足好打型を中心に獲得しています。