読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

140中盤のストレートで押していけるパワー左腕 法政大 吉鶴 翔瑛 大卒左腕投手

法大のダブルエースがプロ一本を表明し、ドラフト1位の目標を掲げた。東京6大学の法大は13日、神奈川・川崎市内の同大グラウンドで年始の練習を行った。最速157キロの右腕エース篠木健太郎投手(3年)と最速151キロの左腕エース吉鶴翔瑛投手(3年=ともに木更津総合)は社会人野球の誘いを断り、進路をプロに絞る。

身長177センチの篠木は「180センチいかない人でも可能性があるんだよって示しになりたいので、球速160キロを目指したい」と持ち味の速球をさらに伸ばしていく。吉鶴は「今は常時140台中盤なので、平均的に150キロ投げられるように」と平均球速のアップを誓った。父の憲治氏(52)は、現在ソフトバンクの3軍バッテリーコーチを務める。帰省した際に「プロを目指すからにはドラフト1位で行け」と伝えられた。大学入学当初は考えもしなかったが「ドラフト1位でいきたい」と夢を口にした。頼もしい左右の両エースが先頭に立ち、20年春以来のリーグ優勝へと導く。

法大ダブルエースがプロ1本宣言 篠木健太郎「160キロを目指す」吉鶴翔瑛「ドラフト1位で」 - アマ野球 : 日刊スポーツ

 

【喜鶴選手の紹介】


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175センチ79キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・ツーシーム

 

 セットからあまりタメを作らずスムーズな動作から振り抜くフォームから最速151キロ、常時145前後のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台のスライダー、130前後のチェンジアップ、130キロ台のツーシームを投げ込んでいきます。

 武器は高めでも空振りを取れる力あるストレート。高めに抜けても詰まらせる球威のあるストレートを中心に、スライダー・チェンジでカウントを整えながら打ち取っています。

 チームでは先発・中継ぎ両面で起用。3年秋にはキャリアハイとなる9試合で防御率1.87と好投。4年春は同級生の篠木選手とともに先発2枚看板として起用されています。

 大学から始めたウェートトレーニングにより2年生で最速が141キロから149キロまで向上。さらに同学校の山下輝(21年ヤクルト1位)選手からツーシームを学び、フォームも力強く振っていたフォームも和田毅選手を参考に力感を無くしスムーズに投げ込むことでストレートの球質が向上。

 ストレートが魅力でさらなる伸びしろを残した素材型左腕として成長が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題は右打者からあまり空振りを奪えなくなっている点。喜鶴選手は通算でも対右成績は悪く、それでも中継ぎメインでキャリアハイの3年時は対右被打率1割と好投していました。しかし4年になり再び3割前後と被打率が悪化。その原因がチェンジアップで空振りが取れなくなっている点です。

 喜鶴選手の投球スタイルはスライダーをカウント球に、ストレートを中心に似た軌道のチェンジ・ツーシームで打ち取っていくものですが、先発になり球速がセーブされたことでストレート・チェンジで空振りが取れなくなっています。

 指にひっかかりすっぽ抜けたり力んで投げた瞬間にボール球となるものも多く、変化量が大きくないためゾーンぎりぎりに投げられないと打者は反応せず見逃されています。

 140中盤だったストレートは140前半から前後に。130中盤だったチェンジも120キロ台におちているため、打者にカットされ置きにいったストレートやチェンジを痛打されています。

 

 

【指名順位予想】

 中継ぎならば1年目からある程度は投げられますが、先発としては球速が落ち込むため即戦力とはいえず、投手としては大学から本格的な体づくりを始めた素材型となります。

 ただ中継ぎとしても勝ちパターンで使えるほどの安定感はまだ期待できないため、素材型として2軍スタートになる可能性が高くなっています。先発・中継ぎどちらでも素材型となるため現状では3~4位候補。24年ドラフトの大卒左腕市場は上位候補だった環太平洋大・徳山選手が行方不明。駒澤大・東田選手が大乱調。高井選手が酷使状態など安定して投げられている左腕自体が希少な状況のため、大きな故障がなくまだ伸びしろを残す喜鶴選手は相対的に指名順位が上がっています。

 今後については本人は球速よりも球質の向上を掲げているため、ストレートの球速よりも変化球の精度向上の方が求められます。また5回以降スタミナが落ちてきて球速が130キロ台になるとさらに苦しくなっているため、スタミナ向上も課題となります。

 6回以降もストレートが140キロ台を保てるスタミナがつき、チェンジアップの変化量が上がれば2~3位指名候補となります。