読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

独特のフォームから投げ込まれる直球が武器 田辺 寺西 邦右選手 高卒右腕投手

第106回全国高校野球選手権大会和歌山大会(15日、田辺5-0市和歌山、紀三井寺)選抜大会に21世紀枠で出場した田辺が初戦の2回戦で昨夏の代表校・市和歌山を5-0で退け、初戦突破した。エースの寺西邦右(ほうすけ)投手(3年)が被安打6、3四球、味方の失策などで走者を背負いながらも粘りの投球で相手打線を完封。選抜大会の時点では139キロどまりだった直球はこの日最速143キロをマークし、確かな成長を印象付けた。

「初回から全力で投げていって、後半ちょっとバテてきたが、なんとか踏ん張って投げた」

まだ調子が上がってきてない、3日前からブルペン投球はノースローで調整。軽いキャッチボールにとどめて臨んだマウンドで結果を出し「思いどおりの球が結構いった」と手応えを得た。

最速更新には「スピードはピッチャーの良さの一つだと思うので、うれしい気持ちはある」とうなずいた。

印南町立稲原中時代は中学の軟式野球部。当時は硬式球を握って甲子園を目指すこともイメージすら沸くことはなかった。高校進学後に田中格監督に熱心に誘われ高校でも野球を続け、投手としての才能が本格的に開花。今春には甲子園の舞台も踏んで、今後も伸びしろはたっぷり。田中監督も「メンタルの強い子で、トレーニングをしっかりしているから体が大きくなって強くなっている」と、今夏も全幅の信頼でマウンドを託す。

選抜大会は1回戦で星稜(石川)と接戦を演じながら最終回に2点を取られて競り負けた。「春に悔しい負け方をしてしまったので、夏も甲子園に出て活躍できたら」という背番号1は。もう一度甲子園のマウンドに立つため、和歌山の頂点獲りに突き進む。

選抜大会出場の田辺・寺西邦右、市和歌山を完封で撃破/和歌山大会 - サンスポ

 

【寺西選手の紹介】


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180センチ79キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・フォーク

 

 セットから上半身を反らしながら肘を伸ばし、高い角度から振り込むフォークから最速143キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦のスライダー、120キロ台のフォークを投げ込んでいきます。

 武器は140キロ台の力あるストレート。カーブのような軌道の縦のスライダーでカウントを稼ぎつつストレート主体にパワーピッチングの押していく投球が持ち味で、独特のフォームから投げ込まれる適度に荒れる投球も相まって、打者はストレートと分かっていながら詰まらされる打席が多くなっています。

 チームでは主に先発で起用。公立の田辺高校に進学したため一度野球を諦めるも、軟式で130キロを記録した才能を惜しんだ監督の説得で野球を続行。また故障に悩まされる中で監督からインステップフォームの転向を打診されるも、やはりしっくりこないと再度インステップフォームに転向。春の地方予選では7試合6完投で選抜出場に大きく貢献しました。

 しっかりとしたガタイのストレートが魅力の右腕としてさらなる成長が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題はやはり制球と変化球の精度。寺西選手のストレートは適度に荒れるため狙いが絞りにくいものの、中盤になってくると高めに浮きだすシーンが目立つようになります。低めも足元に抜ける球が多くなり、低めはストライクとボールがはっきりしだすために手を出されなくなり、高めにしっかりとタイミングを合わせられランナーを貯めてしまいます。

 変化球はスライダーはまだカウント球に使える場面はあるものの、フォークは変化量が小さいうえに変化が早すぎるために見切られており、ストライクをとれているのはほどストレートとスライダーだけ。そのため回を重ねるごとに打者が迷いなく高めを振り抜くようになり、長打から一気に崩れることが多くなっています。

 指にかかったスライダーを投げられたシーンでは打者も大きく空振りしているため、スライダーが安定して使えれば投球の幅が広がりますが、ストレートが少しでも高めに抜けると打者は迷いなくスイングしているため、ストレートが浮きだすと抑えられなくなっています。

 

 

【指名順位予想】

 現状では決め球といえる変化球がなく、スライダーは決まった球はいいものの精度にばらつきが目立つ。フォークは今の変化軌道では球速が上がらないと厳しいため、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。

 また何度か故障しており、その原因として監督から指摘されているインステップ気味のフォームもこれがしっくりくると直していないため、プロ入り後故障した際、怪我を防止するためのフォーム改造に苦労する可能性があります。

 怪我をした際のリスクが高い点からも指名リスクが高く、指名漏れの原因となっています。