<高校野球大分大会:明豊7-0中津東(8回コールド)>◇16日◇2回戦◇別大興産スタジアム
プロ注目で中津東の最速148キロ右腕、金田龍乃介投手(3年)が2回戦で姿を消した。
「チームを引っ張る投球ができなかった。自分の力不足です。もっと成長できた部分があったと思う」
絶対王者、明豊戦に今夏初先発。7回1/3を137球の熱投も、11安打7失点(自責4)だった。「(明豊の)打線が本当に強くて…。決め球を打たれたことが後悔です」と肩を落とした。
3者凡退はわずか1度で、7イニングで得点圏に走者を背負った。4回まで1失点投球で踏ん張るも、5回無死一、二塁からバント処理での自らの悪送球が絡むなどこの回4失点。7回には併殺崩れの間に1点を失い、0-6の8回は1死三塁から左前打を許し、コールド負けを喫した。
バックネット裏には5球団8人のスカウトが熱視線を送った。中日三瀬幸司スカウト(48)は「投げっぷり、気持ちの強さを感じる。投げる感性もいいですし、将来が楽しみな選手です」と語った。金田は「ドラフトにかかれば(プロに)行きたい」とプロ志望届の提出を明言した。
最速148キロ右腕の中津東・金田龍乃介完敗「ドラフトかかれば行きたい」プロ志望届明言/大分 - 高校野球夏の地方大会 : 日刊スポーツ
【金田選手の紹介】
177センチ80キロ 右投げ左打ち
変化球:スライダー・カット・スプリット・チェンジ
セットから軸足の重心を落とし、低い位置からオーバースローよりも低い角度の腕の振りで投げ込むフォームから最速148キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台のスライダー、120キロ台のカットボール、130キロ台のスプリット、130前後のチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は低めから伸びのあるストレートとチェンジ・スプリットのコンビネーション。スライダーとカットでカウントを整え、小さく落ちるチェンジと鋭く縦に変化するスプリットで打ち取っていきます。
チームでは主に先発で起用。投手を本格的に取り組み始めたのは高校生からで、1年生では最速125キロだったにもかかわらず、2年生では142キロ、3年生になり最速をさらに6キロ伸ばすなど伸びしろを感じさせる投手。巨人・西舘選手のクイックフォームを参考に現在のフォームを作り、ドラフト候補として注目されるまでに成長しています。
9月9日にプロ志望届を提出。伸びしろが期待される公立の星として注目されています。
【指名への課題】
金田選手のフォームは非常に腕の振りが強く、スカウトからも投げっぷりのよさが評価されています。この腕の振りの大きさが縦の変化球の変化量の大きさに繋がっていますが、クイック時やスタミナが落ちてくるとこの変化球にムラが出てきます。
腕の振りにムラが出てくるため、変化量が小さいチェンジ・スプリット系の割合が減ってしまい、投げても指に引っ掛かりすっぽ抜けるものが増えています。そのため変化量が大きいスライダー頼りになってしまい、そのスライダーも球速が110キロ台まで落ち込み、左打者のインコースに向かう変化に変わってしまうため、序盤では低めに空振りが奪えていたスライダーでストライクが奪えなくなっています。
このためスタミナが切れる5回以降でランナーが出てクイックになりフォームにタメが無くなると、変化球のムラが大きくなり連打で崩れています。
【指名順位予想】
中学まで外野手であまり肩を消耗していないこと。そして高校生の間に最速を20キロ以上も伸ばしており、伸びしろも期待できます。
一方で投げっぷりがいいものの、現状の腕の振りのフォームだと変化球のムラやスタミナの消耗といった課題も残されるため、出力の大きさを評価してリリーフ型として育てるか、カウントを整えられるストライクゾーンに投げ込む変化球を習得し縦の空振りを奪う変化球を活かせるようにする必要があるため、高卒でも課題が多めの素材型となります。
あまり上背があるタイプもないため、現状では育成4~5位指名候補となります。
