
ドラフトを考える上で考慮しなければならないのは、新しく入る選手がいれば去る選手もいるということ。支配下枠を開けるためには戦力外通告を行う必要があります。現在が69名。ドラフトと新外国人及び育成選手の昇格枠を確保するためには60~61名まで減らす必要があり、最低でも8~9名を戦力外にしなければなりません。
そこで今回は2024年巨人の支配下選手戦力外予想を行います。掲載する成績は24年の成績となります。
【投手】
【①:鈴木 康平選手】
1軍成績:なし
2軍成績:29試合28.1回0勝0敗0H0S 防御率2.54
23年にオリックスから廣岡選手とのトレードで入団した中継ぎ右腕。150前後のストレートとフォークを武器に23年は1軍中継ぎとして起用されましたが、制球の悪さで勝ちパターンとして定着できませんでした。
24年はトレード入団した泉選手に加え、平内、ケラー、赤星、堀田、田中、伊藤選手などの活躍により出番はなく、今年は1軍登板0に終わりました。
2軍でも登板数に比べ四死球数がトップと制球の悪さは変わっておらず、阿部監督が嫌う四球で自滅するタイプとなっています。外様のため戦力外になりやすく、タイプの近い伊藤優選手の方が結果を残しており、30歳と選手としての伸びしろも限界がきていることから戦力外候補となります。
【②:メンデス選手】
1軍成績: 2試合4.1回0勝2敗0H0S 防御率12.46
2軍成績:22試合105回6勝5敗0H0S 防御率3.94
23年にグリフィン選手とともに入団した先発左腕。23年は保険枠といわれながら、結果はまさかの16試合に登板し5勝5敗防御率2.07と大活躍。被打率の低いストレートを武器に先発ローテを支えました。
しかし2年目はまさかの大乱調。コントロールが目に見えて悪化し、1軍登板はわずか2試合で防御率12点台と、全く計算できない結果となりました。
巨人は終盤に中5日ローテをするなど先発ローテは潤沢ではなく、その中で大乱調のメンデス選手を来年もかかえる余裕はありません。このため戦力外候補となっています。
【③:直江 大輔選手】
1軍成績:なし
2軍成績:17試合45回2勝3敗0H0S 防御率3.20
17年3位で松商学園から入団した高卒右腕。ヘルニアを発症し一時は育成再契約となるも、支配下を勝ち取り1軍で白星もあげました。
ですが安定感に欠け1軍では最多でも1勝にとどまっており、今年に至っては中継ぎ昇格もなく1軍登板は0.ましては2軍でもローテに定着できておらず、高橋優選手とともに3軍にまで落ち、フォーム改造にも着手するなど追い詰められています。
その3軍でも球速は140前半と物足りない結果となっており、今の巨人は早期のセカンドキャリア構築のため若いうちにも戦力外にするため、今年は戦力外候補となっています。
【④:石田 隼都選手】
1軍登板:なし
2軍登板:なし
21年4位で東海大相模から入団した高卒左腕。手足の長い素材型として主に3軍で起用。故障が多く2軍でも通算10登板にとどまっています。
24年3月にトミージョン手術を受けたことで今年は登板0。トミージョンを受けると2年間は投げられないため、今年は育成再契約のために一度戦力外となります。
【⑤:代木 大和選手】
1軍登板:なし
2軍登板:なし
21年6位で明徳義塾から入団した高卒左腕。独特の軌道で動くまっスラが武器で一次は1軍中継ぎでも起用されました。
しかし肘の故障でリハビリが続き24年4月にトミージョン手術を実行。2年間は投げられないため、石田選手と同様育成再契約のために一度戦力外となる可能性が高くなっています。
【⑥:髙橋 優貴選手】
1軍登板:なし
2軍成績:2試合6回1勝0敗0H0S 防御率6.00
18年1位で八戸学院大から入団した大卒左腕。1年目は武器であるスクリューを使い先発として18登板5勝7敗を記録。次代のエースとして期待されました。
しかし課題だった制球難が改善せず、スライダーやストレートを見切られるようになり四球から崩れることが増え、そこから制球を気にしてフォームも崩し、武器であったスクリューも精度を失い2軍でも苦しい投球が続いていました。
ついに今年は故障班でもないのに3軍メインとなってしまい、年齢も27歳と中堅に突入。スクリュー復活の可能性で現役ドラフトもありえるかと考えましたが、ワンポイントながら2軍である程度運用できており、変則左腕で戦力外や現役ドラフトなら需要がありそうな大江選手が挙がると考え、高橋選手は戦力外としています。
【野手】
【①:菊田 拡和選手】
1軍成績:なし
2軍成績:なし
19年3位で常総学院から入団した高卒右内野手。常総のバレンティンと称されたパワーが持ち味でクリーンナップ候補として獲得されました。
しかし2軍では最多本塁打が4本と期待されていた長打はあまり伸ばせておらず、守備難も改善せず1軍起用の機会がありませんでした。加えて5年目は故障に悩まされ2軍出場なし。持ち味の長打は低く打撃の確実性があるタイプでない。鈍足で守備も期待できないため今年戦力外候補または育成再契約となります。
【②:増田 陸選手】
2軍成績:227試合299打数68安打5本塁打22四死球 打率.227
18年2位で明秀学園日立から入団した高卒右内野手。ポスト坂本選手として期待されたショートでしたが、相次ぐ故障で21年オフには育成再契約にもなりました。その後支配下に復帰するも、1軍は22年の69試合起用がキャリアハイ。
本塁打こそあるものの打撃の波の激しさ。複数ポジションで期待されるもののどのポジションも目に見えて上手いわけではない。ショートに至っては送球難になり計算できないレベルにまで落ち込んでおり、高卒6年目と厳しい立場に立たされており戦力外候補となっています。
【③:E.ウレーニャ選手】
2軍成績:98試合231打数60安打9本塁打20四死球 打率.260
阿部監督が自ら現地に赴き獲得した育成内野手。22年に戦力外となり楽天が獲得。しかし楽天でも戦力外となり、阿部監督が獲得しました。
4月に支配下登録を果たすも、課題の1軍レベルの変化球に対応できずヒットは0。さらに9月にチェコから育成で同じ右打ちのフルプ選手を獲得。支配下枠を開ける必要があります。
しかし2軍では9本塁打を放つなどファームで数少ない本塁打を放てる野手となっています。ヘルナンデスが手首を骨折し打撃への影響が未知数なため、保険として育成再契約となります。
【④:立岡 宗一郎選手】
1軍成績:48試合84打数18安打0本塁打11四死球 打率.214
2軍成績:55試合139打数40安打1本塁打16四死球 打率.288
12年にソフトバンクからトレード入団した高卒外野手。15年は91試合で103安打打率.304と長年求められていた1番バッターとして活躍。その後は不調や故障にも悩まされながら1軍・2軍を往来する日々が続く中で、22年の西武戦で守備中にフェンスにぶつかり左膝前十字靱帯損傷。選手生命も危うい故障で育成再契約となり、長期間のリハビリ生活となりました。
24年の5月に支配下復帰を果たすと交流戦では7試合連続ヒットと復活したかにみえましたが、その後は打撃も落ち込み打率も.214となりました。今年で34歳とベテランの域に入っており、外野手は長野・丸・梶谷選手とベテランが固まっているため、新陳代謝が求められます。このため戦力外候補となっています。
【⑤:梶谷 隆幸選手】
1軍成績:6試合16打数3安打1本塁打1四死球 打率.188
2軍成績:18試合39打数10安打0本塁打 3四死球 打率.256
FAでDenaから入団した左外野手。今年は阪神戦で試合の流れを決めるファインプレーを決める活躍をしましたが、そのときのダイビングで膝の調子が悪化。その後も膝の調子は戻らず、様々な治療を施すも守備や走塁が可能なレベルにまで戻っていないと話すほどの悪化しています。
打撃はDHで起用されているものの、来年で37歳とさらに怪我の治りは遅くなる年齢。外野には丸・長野選手と故障なく1軍帯同しているベテラン選手がおり、守備につけない梶谷選手を残す余裕はなく、戦力外候補または大減俸+育成再契約となっています。