<関東地区大学野球選手権:白鴎大2-0帝京大>◇1回戦◇6日◇横浜スタジアム
白鴎大(関甲新大学野球連盟1位)の、プロ注目の最速148キロ左腕・松永大輝投手(3年=東海大菅生)が3安打完封。準々決勝進出を決めた。松永は「去年の全日本大学野球選手権で1度、完封をしたのですが、その時くらいうれしいです」と笑顔がはじけた。 粘り強く投げきった。立ち上がりから制球が定まらず6四球も「序盤は真っすぐで見せて。後半は得意なチェンジアップを多投しました」。緩急を自在に操り奪った三振は11。「緩急で勝負するのが自分のピッチング。うまくかみ合ってくれた」と、相手打者を翻弄(ほんろう)した。
昨年6月、大学日本代表の選考合宿に参加。ドラフト候補に挙がる選手たちとともに練習し、刺激を受けた。中でも衝撃を受けたのは楽天古謝(当時桐蔭横浜大)とのキャッチボールだった。「球質や伸びが違って、捕れなかった。初めての感覚。もっと練習しないといけないと思いました」。インナーマッスルの鍛え方、肩周りの筋肉、腹圧のトレーニング方法を教わり、地道に練習を重ね、今秋はMVP、最優秀防御率、最多勝、最多奪三振、ベストナインの5冠に輝いた。
スタンドでは早くも多くのスカウトが熱い視線をおくる中でのマウンドに「いいところを見せたいと思ってました」とニッコリ。来年のプロ志望を聞かれ「はい!」と、ひときわ大きな声で答え、その意思の強さを見せつけた。
白鴎大の来年ドラフト候補・松永大輝が3安打11奪三振で完封勝利「いいところを見せたいと」 - アマ野球 : 日刊スポーツ
【松永選手の紹介】
171センチ67キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・ツーシーム
セットから腕を背中側に回し、リリースする瞬間まで背中側で隠しながら小さな腕の振りで投げ込むフォームから最速148キロ、常時140前後のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台のスライダー、110キロ台のカーブ、130前後のチェンジアップ、130キロ台のツーシームを投げ込んでいきます。
武器はコースに投げ込めるコントロールとストレートと見分けがつかないチェンジアップ。球速は130キロ台も多い中、コースに投げ分け打者に絞らせず、左打者には厳しいコースへのストレートとスライダー、右打者にはカーブで引っかけさせ、打者の手前で小さく落ちるチェンジアップで空振りを奪います。
チームでは主に先発で起用。代表合宿で古謝投手(楽天1位)の球質に感銘を受けトレーニング方法の指導を受けたことで投球内容がさらに向上。3年秋に5勝0敗でMVP、最優秀防御率、最多勝、最多奪三振、ベストナインの5冠を達成しています。
制球のいい左腕として早くから注目されています。
【指名への課題】
課題は縦のコースの精度。松永選手はスライダー、カーブの変化量に加え、ストレートは横のコースにしっかりと投げ込めており、打者は差し込まれ窮屈なバッティングになっています。
ただ縦の高さにはばらつきがあり、特にストレート、カーブは高さにばらつきが目立ちます。そのため左打者の外に逃げるスライダー、カーブでなかなか誘い込めず、球速もないことから甘くなった球をしっかりと引き込まれ痛打されています。
右に対しては横の角に投げ込めるストレートでバットの先や根元でしかスイングさせないコントロールとチェンジに、ある程度ばらつくがストライクが取れるカーブで順調に打ち取れますが、左に対してのスライダーがばらついているため、スライダーのコントロールアップ、もしくは球速アップが求められます。
【指名順位予想】
左腕でコントロールがいいのは魅力でストレートは球速がないながらも差し込めるのが魅力。ただストレートに球速がないタイプはその分変化球でもアピールする必要があるため、決定的な決め球がなく、打ち損じを誘う今の投球スタイルは物足りなさがあります。
上背がなくフォームも独特なため球速の伸びに疑問はあるものの、大崩れしないため社会人に好まれるタイプ。伸びしろ評価が難しいため、社会人に進みもう一回り伸びた姿で即戦力を狙う方が上位指名できるタイプ。現状では育成2~3位候補となります。球速が140前半、変化球も平均で3~5キロ伸びればコントロールが良く伸びしろもまだ残しているとして、3~4位の上位指名となります。
