巨人からドラフト5位指名された宮原駿介投手=東海大静岡=が21日、静岡市内で仮契約を結んだ。契約金4000万円、年俸800万円(金額はいずれも推定)で、背番号は「57」に決まった。
6月に侍ジャパン大学日本代表候補合宿にも参加し、即戦力として期待される最速153キロ左腕。色紙に1年目の目標を「開幕1軍」としたためた。「先発も中継ぎもできるタイプだと思っているので、あまりこだわりは持たずに。チームに必要となれるように、どちらでもしっかり準備したいなと思ってます」と抱負を語った。
【宮原選手の紹介】
174センチ85キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・ツーシーム・チェンジ・カット
セットから軸足を曲げ、小さな腕の振りで背中から腕を出すように投げ込むフォームから最速153キロ、常時145前後のストレートを投げ込む左腕投手。130キロ台のスライダー、130キロ台のツーシーム、130前後のチェンジアップ、140前後のカットボールを投げ込んでいきます。
武器は小さな腕の振りから投げ込む球威のあるストレートと右打者の膝元に落ちるカットボールのコンビネーション。チームでは主に先発で起用され、4年秋は5試合で完投するスタミナを発揮。大学日本代表候補にも選出されました。
【なぜ指名されたのか】
ストレートの強さと高速カットボールを評価されていた選手。先発なら時間はかかるが、リリーフなら即戦力として期待されており、若手左腕は石田・代木選手がTJ手術で1年以上投げられず、山田選手は育成落ち。育成の吉村選手は腰痛から復帰したものの、なかなか出力を上げ切れておらず、井上・横川選手に続く若手左腕の台頭が課題でした。
中継ぎ左腕も高梨・バルドナード選手以外では23年組の森田・又木選手がぱっとせず、大江選手も対左の課題を解決できていません。将来的な先発、現状では中継ぎ層を厚くするために24年組では数少ない即戦力枠で獲得されました。
【1軍起用への課題】
課題は全体的にばらつきが目立つこと。小さな腕の振りから投げ込むストレートは球速以上に速さを感じ、特に右打者のインコースにガンガン投げ込めていますが、変化球で上手くストライクが取れていません。
コントロールで勝負するタイプでなく、球威と見分けがつきにくい球種で打ち取っていくタイプ。どの変化球も大きく変化するものではなく、130~140の早めのストレート狙いの打者を打ち取るための変化球が多いため、あまり空振りは奪えていません。そのため四球でピンチになることも多く、ボールカウントは多くの打者で2~3と球数が嵩んでいます。
ストレートに比べ変化球はばらつくためコースで見分けられ、特に低めの変化球を見切られ、タイミングを合わせられストレート狙いで逆方向に打ち返されています。中継ぎならストレートとカットの球威で押し込めますが、先発で見るなら変化球でストライクが取れるほど安定していません。
出所が見にくいフォームながら初見の打者からもタイミングを合わせられているため、本人も課題に挙げる緩急を感じさせるスライダー・カーブの精度向上が鍵となります。
