<高校野球・U18日本代表候補選手強化合宿>◇4日◇第2日◇奈良県内
14イニング制で行われた紅白戦で、エナジックスポーツ(沖縄)のイーマン琉海(るかい)内野手(3年)が輝いた。唯一の3安打と1四球で4出塁した。
3月のセンバツは1番でシュアな打撃を繰り出し、2試合で10打数8安打。この日も勢いそのままに流し打ちのライナー2本、俊足を生かした遊撃安打と、らしさ全開だった。身長164センチの左打者は満開の桜をバックに笑みがはじけた。
「(役割的に)出塁が大事。木製バットにある程度、対応できたのでよかった。ミート力には自信がある。守りも打撃もいい選手が多いので、いろいろな人の技術的な話を聞いて、すごいプラスになりました」
連覇を狙う9月のU18W杯は沖縄開催。「沖縄県民の代表、日本の代表としてできるのはすごく光栄なこと。そこに向けてやっていきたい」。夏の甲子園出場とともに明確な目標ができた。経験豊富な小倉全由監督(67=日大三前監督)も「うまいですよね。外角打ちもしつこくて足も速い」と、うなる。関係者によると、今回のチーム編成もパワー偏重ではなく、攻守に日本らしい野球ができるメンバーが中心になるという。二塁守備も売りのイーマンが、有力候補になるのは間違いない。【柏原誠】
【U18】イーマン琉海が止まらない 3安打で甲子園から通算14の11「ミート力には自信ある」 - 高校野球 : 日刊スポーツ
【イーマン選手の紹介】
164センチ65キロ 右投げ左打ち
ポジション:セカンド
通算打率4割、ミートセンスに優れた左の巧打者。背番号が見えるほど体を捻り、肘を高く上げた特徴的な打撃フォームをしており、体を大きく捻った巻き込むスイングでレフト方向に力強く打ち返すだけでなく、スイングスピードの速さでインコースも捌くバッティングが魅力。選抜では驚異の10打数8安打で打率8割と結果を残しており、50m6.0秒の俊足を活かしたセーフティバントも積極的に仕掛け、脚でも相手を書き出しています。
また守備では主にセカンドで打球反応の良さと足の速さを活かした広い守備範囲、積極的な守備が売りで、難しい体勢からでもスローイングできる体幹の強さが光ります。
卒業後は大学か社会人でそこからプロに行きたいと語っており、さらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
打撃で気になるのは引っ張り時の打球の弱さ。レフト・センター方向への打撃は巻き込むようなスイングでしっかりと引き込み、打ち返す打球も単打ながらしっかり内野を抜ける当たりを披露しています。しかしライト方向への引っ張りは打球速度が弱く、内野の頭を超える当たりも前進守備の頭を超えるものが多く、深い当たりは打てていません。
また守備の課題は送球の弱さ。守備範囲が広いゆえに無理な体勢や構えられない上半身だけのフォームでスローイングすることが多いため送球コントロールが乱れることがありますが、それ以外でも送球自体が弱く、バウンドした捕球が難しい送球になることが多くなっています。
【指名順位予想】
セーフティーに頼るあまり自らカウントを悪くしてしまうこともあり、ここから木製バットになり、現在の打撃スタイルを維持できるかが注目です。高校時点でもどうしてもパワーの物足りなさが目立っているため、伸びしろの点から起用の見通しが立ちやすい即戦力で勝負する方が指名順位も高くなります。
現状の評価は6~7位。ショートで起用するには肩の弱さが課題となるため、セカンドで見るには打力不足。低身長もあり伸びしろが課題になるため、どうしても順位は低くなります。
