
坂本選手の衰えが見えており、中山、門脇、リチャード、浦田選手と様々な若手が起用されてきました。しかしそのどれもがレギュラー定着に至らず、坂本選手が現在も起用されています。
また24年ドラフト1位の石塚選手が想定よりもショートで結果を残しており、当初はサードコンバートの強打者候補でしたが、今後もショート起用の可能性が高くなっています。そのためサードは空席になっており、今年は強打の内野手が多いため、サードは補強ポイント。
そしてドラフト指名するうえで考慮することは、そのポジションが豊作か不作か。不作になると少ない選手の取り合いになるため、想定よりも高い順位での指名になり高掴みになってしまいます。
その点でいえば25年ドラフトは内野手の候補が多く、特にサードに候補が揃っています。そこで今回は三塁手レギュラー問題は25年ドラフトで解決できるか。どのように動くべきかに触れていきます。
【25年ドラフトにおける目玉の三塁手】
第一の候補はやはり創価大・立石正広選手。現在はセカンドを守っていますが、セカンド経験が少ないこともあり、身体能力任せでプロでは不安定な守備評価です。本職はサードのため、サードでクリーンナップ候補です。将来的にメジャー挑戦を目標としており、巨人にとっては頭を抱える問題ではありますが、それを考慮しても欲しい逸材です。
次の候補がJR東日本の髙橋隆慶選手。中央大時代ば指名打者メインでしたが、社会人ではサードメイン。グラブ捌きもうまく5本塁打と社会人ではトップ候補です。ただサードとしてもかなり足が遅いため、守備範囲に不安がある選手です。
今年になり一気に評価を上げる青学大・小田 康一郎選手は試合ではファーストメインですが、練習や合宿では難なくサードをこなす姿が確認されており、秋のリーグでサード守備のレベルを見せれば一気に1位候補になり得る存在です。
リーグ10本塁打のスラッガーの法政大・松下歩叶選手や社会人でも三割後半と打てる打者のトヨタ自動車・熊田任洋選手が候補です。
独立リーグの注目株は徳島IS・中川聖也選手。1年目から3割を残す巧打バッターでしたが、今年は4本塁打に加え失策数も減っており、長打力の向上とサードとしての安定感が増しています。それでいて率もきっちり維持しており、率も残せる中距離打者として評価が上がっています。
もう一人は富山GRNの三好辰弥選手。去年も6本塁打と大型スラッガーとして注目されましたが指名漏れ。今年はトレーニングでさらに体重が増加したのに加え、ライトからサードに転向。 まだ不慣れなこともあり7失策とエラーが目立っているため、即戦力でなく素材型として注目されます。
上位候補だった日大・谷端選手は課題だった守備が改善しておらず、打撃も崩れており、他の候補選手は単打が多い巧打型止まり。それなら中山、泉口選手をサードで起用すればよいとなるため、巨人が取る候補はあくまで中〜長距離のサードです。
【下位で素材型三塁手をとるべきか】
上位だけでなく、下位でも素材型をとるべきか。残念ながら今の巨人にその枠はありません。去年のドラフトで支配下内野手を3名獲得し、さらにレギュラー陣も若い内野手が多く、30代は坂本、増田大、吉川選手の2名のみ。そのため内野手が溢れており、2軍でも出場機会が限られている状況です。
石塚選手をショートスタメン、浦田選手をセンターコンバートしても
一塁 岡本・増田陸・荒巻・三塚・ティマ
二塁 吉川・湯浅・宇都宮
遊撃 泉口・門脇・石塚・浦田・増田大
三塁 坂本・中山・リチャード・浦田・宇都宮
このように、2軍を含めると内野手は渋滞しており、3軍でも育成の村山選手が2本塁打と次を狙っています。
さらに上位で即戦力を取れば、その分二軍に弾かれる内野手が出るためさらに渋滞。外野手、先発、中継ぎと補強ポイントが多い中で、若手で渋滞している内野手を確保する余裕はありません。それでも下位でもう一人欲しい場合は、3軍で起用する高卒や独立リーグ1年目の20歳未満が対象です。
【26年ドラフトでカバーは難しい】
26年ドラフトは高卒投手・大卒投手の目玉年。すでにエースクラスの投球を披露する投手が多く、26年は先発・中継ぎどちらも補強したい年になります。
一方で野手はまだ目玉といえるほどの選手はおらず、25年で補強に失敗するとカバーは難しい状況です。そのため25年で確実に三塁手候補を一人は確保したいところです。