巨人は2位で長身183センチのサイド右腕の早大・田和廉投手を指名し、交渉権を獲得した。
田和は最速152キロ、スライダー、カット、カーブ、シンカーなど変化球も多彩なサイド右腕。リーグ戦はここまで20試合に登板し、2勝1敗、防御率1・82をマークしている。
一昨年春にデビューし、自己最速の152キロをマーク。しかし、登板4試合目となる法大4回戦で右肘の靱帯を断裂。トミー・ジョン手術を受け、24年9月14日の東大戦で約1年4か月ぶりのマウンドで復帰を果たした。
巨人は1巡目には、前日に公表していた通りに最速152キロの本格派左腕で鷺宮製作所の竹丸和幸投手を指名。単独で交渉権を獲得しており、1位に続いて2位も即戦力投手を獲得した。
【巨人】早大・田和廉を2位指名 長身183センチ&最速152キロのサイド右腕 1位に次いで即戦力投手を獲得(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
【田和選手の紹介】
183センチ88キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カット・シンカー
グラブを高く構えたセットから大きく足を上げ、スリークォーターの角度から全身を大きく使ったダイナミックなフォームで最速152キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台のスライダー、110キロ前後のカーブ、130キロ台のカット、130キロ台のシンカーを投げ込んでいきます。
武器は独特の軌道で動くシンカー。カーブのような軌道で迫ってきながら左打者の手前で大きく外に逃げるため、横手投げ右腕が苦手とする左打者に対しても安定して打ち取れています。
チームでは主にリリーフで起用。4年春のリーグでは8試合に登板し14(1/3)回16被安打15奪三振8四死球4自責点で防御率2.51となっています。
特殊球を持つ変則投手として、リリーフながら伸びしろも期待されます。
【なぜ獲得されたのか】
阿部監督が高く評価しているのは出力よりも独特な軌道のシンカー。阿部監督は赤星選手に対して「投球に特徴がない」と評価しフォーム改造に着手させたように、投球をするうえで総合力よりも他にはない何かを持っていることを重視しています。
その意味ではスリークォーターに加え特殊球のシンカーを持つ田和選手を高く評価しており、トミージョン手術の影響で本格登板は3年秋からでまだ伸びしろも残していると判断されています。
また先発としてすぐに起用できない場合も本来の起用パターンであるリリーフにも転校でき、船迫選手の不調とケラー選手の退団で薄くなった右の中継ぎとしても期待できます。
特に先発と岡本選手が抜けた打線が大きな穴で外国人4枠を先発2、野手2に使う可能性もあり、マルティネス選手以外に枠を割けない以上、日本人でリリーフを補強する必要があります。
【1軍起用への課題】
チームではリリーフ起用がメインで本人も一年目からリリーフで活躍したいと語っていますが、阿部監督は先発として期待していると語っています。しかし先発は東大戦の1試合のみ。5回3失点と最低限の結果となっています。先発として期待するために課題となるのが対左と4回以降のスタミナ。
対右については外へのスライダー、インコースへのシンカーがコース別に使える変化球があるものの、左に対してはシンカーのみのため、どうしてもストレートの出力を上げざるを得ず、コントロールが悪化しています。カーブは対左にも使えていますがあまり投げておらず、カーブを安定して投げ分けられるようになるのが今後の目標となります。
先発は1試合のみで最長でも2回までで降りることが多く、4回以降はストレートのコントロールと球速が大きく落ち込んでいます。4回以降はストレートが140前半。5回に至っては140前後と落ち込んでいるせいで右打者からも当てられるようになり、一度ランナーを出してクイックになるとさらに出力が落ちるため思い通りの打ち取りができていません。
