
岡本選手のブルージェイズ移籍が確定し、支配下枠は62名。助っ人外国人も既存のキャベッジ、バルドナード、マルティネス選手に加え、野手はダルベック選手。投手はウィットリー、マタ、ハワード選手の7人体制となりました。
しかし育成ドラフトへの参加には7月末までに支配下を65名にする必要があり、最低でも3名の支配下が予想されます。
その中で岡本選手がメジャー移籍し、吉川選手が股関節の手術で長期リハビリと内野手レギュラーは一気に白紙に。そこで育成内野手の中で吉川選手が離脱した際のセカンド候補となる宇都宮葵星、中田歩夢選手について、どちらが支配下に近いかを語っていきます。
【宇都宮選手と中田選手はタイプが大きく異なる】
宇都宮選手と中田選手は同じショートメインで年齢も近く、守備が売り。しかし求められる役割と本人が目指している完成形は大きく異なっています。
宇都宮選手は内外野全てを守る便利屋、中田選手はショートスタメンを目指しています。
【①:宇都宮選手の特徴】
宇都宮選手は23年育成3位で愛媛MPから入団。高卒1年目で50m5.9秒の俊足とバットコントロールの良さが評価され入団。
25年は2軍での出場機会を増やし、84試合で打率.289で1本塁打16打点20盗塁と、175センチ70キロながら、俊足巧打をしっかりとアピールしました。
守備ではセカンドが最多出場の62試合、次がサードで21試合、ショートで8試合で外野でも7試合とセカンドをメインに様々なポジションを経験しています。
さらに台湾ウインターリーグではライトやレフトまで守り、キャッチャーとファースト以外は全て守っています。外野も急造ながら安定して守れており、高い守備能力を披露。
【②:宇都宮選手の完成形】
ファーム首脳陣は、内外野の複数ポジションを守れる増田大の後継者候補として期待。宇都宮自身も「(タイプが)似ている」と、チャンスを自覚している。
「試合に出られるならどこでもいい。試合に出るとしたら、まずは守備と走塁でミスをしないこと。バントの確率を上げながら、打席が回ってくれば一本を打てるようにしたい」
首脳陣は宇都宮選手を次代の何でも屋として見ており、宇都宮選手自身も目指すポジションは増田大輝選手の後釜である、ユーティリティ選手と明言しています。
増田大輝選手も膝の故障を抱えて以降年々パフォーマンスが落ちており、特に売りだった走塁では11→4→4→3と企画数も減少。25年はそのうち2回で刺されており、打率も.136と役割を果たせないケースが増えています。年齢も33歳になり衰えが顕著になり、新しい便利屋候補は必須。
そこで宇都宮選手が今後目指していく必要があるのは、阿部監督が好む嫌らしい選手になれるかどうか。阿部監督はリーグワーストの盗塁の少なさから亀井コーチを一塁ベースコーチに配置し、走塁改革を明言しています。
またバンドを重視している一方で巨人のバント成功率は非常に低く、犠打数はセリーグ4位の89。1位の阪神は136と2倍に迫る差をつけられています。
便利屋として求められるのは長打力よりも盗塁と小技のバント。そして守備固めとして出されてエラーをしない点で、成功することよりも失敗しないことが求められます。
盗塁については20盗塁で3アウトと成功率は悪くありません。一方で守備はワースト2位の8失策。増田大選手が守備固めで出されることも多かったセンター守備は立岡コーチからも一歩目が遅いと課題を示されており、打撃よりも守備の精度アップが必要です。
【③:中田選手の特徴】
中田選手は22年育成4位で東奥義塾高から入団。守備能力の高さが評価され、入団後もショートメインで起用。25年はショート以外も守ったものの、セカンド・サードはわずか4試合ずつ。ショートが32試合と、あくまでショートを想定して選手として起用されてきました。
武器である守備は非常に安定しており、一番難しいショートはなんと失策0。10試合以上ショートで出場している選手では2位の湯浅選手でも2失策で.970のため、驚異的な数字となっています。
打撃では25年は38試合で78打数21安打で打率.269ながら、長打率は前年度の倍にあたる.423まで伸ばしています。
【④:中田選手の完成形】
中田選手の完成形は成長している長打をさらに伸ばし、小柄ながらパンチ力のあるショートになること。中田選手は俊足巧打のイメージがありますが、2軍でもわずか盗塁企画数1(しかも失敗)と、実は足はあまりアピールしていません。その一方で本人も課題に挙げていた長打を伸ばしており、リハビリ中だった岡本選手にアドバイスをもらうなど積極性を見せています。その結果もありフェニックスリーグでは1本塁打を放っています。
打撃内容を見ても押し込まれても打球を外野深くまで飛ばせるリストの強さがあり、確実性よりも年間5~8本塁打を放てる中距離型になるのが理想。宇都宮選手のように多くのポジションで常に起用できるタイプでなく、遠投120mの強肩で中距離型としてサード・ショートを守れるようになれば、支配下に一気に近づきます。
【宇都宮選手と中田選手、支配下が近いのはどちら】
支配下にしやすいのは宇都宮選手。宇都宮選手は便利屋として支配下となるため、ライバルは増田大選手。阿部監督が守備と走塁を重視しているため、そのうえで起用しやすいのは宇都宮選手になります。
増田大選手が年々パフォーマンスが落ちており、ライバルとなりえるのが湯浅選手で、同じように便利屋の枠を広げるため外野守備の練習をしています。ただどちらも打撃面の伸びしろがないため、伸びしろを残す宇都宮選手が有利です。
2軍も育成選手の出場数に制限があるため、どこでも起用できる宇都宮選手を支配下にしておけば、ティマ、竹下、平山、坂本達、知念選手たちを同試合で起用しやすくなるメリットもあり、起用したい育成選手65名の枠を埋めるに適しています。
一方で中田選手はあくまでショートとして見込むため、泉口、石塚、小濱、門脇、浦田選手がライバル。小濱、門脇、浦田選手の何れかが吉川選手の代役でセカンドに回されても、1軍スタメンの泉口選手とトッププロスペクトの石塚選手と争う必要があります。
中田選手が支配下になるには、泉口選手が不調・故障で離脱し、石塚、小濱・門脇・浦田選手も1軍ショートで計算できない場合になります。
今後の補強について聞かれた山口オーナーは「キャンプが始まってみないと分からないところっていっぱいありますよね。それと、今は夏が暑くなっているので、どうしてもセ・リーグの場合は屋外の球場が多いし、夏場対策ということも考えないと優勝争いを最後までやることが難しいと思っているんですよね。そう考えると、シーズンが始まったとしてもね、絶えず補強の準備は進めていく心構えはフロントには必要だと思ってるんですよね。だからこれで一区切りってわけにはいかない」と長いシーズン中の途中補強も含め、2年ぶりリーグ優勝、14年ぶり日本一へ開幕後も模索し続ける方針を示した。
または山口オーナーが離脱者が増える夏に向けてまだ補強の余地はあると明言しているため、長打を伸ばしショート2・3番手として計算できれば、泉口選手が不調でなくても支配下が狙えます。