<東都大学野球:青学大3-2駒大>◇第3週第3日◇21日◇神宮
青学大が駒大に勝ち越し、2つ目の勝ち点を獲得。勝ち点3で首位の亜大に次いで2位に付けた。
4番が仕事を果たした。片山昂星内野手(4年=東海大菅生)が、先制打を含む4打数3安打1打点の活躍をみせた。左右関係なく強い打球を飛ばせる。0-0で迎えた6回1死二塁。左打者の片山は、相手左腕・高井駿丞投手(2年=広島商)の外へ逃げる121キロスライダーを左中間へ運んだ。「来たコースに我慢して打てるように。上(半身)が先に出ると引っ張りになってしまうので、しっかり足で我慢する。下(半身)でためて打つという感覚で打ちました」と、意識して放った一打だった。
良きライバルが同じ東都にいる。東海大菅生時代のチームメート、亜大の田中幹也内野手(4年)だ。14日にマークした、リーグ1試合最多タイとなる6盗塁の記録を「あれはすごすぎます」と笑顔で話した。続けて「負けないように刺激になっています」と意気込んだ。足の田中、打の片山。東海大菅生出身選手たちが、東都を盛り上げている。
【片山選手の紹介】
178センチ80キロ 右投げ左打ち
ポジション:ファースト・サード
大学通算10本塁打、全身を使った非常に力強いフルスイングで長打を生み出す左のスラッガー。持ち前のパワーが魅力で、アウトコースへのストレートをバックスクリーンに運ぶパワーを見せました。
東海大相模時代より高い打撃力で注目されるも、プロ志望を出さず進学。青山学院大では1年生からスタメン起用されると、1年春に52打数19安打4本塁打という強烈な成績を残しました。
3年秋に19打数0安打で打率.000といった時期もあり打撃に波はあるものの、4年春にも2本塁打を記録。左の長距離スラッガーとして注目されます。
【指名への課題】
課題は変化球への対応。片山選手は常に引っ張りを強く意識したスイングですが、変化球への空振りが目立ちます。特にストレート系の軌道で落ちる変化球への空振りが多く、同じ軌道のチェンジアップに三球三振する場面さえありました。タイミングもあっておらず、三振数はリーグトップタイの12三振と、三振の多さに繋がっています。
また守備についても動きはもっさりとしており、お世辞にも上手い守備ではありません。ファーストのみの起用ながら2失策は無視できず、打撃はストレート狙いであるため落ちる球に弱いことと、守備もファーストメインでありながら上手いほうではないという、起用が難しい選手となっています。
【指名順位予想】
需要が落ちている左打ちで打撃に波と粗があり、守備位置もファーストのみでうまいタイプでもありません。
過去にサードやレフトで出場した経験があるため、プロ入り後にコンバートする手もありますが、ファーストの守備能力を考えると、コンバートもうまくいくかどうかは不透明であり、今後ファースト以外の守備機会を披露し、ファースト以外でも使えることをアピールしなければ指名漏れの可能性が高くなります。
秋のリーグでサード若しくはレフトで起用された場合、プロ入り後もコンバートに時間がかかるため、育成2~4位が指名順位となります。