2027年にセリーグでもDHが採用!ドラフト戦略はどう変わるのか

セ・リーグ(以下、セ)理事会が4日、東京都内で開かれ、2027年から指名打者(DH)制を導入することを決定した。セ理事会では2016年の9月から議論されていたといい、この日、全会一致で決まった。先発投手がDHを兼ねられる「大谷ルール」も採用される方針も明かされた。

代表して経緯を説明した広島の鈴木清明理事長はアマチュア球界、国際的な潮流を意識し、「リーグのルールを発展的に見直すタイミングだとの認識を共有するに至りました」と語った。

27年という導入のタイミングには「長年9人野球をベースとしてチームを編成し、アマチュア選手、外国人選手のスカウティングに取り組んだことから『2026年シーズン』を『DH』制採用のための猶予期間」と位置付けた。DeNA・三原理事は「来年が9人野球最後の年。そのこともファンに楽しんでいただけたら」と呼びかけた。

DH制は投手が投球に専念でき、打力に秀でた野手の起用の幅が増える。選手全体に負担が軽減され、故障の予防にもつながる。さらに攻撃力を増した打線を相手にする投手も相乗的にレベルが上がるなどのメリットが挙げられる。

セ・リーグが2027年からDH導入決定 来季は編成的な猶予期間、大谷ルールも採用する方針 – サンスポ

 

【ついにセリーグにもDHが導入される】

 セ・リーグが27年にDHの導入を決定。これまで何度も反対意見に潰されてきましたが、ここにきて突然の決定となりました。
 再来年からの導入ということで、来年のドラフト戦略や新外国人の獲得にも影響を及ぼす指名打者。セ・リーグのドラフト戦略はどれほど変わるものでしょうか。

【DHでどのような選手が指名されるのか】

【①:守備難はそもそも指名されない】


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 DHが導入されれば気になるのが打撃特化の守備に課題を持つ選手を指名するのか。残念ながらDHがあってもそのタイプは指名されません。
 もともとDH枠は1年目からフル稼働してもらう打撃特化の外国人選手や、ベテランや故障持ち選手の守備負担を減らし、離脱を防ぐ枠として使われています。
 外国人選手は打線の穴を埋めるために獲得されるため、1年目から活躍してもらわないと困る選手ですが、そのためのDHを守備難の選手で埋めてしまうと、獲得できる選手が限られてしまいます。

 円安の進行で予算も限られる中、守備が安定し打撃も期待できる選手の指名は厳しく、打撃または守備に課題をあり1軍枠から漏れた選手を助っ人として補強するため、DHは外国人補強に空けておく必要があります。

 このためアマチュアでDHスタメンの選手は指名される可能性は非常に低くなっています。

 

【②:指名しやすいのはプロ入り後ファーストメインになる打撃型野手】

 DHが出来ることでセリーグでファースト、レフトで起用されていた打撃型外国人が指名打者で起用。その分ファースト、またはレフトが空くためその枠を守れる選手を獲得しやすくなります。

 その中でも指名しやすくなるのがプロ入り後ファーストメインになる可能性がある打撃型野手。アマチュアではサードやショート、レフトを守れているが、プロ入り後求められる守備能力ではファーストに回る可能性がある選手は、DHがなく外国人のポジションになりやすいファーストでは起用できる枠がありません。そのためセリーグではファーストになる可能性が高い選手は指名に踏み切りにくい課題がありました。

 しかしDHがあれば最悪ファーストに回せるため、高卒、大卒でファーストメインの野手や、プロ入り後はアマチュア時代のポジションは厳しいような打撃型野手を獲得しやすくなります。

 

【③:守備能力に秀でた俊足巧打型】

 毎年ドラフト市場に一定数存在するため指名優先度が低い俊足巧打型。その中でも安定してショート、センターを守れる俊足巧打守備型が指名しやすくなります。

 その理由は投手が打者にならないこと。セリーグでは投手が打線の穴になるため、他の野手でその分をカバーする必要があります。そのため他のバッターは打撃型を揃える必要があり、相対的にドラフト時も中長距離型を集中して指名する傾向が強くなります。

 

 しかしDHがあれば投手が打者になる必要がなくなるだけでなく、長打が期待できる野手が+1されます。その分長打をカバーする必要がなくなり、守備型の俊足巧打型を起用しやすくなります。

 また比較的すぐに獲得でき、起用までの時間が短い俊足巧打型を指名できることで、スタメン選手の故障時の穴を埋める選手を用意できます。セリーグは打力優先の指名になるため、俊足巧打型は育成指名の守備型野手で補う傾向が強く、レギュラーで起用するには打力が物足りなくなります。穴を作れないため時間がかかるロマン型を獲得しづらく、コンバートしやすい打力があるショートタイプの指名が多くなっています。

 しかし支配下で長打こそないものの率を残せる俊足巧打型を獲得し、ある程度起用が見込めるレギュラー選手の故障時にも備えられることで、ロマン型の時間がかかる野手を獲得しやすくなります。

【DHは未知数の若手野手を起用しやすくなる】

 ドラフトに限らず、DHの恩恵で大きいことが計算できない未知数の若手選手を起用しやすくなること。かつて巨人打線は小笠原、ラミネス、李承燁、谷選手が並び、阿部選手が下位に回るほど強力な打線が揃っていました。打線に厚みがあることで未知数で計算できない坂本、松本選手といった当時の若手選手を起用でき、もし若手選手が経験の少なさで打てなくても、他の選手がカバーできるため若手を我慢して起用し続けることができました。

 DHがあることで打線に厚みを加えられ、その分打てるかどうかわからない若手野手を起用しやすくなります。

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