読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

阿部監督が中継ぎの先発挑戦を奨励。巨人の中継ぎ投手で期待できる先発候補は

巨人の阿部慎之助監督(46)が1日、リリーフ陣の先発挑戦を歓迎した。Gタウンでの秋季キャンプ第1クール最終日のこの日、志願の先発転向が明らかになった泉圭輔投手(28)の202球の投げ込みをブルペンで視察。先発不足の課題解消へ「チャンスがありそうな投手はチャレンジしてほしい」と幅広く可能性を模索する意向を示した。強固なローテを組むために「先発発掘の秋」とする。

巨人・阿部監督 先発挑戦者募集「チャンスがありそうな投手はチャレンジしてほしい」 - スポーツ報知

 

【課題となる現状の先発ローテ】

 去年肩の故障もあり10試合で防御率5.84と不本意な結果に終わった泉選手。このままでは駄目だと来季は先発挑戦を表明しました。フェニックスリーグでは自ら先発を志願し2回4失点と結果を残せなかったものの、監督も挑戦を評価しています。

 ドラフトでは即戦力候補として竹丸選手を獲得したものの、グリフィン選手がMLBに復帰したことでローテ不足は健在。赤星選手も肩を故障し来季が未知数。井上選手も故障班に合流しており、若手先発が全く計算できていません。FA候補の柳選手やNPB復帰の可能性がある前田健太選手を調査していますが、現状では

 山崎ー戸郷ー新外国人ー新外国人ー田中将ー竹丸選手 と不安定なローテ。次の候補も西舘、森田、横川、又木選手と1軍ではシーズンを通して結果を残せておらず、新加入の田和、山城選手は先発経験未知数と秋不調のため先発としては素材型。

 そこで中継ぎ投手の中で先発として期待される選手と先発として課題について触れていきます

 

【中継ぎ投手の中で先発候補として挙がる選手】

【①:田中 千晴選手】


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 150キロ超えの角度あるストレートと手元で大きく落ちるフォークが武器の右腕投手。1年目から1軍で中継ぎとして起用されるも、制球の悪さと故障が重なり今年は個1軍登板0に終わりました。

 2軍では先発として起用されたこともあり、本人もまずは中継ぎだが最終的に先発で結果を残したいと24年オフに語っています。

 ケラー選手が退団し外国人投手は不足する先発が優先されため、足りないパワータイプ中継ぎを狙う可能性もありますが、中継ぎとしても結果を残せていない以上、より出番が多い先発を狙う可能性があります。

 先発としての課題は持ち球の少なさ。実戦で投げている球はカーブとフォークのみ。多種の変化球を器用に使えるタイプでないものの、あと1球種カウント球が欲しいところ。そしてストレートの平均球速が145~150とばらつきがあるため、3球種と今のコントロールで勝負するなら常時140後半が必要です。

 

【②:菊地 大稀選手】


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 育成再契約となるも、安定した奪三振能力を武器に支配下復帰。威力あるストレートとカウント・決め球両方に使えるスライダーにすっと落ちるフォークだけでなくカーブ、カットも投げられるようになっています。

 かねてから課題だった送球イップスサイドスローである程度安定して投げられるようになっています。

 3軍では先発でも安定しているものの、先発として計算するにはかねてからの課題であるフィールディングが鍵。阿部監督は守備重視のため、フィールディングと送球が安定しないと監督が最も嫌う自らの守備でランナーを貯める展開になります。

【③:平内 龍太選手】


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 主に中継ぎで起用され、25年は12試合で防御率5.74と安定性に欠けたものの、最終試合ではかねてから練習していたアンダースローを織り交ぜるなど器用さも見せていた選手。

 先発が早々に降板した際のロングリリーフでも起用されており、3~4イニングなら問題なく投げられることも証明しており、24年も菅野選手が抜けた先発候補として挙げられています。

 ただケラー選手退団でパワータイプ中継ぎも減っており、中継ぎでも結果を残せていない選手の先発挑戦が優先されるため、中継ぎとしてある程度計算できる平内の先発転向優先度は低めです。

 先発として期待するなら140後半でも打ち返されるストレートの質。平内選手は球速が注目されるためストレートPかと思いきや、実はスライダーが主力の変化球タイプ。ストレートはシュート回転してしまうため打者が見れる時間が長く空振り率も低いのが課題。

 ただストレートは長年変わっていないため、変化球タイプと割り切り割合を増やしたカーブ。もしくはアンダーを投げる際に1球種変化球が投げられればおもしろそうです。

【④:E・ルシアーノ選手】


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 潜在能力を期待され23年から入団した育成右腕。故障の多さに悩まされたものの、25年は夏から調子を上げ続け、主にリリーフで時々先発で起用されながら、150キロ前半と130キロ台の変化球で圧倒しています。

 ケラー選手が抜けたことでリリーフとして期待されそうですが、外国人投手が全くの未知数からスタートするため、どちらかが駄目だった場合は先発転向される可能性があります。

 課題は1年を投げ抜く実績。ルシアーノ選手は投げていない期間の方が長いほど故障癖があるため、支配下を勝ち取るには1年投げ抜くことが必要。また変化球の精度が甘くストレートに比べるとばらつくため、ストレートで押せる中継ぎに比べると課題が多くなります。

 

【⑤:山田 龍聖選手】


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 オフに育成落ち後くふうはやてに派遣。主に先発で起用されはやてでは9試合2勝2敗防御率1.79と好成績を残し、支配下復帰しました。左腕先発は全く足りておらず、先発経験のある山田選手は転向候補。

 山田選手の課題は変化球全般。ストレートは145前後でも振り遅れるほど球威がありますが、変化球を投げるときは全体的に振りが緩むため、ストレートと緩急を感じさせる程度の真ん中付近に落ちる球にしかなっていません。スライダーだと腕の角度が下がる課題もありますが、それでもフォーム改良により当初よりは改善されてきています。 

 器用なタイプではないため、横の動きのスライダーよりも、角度を利用したスプリットやスローカーブで縦変化を主体にした方が安定しそうです。

【⑥:宮原 駿介選手】


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 5位で入団し、春は不調か2軍でも140前半しか出ない時期がありましたが、夏に昇格すると主に中継ぎで14試合で防御率3.68とまずまずの成績を残しました。

 大学時代は先発で実績を積んでいたため井上、横川選手と足りていない左腕先発に食い込める可能性があります。課題はカットボール以外の変化球の精度。宮原選手のカットは130中盤で曲がりの大きい球ですが、安定した球がスライダーとカットの2球種のみのため、対右にチェンジやカーブの精度を上げないとばらつくストレートとスライダーしかない厳しいスタイルになります。