読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2018年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題 2位指名 明秀日立高 増田 陸選手 高卒右内野手

巨人のドラフト2位・増田陸内野手(18)=明秀学園日立高=が1日、茨城・日立市の同校で長谷川スカウト部長、青木スカウトから指名あいさつを受けた。

 明秀学園日立の主将を務め、「1番・遊撃」として同校を今春センバツ16強に導いた増田は「指名された実感が湧いてきました。自覚を持ってしっかり練習したい。いずれは坂本選手を超えられるような選手になっていきたい」と力強く語った。

 長谷川スカウト部長は「プレーを見ていて、野球が好きなのが伝わってくる。躍動感がある。(巨人)監督の原が申すような『のびのび野球』にはぴったりな選手」と絶賛した。

 あいさつに同席した明秀学園日立・金沢成奉監督(51)は、青森・光星学院(現八戸学院光星)監督時代に巨人の主将で不動の遊撃手、坂本勇人内野手(29)らを育てた名将。“坂本2世”との呼び声の高い増田について「坂本と同様に、野球に対する気持ちが強い。打撃に関しては同じくらいの能力があるのでは」と太鼓判を押した。

巨人D2位・増田に指名あいさつ「坂本選手を超えられるような選手に」 - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

【増田選手の紹介】

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178センチ80キロ 右投げ右打ち  

ポジション:ショート

 

 通算34発、振り切るスイングに広い守備範囲で攻守に派手さが光る、高卒ショート上位候補だった選手の一人。かつて坂本選手が所属した光星学院で監督をつとめ、現在は明秀日立高で監督となっている金沢成奉監督からも「右に長打を打てるところからも坂本二世といえる」と太鼓判を押されています。

 魅力は初球から積極的に狙う姿勢とインコース捌きの上手さ。インコースならば低めも上手くすくい上げ外野を越える当たりを連発し、高めなら本塁打にしています。また守備も荒さはあるものの広い守備範囲を誇り、春の選抜では送球が粗くなりエラーとなる場面や内野安打にされる当たりもありましたが、春の状態では骨折寸前の状態でバットを握れないほどの痛みの中、痛み止めを打ちながらの強行出場での成績のため、参考程度となっています。

 このため万全な状態では打撃・守備面ともに課題はあるものの伸び代が期待される選手となります。

 


明秀日立 増田陸(第90回選抜)

【なぜ獲得となったのか】

 18年の巨人ドラフトは「ポスト坂本候補の獲得」が命題に挙げられていました。そのため1位指名で大阪桐蔭・根尾選手を公言。この年は大卒・社会人ショートが不作のため、ショート候補は高卒に絞られました。そしてその高卒候補は根尾・小園・増田・太田・小幡選手が候補となっていました。この中で1位候補は根尾・小園選手のどちらか。そして巨人は根尾選手を1位指名しましたが、結果はくじを外します。

 次にはずれ1位はもう一つの命題だった「左のレギュラー外野手の獲得」として多くの球団が外れ1位で消えるとされていた立命大・辰巳選手を指名。しかしここでも外します。この時点で根尾・小園・太田選手が消えています。

 そして問題となる2位指名ですが、先に指名順となる阪神が延岡・木幡選手を指名。木幡選手は強肩好守で守備評価が高く、パンチ力も備えた選手でした。その後増田選手は指名されることなく巨人に指名が回ってきますが、本来なら3位で指名するのがおいしい指名となります。しかし巨人の後に控えるのはSB、広島、西武、ヤクルトです。小園選手を指名した広島、源田選手がレギュラーでショートは補強ポイントでない西武は心配ありませんが、小園選手を逃したSB、根尾選手を逃したヤクルトに残った増田選手を指名される恐れがあります。その上2位で指名されなくても3位指名はSB・ヤクルトが先に指名できるため、2位でとらなければとられる可能性が高く、そうなればポスト坂本選手の獲得を命題に挙げていたにもかかわらず誰も獲得できず、ドラフト失敗となる可能性もあります。そのため2位での増田選手指名となりました。

 

【1軍起用への課題】

 打撃についてはインコースとは対照的にアウトコースを流し打ちする技術はまだまだであり、引っ張りメインのため引っ掛けてしまうことが多くなっています。また守備についても遠投100mとショートとしてみるには微妙な肩であり、その分フィールディングで補うことが求められます。まだグラブ捌きも危なっかしさがあり、打撃・守備ともに派手であるものの粗いといったのが現在の評価となります。

 このためショート守備を教えられるコーチが必要となるところですが、ファーム内野守備コーチは古城・藤村・片岡コーチとセカンド・サードメインのコーチが多いため、出来ればショート守備が教えられる寺内・井端コーチの存在が求められましたが、その二名がいないため守備面の改善に不安は残ります。