読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

出所と球種のわかりにくさで打ち取っていく変則左腕 帝京大 榮 龍騰選手 大卒左腕投手

 「首都大学野球、帝京大3-2日体大」(6日、バッティングパレス相石スタジアムひらつか

 3季ぶりの1部昇格となった帝京大が、3連覇中の日体大との開幕戦で白星発進した。

 先発の左腕・栄龍騰(さかえ・りゅうと)投手(4年、津田学園)が7回1失点7三振と好投した。「三振を取る投手じゃない」というものの、序盤はスライダーを効果的に使い三振を量産。中盤からは下半身の疲労から4四球と乱れたが、最少失点で粘った。冬場は球速アップを目指し増量に取り組んだ中、自己最速を3キロ更新する最速148キロを記録した。

 2番手では菅原天斗(たかと)投手(仙台育英)が4年生でリーグ戦初登板。2回3四死球1失点ながら、最速151キロをマークするなどインパクトを残した。「緊張したんですけど、スタンドからの『楽しんで』という声も聞こえて『やってやるぞ』と思いました」。仙台育英時代は3番手だったが、唐沢良一監督(61)が練習を視察した際に「カットボールが良くて、投げ方に癖がなくボールが力強い」と目にとまりスカウト。大学入学後は腰や右肘など度重なる故障に泣かされたが、最終年にメンバー入りをつかんだ。就職活動と並行してリーグ戦に挑んでおり、社会人野球入りへアピールする。

 打線は0-0の五回に、1死一、三塁の好機を作ると、山本晃聖内野手(3年、日大藤沢)が先制の右前適時打をマーク。その後、1死満塁で山本涼貴外野手(3年、聖望学園)が中犠飛を放ち2点を先取した。六回にも加点し、1点差で逃げ切った。

 唐沢監督は「ここへ向けてキャンプからやってきたので、何とか勝てて良かった。2部では苦労しました。長かった」と久々の1部での白星に胸をなで下ろした。

3季ぶり1部昇格の帝京大が開幕白星、3連覇中の日体大を1点差で下す 唐沢監督「2部で苦労した」/野球/デイリースポーツ online

 

【榮選手の紹介】


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175センチ82キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ

 

 ノーワインドアップから肘を折りたたみ、テイクバックを小さくしスリークォーターの角度から最速148キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。110キロ台のスライダー、130キロ前後のカット、120キロ台のチェンジを投げ込んでいきます。

 武器は出所が見にくいフォームと見分けがつきにくい球種のコンビネーション。130後半ながら詰まらせる当たりが多く、そこに小さく変化するカット・チェンジを組み合わせ、スライダーでタイミングを狂わせ打たせて取る投法で試合を組み立てていきます。

 チームでは主に先発で起用。腰の怪我や故障に悩まされ本格稼働は3年秋からですが、5試合を投げ2完投、防御率0.46とリーグ優勝に貢献。帝京大の1部昇格の一員となりました。

 現在は社会人野球を目指し就職活動と並行しており、将来的な即戦力候補としてさらなる活躍が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題はこれといった決め球がないため奪三振能力に欠ける点。榮選手は決め球で三振を奪うタイプでなく、ストレートを中心とした速球系の球で詰まらせたり引っかけさせて打ち取るタイプ。そのため2ストライクから当ててくるタイプに苦労しており、全体的に球数を要しています。

 また決め球がないため空振りを奪いたい場面でストレートを力んでしまい、引っかけてバウンドさせるような投球も目立ちます。このためランナーがいる場面ではクイックで全体的に出力が落ちるため甘くなったカットやチェンジを外野まで運ばれており、比較的押していけるストレートに絞り込まれ痛打されています。

 変則左腕の生命線であるスライダーも空振りを奪うには変化量が足りておらず、カウント球止まりになっているのも奪三振率の低さにつながっています。

 

【指名順位予想】

 故障に悩まされ本格稼働が3年秋からのため実績が足りておらず、本人も社会人野球への就職を希望しているため、プロ志望届を出す可能性は低くなっています。プロ志望を出した場合でも就職活動と並行している以上順位縛りを設けている可能性があり、就職となれば最低でも支配下指名が条件の場合が多いため、現状の出力不足で決め球に欠ける状況では指名漏れの可能性が高くなっています。

 社会人で全体的に球速を上げ、スライダーの変化量アップを図り、即戦力中継ぎとしてプロ入りを期待したいところです。