<プロ野球ドラフト会議>◇26日
夢は「坂本完コピ」だ。巨人から3位指名を受けた中京大中京・中山礼都内野手(3年)は、名古屋市内の同校で晴れて会見した。
「坂本勇人選手が同じポジションで、打てるショート。ずっと自分の憧れの存在でした。インコースのさばきを含めて超一流。打撃のことを聞きたい」。幼稚園の頃に野球を始めた。名古屋市出身だが、小学3年生のときに東京ドームを訪れ、巨人-ヤクルト戦を生観戦し「プレーを見て、一目ぼれました」と明かした。自宅にはタオルやユニホームなどグッズをそろえる、筋金入りのファンだ。
シュアに広角に打てる右投げ左打ちで、高校通算17本塁打だった。50メートル5秒9と3拍子そろい、素質豊かなショートとして評価は高い。生まれながらにして巨人と赤い糸で結ばれていた。命名したのは父慎也さん(45)だ。「らいと」と呼ぶ。当時、右翼手はマリナーズ・イチローや巨人高橋由伸が大活躍。スター選手が由来だ。同じ左打ちであることから、中山は「高橋由伸さんは超一流。打撃のいろんな動画を見て参考にさせてもらった。すごく柔らかいからミート率も高くなります」と話した。
プロでの志は高い。「トリプルスリーが目標。思いを描いてやりたい。打って走って守れる選手になりたい。日本一の球団の戦力になれるよう、やれることをやっていきたい」と気合を込めた。
【中山選手の紹介】
ドラフト候補2020 中京大中京 中山礼都のヒット&ホームラン集!
182センチ80キロ 右投げ左打ち
ポジション:ショート
あまり足を上げず足の位置を動かさないノーステップ打法にバットを上手くのせる特徴的なバッティングフォームをしており、50m5秒9に通算17本塁打、さらに守備は堅実で安定しており遠投115mの強肩を誇る三拍子そろった選手。特筆すべきはバットコントロールで、2年秋の地方大会では打率6割、公式戦では三振0という記録を持っています。
高卒ショートトップクラスの評価を得ていましたが、コロナにより公式戦出場の機会が減り最終年度となる3年生での全国実績が少なかったことで評価が落ちていました。
【なぜ指名されたのか】
坂本選手の年齢も来年には32歳となり、これまで巨人打線の要だった坂本選手の跡を継ぐ選手を育てていく必要があります。そのポジションとして18年2位で増田陸選手、育成4位で黒田選手を獲得しましたが、増田選手もまだ打撃は不安定で黒田選手は眼底骨折、視力に影響を及ぼす恐れもあり見通しが立っていません。湯浅選手も坂本選手の後任というよりも寺内選手に近い立ち位置になってきているため、新たなポスト坂本選手の獲得が必要になっていました。
しかし次期エース候補投手・即戦力先発・中継ぎ・スラッガー候補の獲得と補強ポイントが多かった巨人は1・2位をショートに割く余裕はなかったため、コロナにより評価が落ち込んでいた高卒ショートに狙いを絞り、3位で獲得しました。中日が近江・土田選手、ヤクルトが星稜・内山選手を3位で獲得していることからも巨人に早く指名権が回ってくる3位がぎりぎりのラインでした。
巨人はここ3年恵体選手を狙う傾向が強いことからもこの3名の中で一番体格のいい中山選手が対象になっています。
【1軍起用への課題】
バットに当てるミート技術は高いものの、長打面に関しては金属バットに助けられている面が目立ちます。特に緩い変化球に上半身が崩れてしまうことがあり、金属バットに助けられて長打になっていますが、木席バットではフライアウトになってしまう芯で打てていないものも見受けられます。
引っ張りも腕の力で引っ張っているため打撃全般に金属バットに頼った打撃が目立っています。当てる技術はあるものの長打面では課題が残り、高卒で獲得している以上打撃は期待される部分です。2軍で打率.270以上、5本塁打は最低ラインとなります。しかし中山選手は守備面も高く買われての獲得のため、他のスタメン選手が長打面をカバーできるならもっと低いラインでも起用が見込めます。中山選手の起用のラインは本人だけでなく他のスタメン選手の成績にも依存しています。