読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人の育成外国人・C.C.メルセデス選手も支配下決定!1軍の外国人枠は?なぜ日本人支配下はなかったのか

巨人のクリストファー・クリソストモ(C・C)・メルセデス投手(24)が、育成選手契約から支配下登録されることが6日、分かった。近日中にも会見が行われる予定。来日2年目の今季、2軍で先発として好投を続ける最速152キロ左腕で、1軍の球宴前最後のカード、9日からのヤクルト3連戦(静岡、神宮)中に先発に大抜てきされる可能性も浮上した。

 メルセデスドミニカ共和国出身。米マイナーなどでプレーし、17年1月に年俸230万円、背番号「026」で巨人と育成選手契約を結んだ。昨年は2軍と3軍でさまざまな経験を積み、チェンジアップ、シンカー、スライダーなど変化球の精度が向上。今季は2軍で主に先発として6登板、0勝0敗、防御率2・05と好調で、前回4日のイースタン楽天戦(森林どり泉)では8回109球で2安打無失点と好投していた。

 球団は6月16日に同じくドミニカ共和国出身のアダメスを育成選手から支配下登録した。157キロ右腕は即1軍登録されてデビューを果たした。メルセデスも1軍で起用する構想があるからこその支配下選手昇格とみられる。9日からは前半戦最後のカードとなるヤクルト3連戦。静岡で行われる初戦はヤングマンが濃厚で、10、11日の舞台は神宮に移る。チーム状況次第だが、早ければ10日のヤクルト戦で初登板初先発する可能性も十分ある。

 昨年途中には子どもが生まれ、「1軍で活躍できるように頑張ります」と父親として決意を新たにした。妻子を残して単身、日本で奮闘。グラウンド内外で異国の環境に慣れようと必死で、ブルペンでは「アウトコースインコース、コウゴにオネガイシマス」と話すなど、日本語もメキメキと上達している。

 メルセデスといえば高級外車「ベンツ」を連想するが、母国ではよくある名前だという。ハングリー精神あふれる左腕が、ビッグな夢をつかもうとしている。

【巨人】152キロ左腕メルセデスが支配下登録!昇格即、1軍先発デビューも : スポーツ報知

 

 

 

 

 

メルセデス選手について】

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引用:二軍試合結果|読売巨人軍公式サイト

 アダメス選手に続き、左腕のメルセデス選手も支配下登録が決定。連続で外国人が支配下登録されるとは予想がつきませんでした。

 メルセデス選手は17年1月にマルティネス選手とともに育成契約された投手であり、188センチ82キロで最速153キロ、変化球はスライダー・シンカー・カーブ・チェンジアップを武器としています。

 

 3軍スタートも1年目から結果を残し2軍に昇格。17年の2軍成績は18試合65(2/3)イニング2勝3敗防御率3.29となり、2年目は当初からの2軍ローテとして期待されました。

 

 しかし2年目は怪我でキャンプ3軍スタート。その後も3軍調整を続けながら、6月5日の日ハム2軍戦で今季初2軍先発となりますが、5回5失点と負けはつかなかったものの、不本意な結果となりました。

 その後は21日のロッテ戦で2番手で登板し3イニング(1/3)を1失点、27日のヤクルト戦で7回2失点など徐々に調子を上げていき、7月7日時点で6試合26イニング(1/3)0勝0敗防御率2.05となっています。

 リリーフとして昇格したアダメス選手とは違い、ヤングマン選手同様先発ローテとして期待されています。

支配下の背景】

  去年から2軍でリリーフをしていたアダメス選手と異なり、メルセデス選手は2年合わせても2軍では中継ぎ起用も含めて24試合の登板。このニュースを見た人のなかには「いくらなんでも尚早じゃないか」と思われるかたもいるかもしれません。その原因は去年支配下された青山・増田・田中選手3名。青山・増田選手は調子が上がらず3軍暮らし。田中選手も2軍にこそいるものの、2位指名の岸田選手がスタメンとなっており、2番手捕手となっています。。このためこの3名の二の舞になるのではないかという懸念があります。なぜこのタイミングでの支配下だったのか。 

 

 それは先発ローテ候補の相次ぐ離脱。畠選手は急性腰痛でようやくブルペンで2度目の投球練習を再開した状態で今季登板できるかも微妙。田口・野上選手は結果を出せず2軍調整。吉川選手も結果の良し悪しが乱高下し計算できていません。このため現在のローテは菅野ー山口ー内海ー今村ー鍬原ーヤングマンとなっていますが、鍬原選手は本来は2軍で課題を修正する必要がある状態であり、かなりぎりぎりのローテとなっています。これで一人でも離脱者が出ればローテは崩壊が目にみえており、支配下期限の7月末までに先発候補を支配下した形となっています。

【1軍外国人枠はどうするのか】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 ここで問題となるのが1軍の外国人枠。ゲレーロ選手のコンディション不良で2軍落ちし、復帰こそしたものの打率1割を下回り現在は2軍戦にも出ていません。カミネロ選手も調整中いうことで現在の1軍帯同はマギー・アダメス・ヤングマン・アダメス選手の4名となっています。

 メルセデス選手が1軍昇格をするには誰かを降格させなければなりませんが、初登板については先発登板後のヤングマン選手を抹消し、入れ替わりでメルセデス選手を昇格させる流れが濃厚です。もしここで駄目なら抹消となりヤングマンが昇格。初先発で結果を残せばヤングマンとともに先発ローテとなります。

 

 この場合マギー・アダメス選手のどちらかが抹消となりますが、長打の要となるマギー選手に対しアダメス選手も2~3イニングを安定して投げてくれる貴重な中継ぎ。どちらも安易に抹消できない選手となっています。このためヤングマンメルセデス両名を先発ローテとする場合、以下の2通りが予想されます。

ヤングマンメルセデス選手それぞれが先発登板するたびに抹消。つまり菅野ー山口ー内海ーヤングマンメルセデス)ー今村ー鍬原となります。

②アダメス選手をおとしヤングマンメルセデス両名を登録。鍬原選手も2軍調整させ、アダメス選手の枠に西村・宮国選手などの1軍経験のある中継ぎをあげる。

 

【日本人育成選手はなぜ支配下されていないのか】

【①:支配下5選手の1軍登板無しが足枷に?】 

 アダメス選手・メルセデス選手は外国人枠であり、支配下しても起用法に制限がかかる選手。ならば日本人の育成選手はなぜ今回も支配下されなかったのか。

 原因の一つはこの2年で支配下された5名の選手。青山・増田・篠原・田中・高木選手です。

 青山・増田選手は支配下された翌年調子を上げれず今の3軍。田中選手は2軍帯同こそしているものの、岸田選手が2軍の1番手捕手となっています。篠原選手は1軍の中継ぎとして起用こそされたものの、敗戦処理から一皮向けず敗戦処理さえこなせないこともありました。そしてトドメとなったのが河野選手とのSNS事件。これにより無期限出場停止を通告されています。

 

 高木選手もオープン戦で好投し支配下こそされたものの、公式戦ではぱっとせず2軍とまり。残念な話ですが、今のところ1軍戦力となれている選手は一人もいません。おまけに支配下登録したということは支配下枠を5枠使っており、ドラフト獲得の際に中継ぎや素材型を獲得できる下位指名枠を潰す足枷となっています。

 ならば首にするか育成降格すればいいかといわれればそう簡単にはいきません。3年契約後毎年自由契約となる育成選手と違い、支配下契約はそうすぐに戦力外とはできず、支配下後すぐに育成再契約となれば現育成選手のモチベーションにも影響します。このため現育成選手の支配下に対し及び腰になっている面もあります。

【②:育成外国人という立場】

 ならばなぜアダメス・メルセデスの2名は支配下されたのか。それは2名が外国人枠を使うドラフト外入団という立場です。

 育成外国人が支配下されれば、外国人枠を使う以上求められる役割は助っ人外国人と同じ。つまり求められるハードルは日本人の支配下選手に比べ高いものとなっています。それだけ結果を残せなければ戦力外となる危険性も高く、結果を残せない場合に戦力外になったとしても、それだけ外野は納得しやすいものとなっています。

 また外国人選手はドラフト入団と違い、出身校の縛りがありません。このため支配下1年で戦力外となったり育成再契約となってもドラフトへの影響は少ないものとなっています。

【③:支配下候補と必要タイプの不一致】

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 支配下候補の一人として真っ先に名前があがるのが左外野手の松原選手。2年目ながら2軍で69試合239打数72安打17四死球、打率.301と打撃面で結果を残しており、高齢化が進む外野手にとって救世主とも思える存在。なぜ松原選手が支配下されていないのか。

 それは今の巨人がすぐにほしい選手は①先発②中継ぎ③ライト・センターを守れる長打力のある外野手であり、俊足巧打の松原選手はこの3つに当てはまりません。

 

 また松原選手の支配下のネックとなっているのが守備。このタイプの選手は守備がよくてなんぼの選手。特に今の巨人は外野手が高齢のため、交代したあとに守備固めできる選手が必須であり、守備が上手く長打はなくても打率が残せるのであれば、上記3つに当てはまらなくても支配下候補となります。しかし松原選手は守備型でなく打撃型であり、むしろ守備は課題とされています。

本人は「(3軍で)独立リーグなどと試合をすると、ストライクゾーンがやや広いので、その対策です」と笑うが、確実に実戦に生きている。韓国・ハンファとの練習試合では、難しい外角球をいとも簡単に左翼線へ流していた。少し違うが、坂本勇も「試合で得意なコースに来ることは少ないから」とフリー打撃から自由を奪い、難しいコースの球をわざと体勢を崩して打つ練習を取り入れている。

 守備にはまだ改善の余地があり、キャンプ中は大西外野守備走塁コーチに徹底的にシゴかれていたが、あの打撃は“一芸”として武器になるのではないか。育成の星・松本哲也が一級品の守備から道を切り開いたように、「まっちゃん2世」にも突き進んでほしい。

【巨人】育成野手で唯一キャンプ参加の松原、中日・大島になれる : スポーツ報知

  松原選手はこの守備が改善されれば一気に支配下候補に名乗りをあげます。その上外野を守っており、左打者で2軍で打率3割を残していた柿澤選手が窃盗により球団契約を解除。流れはどうであれ左の外野手枠が一人空いた形となっています。このため松原選手については今季支配下の可能性がまだ残されています。

 

【先発・中継ぎ・外野手で他の支配下候補はいるのか】

 松原選手については触れましたが、それ以外の補強が急務のポジションで支配下候補はいるのか。結論からいうと残念ながらまだ候補選手はおりません。

 先発している育成選手は橋本・坂本工・田中大選手の3名。橋本選手はローテを守っており成績も安定しているものの2軍登板は未だ0.坂本選手は今季2軍ローテを期待されたものの、先発として調子が上がらず防御率4点台で2番手として登板することが多くなっています。

 田中大選手は7月3日に2軍先発を果たしましたが、5回1失点とこれからの内容であり、支配下の見込みはまだありません。

 

 中継ぎに関しては2軍登板している選手は大半が支配下選手。巽選手がときどき登板していますが、育成で中継ぎメインの山上・田中優は高卒1年目で3軍。成瀬選手も3軍とまりとなっています。

 外野手も2軍メインスタメンの育成選手は松原選手のみ。他の育成外野手で1年目以上となる松澤・加藤選手ともに2軍出場こそあるものの3軍メイン。このように支配下はまだまだ先となっています。