<オープン戦:巨人1-4DeNA>◇16日◇沖縄セルラー那覇
巨人は沖縄キャンプから1軍昇格した育成2年目の沼田翔平投手が1回無失点と結果を出した。「ブルペンより実際のマウンドの方が良かった。何も考えずにゼロで抑えようと思った」と無心で投げ込んだ。
4番手で登板した育成の与那原も1回無失点。打者ではモタもアピールを続け、原監督は「今は(支配下選手)65人。開幕までに(支配下登録は)3人ぐらいでしょうか」とさらなる競争を求めた。
【原監督が支配下昇格について触れる】
現状巨人は支配下数が65名。先発・中継ぎ・強打の野手と足りない部分が多く、枠に余裕もあるため支配下昇格が期待されていました。
そんななか、原監督が開幕までに3名支配下を考えている旨を公表。そこで今回は各ポジションの支配下候補の現状について分析していきます。
【投手】
【①:與那原 大剛選手】
巨人・育成 トルネード與那原大剛 189センチからのパワーピッチで1回0安打0失点 巨人ーソフトバンク 練習試合8回表 2019年11月14日
最速150キロ、トルネードが話題の大型投手。15年3位で入団するも1年目以降調子を落とし、一昨年にリハビリ組となったことで育成再契約となっていました。
そんな與那原選手は秋季キャンプで原監督から横川選手とともに注目選手に挙げられ、春季キャンプでも1軍組に招集されています。オープン戦でもDena戦では1回無失点と結果を残しています。
武器はストレートとスライダーですが、変化球の精度が課題となっています。WLでも変化球が決まらずストレート狙い撃ち、甘く入る変化球を捉えられ失点続きでした。去年支配下を勝ち取るもその年に戦力外を受けた坂本工選手もストレート・スライダー以外の決め球がなく通用しませんでした。與那原選手も精度を上げられなければ同じ道をたどります。
ただ現状の育成選手の中では数少ない戦力として見込める選手であるため支配下候補の筆頭といえます。
【②:沼田 翔平選手】
2020 巨人 ジャイアンツ 沼田翔平 昇格間違いなし!期待の育成ピッチャー
18年育成3位で入団した高卒投手。細見ながら伸びのあるストレートと縦のスライダーが武器であり、1年目から2軍でも先発起用されました。春季では当初ファーム組でしたが、紅白戦で1回無失点と好投するとブルペンでの内容、そして杉内コーチの推薦もあり沖縄キャンプから1軍グループに招集されました。
―沖縄から1軍に昇格の沼田が好投。
「ファームの杉内コーチが非常に彼を推している。結果も残しているという点で、与那原と競うだけの力は持ち合わせている」
高卒1年目ながら支配下された山下航選手のように、1軍即戦力とされなくても支配下される例はありますが、沼田選手もまだ体は細く球速にも物足りなさがあり、スライダー以外の変化球もまだ精度に課題があるため、即戦力とはなりえません。
本人のモチベーションや1軍経験を積ませるためにロングリリーフとして起用する方法もありますが、今の巨人にその余裕があるかと言われれば微妙なところ。次回の支配下戦力外は若手に蓋をする中堅層と補強組が候補となってくるため、多く見積もっても5~6名程度と思われます。支配下昇格を連発し枠を埋めてしまうと先発・中継ぎ補強のためのドラフト指名枠に影響するため、沼田選手は夏までの期限に調子がよければ支配下と思われます。
【⓷:ディプラン選手】
【巨人】 紅白戦3回 最速161キロ右腕・ディプラン 荒れ球投球で3失点も1軍昇格 2020年2月9日
阿部監督がドミニカトライアウトに同行し発掘した26歳の長身投手。動くストレートと落ちる球が武器で最速150キロを誇ります。
オープン戦ですでに2試合起用されましたが、クイックになると制球出来なくなる課題ををもち、26歳であるため即戦力でなければ支配下は難しいのが本来の立場です。26歳以上の育成外国人は契約初年度の支配下昇格は3月末が期限であるため、支配下優先度は高いものの、先発枠はすでにサンチェス・メルセデスの2人がおり、先発外国人を3人にするよりも田口選手先発転向でさらに薄くなった中継ぎ、そしてゲレーロ選手がいなくなり不足する長打が打てるバッターに割くべきであり、支配下昇格であればモタ選手の優先度があがります。
【内野手】
【①:平間 隼人選手】
四国一の俊足!巨人育成一位指名の平間隼人選手!岸選手とのコンビで独立リーグを走りまくった男がプロへ!
育成1年目ながら1軍キャンプに招集された独立リーグ出身の内野手。俊足に高い守備力と粘り強い打撃が持ち味の選手です。
ただ紅白戦ではぱっとせず、増田大・吉川尚・若林・山本と他のセカンド候補が好調なため優先度は低くなり現在はファーム組です。今回の3月支配下候補組からは外れていますが、再び吉川尚選手が故障となれば調子次第ではマルティネス選手のように内野手補充のための支配下はありえます。
【外野手】
【笠井駿選手】
2018/04/20 巨人 笠井駿 タイムリーヒットとスリーベース、マルチヒットの活躍!
今年で育成3年目となる大卒右打ち外野手。紅白戦で3安打し話題にもなりましたが2軍出場も少なく、中距離の身体能力タイプ。松原・重信・加藤選手とタイプが被るため支配下候補にに挙がること自体疑問符がもたれなすが、候補に挙げた理由はセンター・ライトを守れる右打ちの外野手である点。現在の巨人は右打ち支配下外野手は陽・石川選手のみ。守備に課題がある石川選手にセンター・ライトを守らせているようにこのポジションを守れる若手外野手、特に右打ちが不足しています。
亀井選手の年齢、丸選手の故障・不調の際のリスク管理は必須である一方、投手に比べると優先度は低いため、すぐに支配下の可能性は低いです。
【イスラエル・モタ選手】
2019/03/19 巨人 イスラエル・モタ 3安打4打点1本塁打1盗塁の活躍!
今期注目のパワーバッター。支配下に最も近い選手として連日記事となっています。
変化球への対応力も日を見るごとに向上しており、肩の強さもあることから潜在能力の高さをうかがい知れます。しかし1軍クラスのストレートにまだ対応しきれていない点や守備が不安定なこと。走塁も判断しきれておらず暴走気味な点など課題も多い選手です。
オープン戦に突入すれば若手投手だけでなく1軍ローテ選手の登板も増えてきます。そこでどれだけ結果を残せるかになってきますが、野手はパーラ選手のみ。メルセデス選手が開幕に間に合わない場合はサンチェス・デラロサ・パーラ・モタ選手の4人体制。ビエイラの出来次第で併用といった流れとなります。枠に余裕があるため開幕までの支配下候補の一人となります。
【まとめ】
正直なところ、3人も支配下する必要があるのかというのが現状です。與那原選手も課題・失点やが目立ち沼田選手もまだまだ細い。モタ選手も守備やストレートへの対応に課題ありとなっているため、支配下しても2人が限界ではないかと考えます。