初優勝した2016年以来2年ぶりの黒獅子旗奪還を目指すナインが初戦を突破し、東京ドームで旋風を起こしてほしいと願う多くのトヨタファンが、地元・豊田市や関東地方のグループ会社などから駆けつけ、スタンドをチームカラーの赤で埋め尽くした。豊田章男社長も見守った。
三回、先発した佐竹が2死二塁から中前適時打を浴び、先制を許した。佐竹らと同じ工場で勤務する礒部明仁さん(57)は「(絶対に)逆転して、あとは佐竹投手が落ち着いて投げて抑えてくれる」と同僚の活躍を期待した。するとその裏、佐竹とバッテリーを組む細山田に一発が飛び出し同点。スタンドの応援団らは息を吹き返した。
四回に安打で出塁し、勝ち越しの本塁を踏んだ樺沢の妻実穂さん(28)は「1打席目のチャンスで打てなかったので、点に絡んだ活躍をしてくれて、ホッとした。もっと追加点を入れてほしい」と喜んだ。
樺沢が勤務する明知工場の元同僚、寒藤勲さん(67)は「樺澤」と書かれた横断幕を持って約20人で声援を送った。寒藤さんは「盗塁も決めてくれた。このあともどんどん打ってくれるのを期待している」と笑顔を見せた。この回、樺沢の安打を足掛かりに、三菱自動車岡崎から補強出場の山野辺が右前適時打を放って、勝ち越しに成功した。
六回には佐竹が2死一、三塁のピンチを迎えたが、相手の5番を空振り三振に仕留めた。佐竹の直属の上司、吉田晴胤さん(48)は「絶対に抑えてくれると信じていた。よくやってくれました」とうれしそうに話した。
最後の打者が遊ゴロに倒れるとファンは大歓声。堅い守りを見せた北村と大会後に結婚する予定の増田夕華さん(25)は「本当に勝てて良かった。このまま優勝まで突き進んでほしい」と躍進を願っていた。
【北村選手の紹介】
【巨人軍・北村選手の実兄】2018/04/05トヨタ自動車・北村 祥治#4(星稜中→星稜高→亜細亜大)
177センチ81キロ 右投げ右打ち
ポジション:セカンド・ショート・サード
解禁年:2017年
源田(16年西武3位)・藤岡(17年ロッテ2位)の後を継いでトヨタのショートを守る内野手。大学時代より藤岡選手とともに大卒内野手の上位候補として注目されるも二人とも指名漏れとなりトヨタ自動車に就職。上記2選手とのポジションの関係でサードやセカンドを守ることが多かった北村選手ですが、18年よりショートスタメンで起用されるようになっています。
【指名への課題】
課題は社会人後打撃成績を残せていないこと。2番として起用されることが多くなっていますが、甘い当たりも芯で捉えることが出来ず打ち損じばかりとなっています。また2番として粘りが出来ているわけでもなく、18年都市対抗は7打数1安打となっています。
またショート守備についても「守備範囲は源田>藤岡>北村」と言われるような評となっており、中身についてもなんとかゴロを正面で取ろうとするためか余計な動きが入っており、捕球してからは早いのですが、捕球するまでが課題となっています。
【指名順位予想】
社会人内野手を獲得する上で重要となるのはショートを安定してこなせるかどうか。または長打こそなくても率を残せるかどうかですが、北村選手については残念ながらどちらも指名を受けるほどの結果を残せていません。このため現状では指名漏れが有力となっています。