5年ぶり4度目の出場となった日本製鉄室蘭シャークスが横綱・日立製作所相手に大健闘した。
好試合を演出したのが先発左腕の岩崎巧(24)法大から入社して2年目。体幹を鍛え、意識も「会社のため、お世話になっている人への恩返し」と変えマウンドに上がった。球速は130キロ台でも右打者の内角を突く小気味いい投球。2回に2ランを浴びたが、7回途中まで毎回の11個の三振を奪った。法大2年の時に前橋商の4歳年上の先輩と結婚。もちろん内緒だった。現在は夫人と子供を群馬に残して室蘭での単身生活。大学時代は4年春に3試合、2イニングを投げたのみ。意識が変わって投球にも幅が出てきた。
「大学時代は自分だけのためにやってましたからね。まだプロもあきらめてないんです。きょうはある程度の投球はできたけど、あの2ランが力のなさの証明。もっと鍛えないとダメです」と反省が口を突いた。
比嘉監督は「ほぼ完ぺきな投球だったんじゃないかな。僕の未熟さが出てしまった」と岩崎の投球には大きな賛辞を送った。
4度目の出場で、今年こそドーム初勝利の願いは消えた。しかし左腕エースの誕生で、これからのシャークスは面白い。日本製鉄室蘭シャークス・岩崎 日立製作所相手に好投!7回途中まで毎回の11K― スポニチ Sponichi Annex 野球
【岩崎選手の紹介】
181センチ83キロ 左投げ左打ち
経歴:前橋商ー法政大ー日本製鉄室蘭シャークス
解禁年:2019年
セットポジションから左腕を頭の後ろに回し、スリークォーターよりも腕を下げた角度から投げ込むフォームから最速141キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む右腕投手。左打者にとっては逃げていくようなフォームのためアウトコースのストレートのスライダーの見分けがつきにくく、右打者はインコースに落ちてくるスライダーとツーシームで空振りを奪います。
高校時代より肩痛に悩まされ、進学先の法政大でも4年間でわずか3試合の登板に終わりました。それでも社会人で体幹を鍛え野球に対する意識も変わり、日立製作所との試合では先発として起用されると、6回2/3を投げ失点は2ランの2点のみ。130キロ台ながら11奪三振を記録し大きく注目されるようになりました。
【指名への課題】
容易に仕留めている左に比べ、右は変化球の抜け球の割合が増えており、どうしても球数を要しています。左に比べるときっちり決まったストレート・変化球でないとファール・見切られてボールになることが多く、被弾した球も右打者に対しボール先行でストレートを待たれていたところに、ストレートを高めに投げてしまい打たれています。
このため右打者への変化球の精度アップが先発として計算するうえでの課題となります。
【指名順位予想】
まだ岩崎選手自身が力不足で鍛える必要があるといっており、もっとストレートの球威が欲しいところです。右打者への勝負方法がまだ課題となっていますが、左の中継ぎとして見るには大学時代にまともに投げられなかった肩痛が懸念材料となります。右打者への対応が課題+長年投げられないほどの肩痛経験有りとなるため、2軍で投げさせながら昇格を待つ形となります。表ローテになるレベルは微妙なため、裏ローテでもいいのでとにかく先発の頭数が欲しい球団の指名候補となります。
指名順位としては5~6位の下位指名候補となります。