読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2020年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  育成7位指名 徳島IS 戸田 懐生選手 独立リーグ右腕投手

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プロ野球・巨人から育成7位で指名された徳島インディゴソックスの戸田懐生投手(20)=愛知県出身、東京・東海大菅生高中退―KTCおおぞら高等学院出=が27日、徳島市のJRホテルクレメント徳島で入団交渉を行い、支度金300万円、年俸400万円(ともに推定)で仮契約した。背番号は「020」に決まった。

 仮契約には、榑松(くれまつ)伸介スカウト部次長と野間口貴彦スカウトが出席した。交渉後に会見した戸田は「気持ちを前面に出した投球を見せて、早く1軍で活躍したい」と気合十分。目標に巨人のエース菅野智之投手を挙げ、「先発にこだわり、200勝を目指す」と抱負を語った。

 徳島に入団2年目の今季は、最速150キロの速球を武器にリーグ最多の9勝を挙げた。榑松スカウト部次長は「球の切れ、制球力が良く、完成度は高い。育成指名となったが即戦力に近い」と述べ、先発ローテーション入りに期待を寄せた。

 戸田は12月10日に巨人の球団事務所で本契約を結び、11日に両国国技館で行われる新入団選手発表に臨む。 

「先発投手で1軍目指す」戸田(インディゴ)巨人と仮契約|スポーツ|徳島ニュース|徳島新聞

 

 

 

 【戸田選手の紹介】


【巨人育成ドラフト7位/戸田懐生】小さなエース戸田懐生 圧巻の奪三振集!!【読売ジャイアンツ】

172センチ70キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・スプリット・カットボール・フォーク

 

 

 セットから腕を顔の高さまで掲げた後にさらにもう一段高く上げ、二段モーションのような時間差を感じる駆動から投げ下ろすフォームから最速148キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。

 140前後ながら150近くだと錯覚させるような伸びのあるストレートで押していき、130後半の高速スライダーとのコンビネーションで打ち取っていきます。ストレートとスライダーのコントロールがよいため、初球からストライクで攻めていくことが出来、四球で崩れることもないため攻めの投球が出来ています。

 東海大相模ではエース先発として注目株となるも、ひじ痛に悩まされ野球を続けられず高校も中退。通信制高校に通うも、ひじ痛が消えたことで相模の顧問から徳島ISを勧められ入団しました。

 

 

【なぜ指名されたのか】

 20年の四国リーグでは18試合9勝5敗で防御率1.24で最多勝最多奪三振ベストナイン投手の3冠を獲得しました。発・リリーフ両面で実績を残しており、スカウトも育成での獲得となったが1年目から1軍で投げられるクラスと評しています。先発・中継ぎ両面が不足している巨人にとって、独立リーグでありながら安定性のある戸田選手で投手層を年齢という面でも来年21歳で高卒社会人と同じ、独立リーグは年齢が指名順位に大きく影響することから、上位指名候補と考えていました。

 

 しかし結果は育成7位。独立リーグ出身の選手は実績よりも伸びしろ、年齢を高く評価するため、実績は参考程度となっています。その証拠に同じチームの行木選手は実績は少なかったものの高校時代は最速138キロから20年には153キロに大きく球速を伸ばしており、高い伸びしろを評価され5位指名となり、大学時代は実績0ながらも栃木GSに入団後サイド転向し最速153キロを記録した石田選手も育成1位指名となっています。このことから伸びしろが指名順位に高く影響しており、戸田選手については良くも悪くも安定していて、大きく球速が伸びたり他にはない特徴があるわけではなかった戸田選手は評価が低くなりました。身長も一つの理由ですが、高知FDの石井選手は175センチと戸田選手とあまり変わらず、3歳上でありながら8位指名。石井選手については四死球率が大きく改善していることと、オーバースローでは珍しいシンカーの使い手という希少さが評価ポイントとなっています。

 他にも高校を中退するほどの故障歴を持っていることや二段モーションの点も含め大きな伸びしろが見えにくい点からも育成による指名となりました。

 

【1軍起用への課題】

 本人は先発を希望しており、肘の故障歴からも連投となる中継ぎよりも先発のほうが故障のリスクが低いから編成陣も先発ローテとして期待しています。

 課題としては戸田選手はストレートかフォークで仕留めることが多いのですが、あまり身長がないながらも投げ下ろすフォームのため、フォーク系の球が落ちすぎるとバッターに着く前にバウンドしてしまい見切られてしまうことから変化量と精度が非常に重要となります。

 また縦の変化球が多いため打者が踏み込んで打ちにいけます。このことから本人も課題に挙げていたストレートの球威が鍵となり、現在の戸田選手のストレートは140中盤。140中盤なら独立リーグの野手や2軍戦では押せますが、1軍クラスとなれば右腕で140中盤は打ち込まれます。横に動く変化球の開発が出来れば理想ですが、腕の角度を考えれば横に変化球は負担が大きいため、ストレートの球威アップが現実的となります。140後半も記録できるようになれば1軍でもある程度目途がたつため、今後どれだけ球速を伸ばせるかがカギとなります。