23年ドラフト戦略を考えるうえで重要となるのが翌年のドラフト市場の傾向。24年に豊作のポジションを23年に無理に取る必要はありませんし、その逆もしかり。翌年のドラフトを把握することは今年のドラフト傾向を予想するうえで非常に重要となります。
【24年ドラフト市場の傾向】
そんな24年ドラフトは「久しぶりの大卒1位が揃う年」となります。やはり1番の目玉は明治大・宗山 塁選手。1年生からレギュラーで出場し非凡なバッティングで2年春には56打数24安打3本塁打で打率.429を記録。通算打率も3割越え、さらにショート守備も多くのスカウトから評価されており、久しぶりの大卒ショート1位候補となります。
同じ大卒野手で注目されているのが青山学院大・佐々木 泰選手。こちらも1年生からレギュラーになると1年春に35打数13安打4本塁打と打ちに打ちまくり、その後も本塁打を打ち続け通算11本塁打を記録。同じチームには西川 史礁選手もおり、こちらは3年春から本格出場ですがすでに4本塁打を放っており、こちらも打てるスラッガーとして注目されています。
大阪商業大・渡部 聖弥選手は通算5本塁打、肩と足もあり1~3番を打てる中距離バッターとして上位候補は間違いないと評価されている打てる外野手。明治大・飯森 太慈選手は小柄ながら4割を打ち、20盗塁も記録するチャンスメーカー。
社会人ではNTT東日本・野口 泰司選手が打てる捕手として期待。大学では指名漏れを経験するも、NTTでは1年目から4番捕手として起用されており、久しぶりの大卒・社会人捕手が1位指名で名が挙がる可能性があります。同じ社会人野手では東芝・齊藤 大輝選手。打てるセカンドとして注目。法政大では4年時にスランプに陥り指名漏れとなるも、こちらも1年目から起用されています。同じリーグで指名漏れを経験した日本生命・山田 健太選手もセカンドで起用され本塁打を放つなどさらなる成長が期待されます。
投手であれば法政大・篠木 健太郎選手は最速157キロ、常時150キロ前後で先発としてフル回転するパワーピッチャー。最速を伸ばし続けており、4年生までに160キロも期待されています。国学院大・坂口 翔颯選手も1年生から先発で結果を残す右腕。東洋大・岩崎 峻典選手は回転数2900という驚異の伸びるストレートで亜大戦では完封も記録。全国大会経験はないものの、代表合宿で圧倒的存在感を見せた愛知工業大・中村優斗選手が揃います。
さらに左腕では最速153キロに安定感が武器の関西大・金丸 夢斗選手。最速150キロの環太平洋大・徳山 一翔選手。ただ大卒左腕については23年に比べると数は物足りないものとなっています。23年左腕が化け物揃いというのもありますが。
高卒は素材型が目立ちます。投手では最速153キロを投げたパワーピッチャーの生光学園・川勝 空人選手が注目株。190センチの長身を持ちながらバランスの良いフォームが魅力の前橋商・清水 大暉選手。 千葉学芸・菊地 ハルン選手は198センチの大型右腕。高校1年時は120キロ台だったストレートは140前半まで伸びしており、伸びしろが高く評価されます。須磨翔風・槙野 遥斗選手は才木2世と評される本格派。
24年は大卒に投手・野手含めてドラフト1位がいる大卒注目の年。今年はどこも大卒投手を1位指名候補にしており、来年は宗山選手を軸に各球団の思惑が動く年となります。
【24年ドラフト候補】
【高卒右腕】
前橋商・清水 大暉 190/85 右/右
最速148キロ、長身ながら癖のないオーバースローで攻める大型右腕
千葉学芸・菊地 ハルン 198/92 右/右
高校入学から最速を20キロ以上伸ばした成長株。
立命館宇治・十川 奨己 195/87 右/右
長身とフォークが武器の大型右腕。潜在能力を高く評価される
神戸国際大付・津嘉山 憲志郎 178/92 右/右
最速148キロ、投手としても精神面も評価されるプロ向き右腕
須磨翔風・槙野 遥斗 181/81 右/右
才木2世と評される器用さが魅力の伸びしろ期待右腕
生光学園・川勝 空人 179/83 右/右
最速153キロ、ダイナミックなフォームで常時150前後を投げる注目株
【高卒野手】
関東第一・高橋 徹平 180/100 右/右 守備:一
二松学舎大付・片井 海斗 175/95 右/右 守備:一
桐光学園・森 駿太 186/80 右/左 守備:遊
通算25本塁打、打撃が魅力の打てる大型ショート
花咲徳栄・石塚裕惺 181/81 右/右 守備:遊
通算20本塁打、長打力が期待できる大型ショート。
慶應義塾・加藤 右悟 175/75 右・左 守:捕・右
通算17本塁打、2年生で4番に座り捕手にも挑戦する注目株。
【大卒左腕】
明治大・千葉 汐凱 177/83 左/左
最速146キロ、リリーフとして活躍する左腕。
日本大・坂尾浩汰 161/60 左/左
低めに投げるコントロールが武器の小柄な左腕。
関西大・金丸 夢斗 177/77 左/左
最速153キロ、3年時点で1位クラスと評価される完成度が魅力。
環太平洋大・徳山 一翔 177/86 左/左
最速150キロ、ストレートとタイミングの取りづらいフォームが武器。
【大卒右腕】
立教・沖 政宗 180/79 右/右
チームでは先発・リリーフ両面で起用されるパワーピッチャー
法政大・篠木 健太郎 177/75 右・左
最速157キロ、常時150超えを連発するドラ1候補
明治大・浅利 太門 186/84 右/右
最速153キロ、中継ぎとして台頭した長身右腕。
国学院大・坂口 翔颯 180/80 右/右
最速150キロ、1年時から先発として結果を残している
城西大・阿部 克哉 188/93 右/右
最速143キロ、3年秋に大学初登板を果たすと防御率0点台を記録し復活。
日本体育大・箱山 優 185/86 右/右
最速148キロ、力みのないオーバースローで角度あるストレートを投げ込む。
日本体育大・寺西 成騎 186/85 右/右
最速150キロ、2年以上のリハビリを乗り越え復活した大型右腕
愛知工業大・中村優斗 176/81 右/右
最速154キロ、1年生から活躍する完成度の高い投手。
【大卒野手】
早稲田大・印出 太一 185/91 右/右 守:捕
通算3本塁打、打てる捕手として4番に座る
明治大・宗山 塁 175/79 右./左 守:遊
通算8本塁打、打撃・守備ともにNo.1と評される目玉選手。
早稲田大・山縣 秀 176/77 右・左 守:二・遊
熊田選手とともに鉄壁の二遊間を作り出した守備職人。
青山学院大・佐々木 泰 177/77 右/右 守:三
明治大・飯森 太慈 163/62 右/左 守:左
4割を残した小柄なチャンスメーカー。20盗塁の俊足も魅力。
早稲田大・吉納 翼 180/85 守:右
通算5本塁打、崩れない打撃が魅力の中距離打者。
青山学院大・西川 史礁 182/81 右/右 守:左
金沢学院大・井上 幹太 184/97 右/左 守:左
大阪商業大・渡部 聖弥 176/88 右/右 守:中
通算5本塁打、俊足ながら長打も打てるセンター
【社会人左腕】
トヨタ・増居 翔太 172./70 左/左
最速147キロ、安定感のある新たなチームの先発候補
日本新薬・久保 玲司 172/67 左/左
最速151キロ、威力と制球のあるストレートと安定した変化球を投げ分ける
NTT西日本・伊原 陵人 170/72 左/左
最速148キロ、小柄さを感じさせないパワフルなストレートが魅力
【社会人右腕】
NTT東日本・岸川 海 180/83 右/右
最速148キロ、バランスの良さが魅力
三菱重工West・西 隼人 178/84 右/右
最速152キロ、癖のないフォームから安定したストレートを投げ込む
パナソニック・羽田野 温生 188/95 右/右
最速156キロ、故障から復活を目指す大型右腕
【社会人野手】
SUBARU・新出 篤史 181/90 右/右 守:捕
強肩と長打が魅力の大型捕手
NTT東日本・野口 泰司 180/94 右/右 守:捕
2本塁打、1年目から4番で起用される打てる捕手。遠投110mの強肩も武器
JFE西日本・土井 克也 180/85 右/右 守:一
通算1本塁打、チームで3割を打つ打撃が魅力。社会人ではファーストで起用される
ENEOS・片山 昂星 178/80 右/左 守:一・二
東芝・齊藤 大輝 178.81 右/右 守:一・二
日本生命・山田 健太 183/87 右/右 守:一・二
通算1本塁打、長打力が魅力ながら1年目から3割を残す打撃技術が武器。
NTT東日本・道原 慧 173/74 右/左 守:中
チームでは1~3番で起用さえる左の俊足好打外野手
東京ガス・中尾 勇介 173/75 右/右 守:中
監督が足と守備範囲が魅力と評された右の巧打者。
東海理化・門叶 直己 183/92 右/右 守:右・左
通算2本塁打、4番で起用され若獅子賞も獲得した打撃が武器の強打者
東海理化・福本 綺羅 178/90 左/左 守:右