人生初の東京ドーム、人生初の全国大会で、みちのくの剛腕が衝撃デビューを飾った。鈴木は独特な2段モーションの投球フォームから常時140キロ台後半から150キロ台前半を計測。初回、先頭への初球を150キロで入ると、4球目には153キロで空振り三振に仕留め好発進した。さらに2回、4番打者への4球目に154キロを投じると、スコアボードに刻まれた数字に観客がどよめいた。
序盤から快調に飛ばした。「ロースコア、1点勝負になるとミーティングで話していた。前日練習では球がいってなかったが、前日よりもいってて手応えはあった」。剛速球で相手打線を押し「最初から思い切り飛ばせたのが154キロにつながった」。これまでの自己最速は151キロだったが、3キロ更新してみせた。
6回に暗転した。1死一塁、課題のセットポジションから投じた直球を、相手4番に左翼席へと運ばれた。痛恨の先制2ランを浴び「序盤からスライダーのコントロールが良くなくて、真っすぐ中心のピッチングになってしまった。張られてるのは分かっていたが、勝負にいって打たれた」と失投を悔やんだ。
182センチ、84センチの体格を誇る。社会人になり食事の量を増やし、ウエートトレーニングにも注力。大学時代から7、8キロの増量に成功した。さらに今まで行っていなかった股関節のメニューをこなすようになり「実を結んだ」とスピードアップにつなげた。
佐藤康典監督(50)は鈴木について「合格点。1発に泣かされたが、踏ん張りながら頑張ってくれた」。TDKのスタメン10人(DH含む)は、経験豊富な七十七銀行(宮城・仙台市)からの補強選手3人を除くと、7人の平均年齢は23・4歳だ。若いパワーで可能性は無限大。好投手3人を軸に来年の東京ドームでは雪辱を期す。
TDK3投手が奮闘「勝負にいって」鈴木が痛恨被弾 - アマ野球 : 日刊スポーツ
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