新外国人でスモーク・テームズ選手を獲得。またFAで梶谷・井納選手を獲得し、田中選手が人的で移籍しました。そして1月8日で菅野選手の残留が決定。これにより巨人の大まかなチーム事情が固まりました。このため21年のドラフト傾向をもとに2021年ドラフトにおける巨人の選手層をもとにした指名予想をしたいと思います。ちなみに21年ドラフト市場について触れた記事が下記のものとなります。
【選手層の分析】
【先発について】
【1軍先発】
ローテ:菅野ー戸郷ーサンチェスー畠ー高橋ー井納
次点:平内ー桜井ー今村ー田口ーメルセデスー直江
前年との大きな違いはFAで獲得した井納選手、そして1位の平内選手の加入です。メルセデス、直江選手は手術明けでどこまで戻せるかが未知数のため次点としています。菅野選手の残留と補強により見栄えはいいものの、次点は手術明けで実績が少ない平内選手に去年は敗戦処理もダメだった田口・桜井選手、さらにメルセデス・直江選手も手術明けで計算しやすいのは今村選手のみというのは不安が大きいところです。
先発は負担が大きいポジションであり、シーズンを通して同じメンバーで投げぬけることはまずありません。去年も田口・サンチェス・メルセデス・高橋選手が故障で離脱し、戸郷選手もシーズン終盤はスタミナ切れで成績を大きく落としました。結果直江選手や宮国選手を動員せざるを得ない状態となったため、先発候補の獲得は必要となっています。しかし21年は即戦力先発が少ないため、獲得するにしても1名となります。ただ左の先発が確実に計算できるほどの選手がいないため、理想は左腕先発の補強です。
【ファーム先発】
2軍:直江ー横川ー太田ー山川(育)ー井上ー堀岡ー野上ー古川
3軍:田中優(育)ー戸田(育)ー木下(育)ー笠島(育)ー堀田(育)ー山崎
18・19年と高卒選手を中心に指名したことでファームのローテは余裕があります。またTJ手術をした堀田・山崎選手も終盤の復帰を予定されているため、3軍にいれています。このため高卒・素材型投手はあまり補強対象ではありません。
ただしコロナの情勢が続き今年も全国大会やリーグが中止されるようであれば、今年の大卒選手についても去年の高卒選手のように実績不足から評価がおち、本来の支配下クラスが育成まで落ちる可能性があります。そのような選手を下位や育成で獲得する可能性はありますが、上位指名での可能性は低くなっています。
【中継ぎについて】
【1軍中継ぎ】
左:山本・高梨・大江・中川
ドラフトで獲得した山本・伊藤選手を加えても薄い中継ぎ層。来季は中川選手を守護神として起用すると語られているため、そうなると9回までに使える1軍起用が見込める左腕は新人の山本選手を含め3名しかいません。育成投手で支配下が望めそうな投手もおらず、戦力外の獲得もありませんでした。
大竹選手も終盤の故障から戻せなかったことを考えれば、シーズン途中での複数回の離脱や引退の可能性も考慮せねばならず、中継ぎは補強ポイントの一つ。2軍先発から中継ぎにまわすとしても、候補としては古川・直江選手くらいしかいないため、今年も底上げが必要です。しかし先発でも述べた通り今年は即戦力候補の実践機会が少なくまだ候補も少ない状態。コロナのさらなる拡大もあり再び全国大会やリーグが中止になる可能性もあるため、確実な補強は望めません。
【ファーム中継ぎ】
右:沼田・平井(育)・山崎友(育)・奈良木(育)・鍬原(育)・与那原(育)・谷岡(育)
左:戸根・阿部(育)・高木(育)
右は山崎友・奈良木、左は阿部選手を買う特。しかし2年目以内の選手が多く1軍経験の鍬原選手は骨折からのリハビリ中。高木選手は股関節の故障が長引いています。股関節の故障は杉内選手の引退の原因となった怪我であるため、ファームで1軍が見込めそうなのは戸根・沼田選手のみとなります。
特に左は頭数自体が少ないため、左は補強対象。下位か育成で1名は欲しいところです。
【捕手について】
【1軍捕手】
小林・大城・炭谷・岸田
去年は小林選手が骨折になるシーズン序盤に離脱、さらに炭谷選手が攻守ともに今季大きく成績を落とし衰えが徐々に見え始めています。一方で大城選手を正捕手に、さらに優勝後起用していた岸田選手も34試合で起用され、強気のリードで畠選手を初完封に導くなど1軍起用が見込める成果を出しました。今シーズンに上記4選手が選手生命の危機になるような故障がない限り即戦力捕手は補強対象とはなりません。
【ファーム捕手】
2軍:山瀬・萩原
3軍:喜多(育)・前田(育)・坂本(育)
育成契約していた高山・小山・広畑選手を戦力外とし、新たに萩原・喜多・前田・坂本選手を獲得しました。2軍はこの二人を中心に、3軍はバランスのいい前田選手をメインに喜多選手はトレーニングメインで出場。坂本選手は高卒の打撃型捕手であるためこちらもトレーニングメイン。実戦機会の為にDHや代打での出場メインになると思われます。こちらも4名獲得したことで補強ポイントにはなっていません。
【内野手について】
【1軍内野手】
ファースト:スモーク・中島・ウィーラー
セカンド:吉川尚・北村・湯浅
ショート:坂本・増田大
サード:岡本・湯浅・北村
セカンドの田中選手が人的で移籍。新外国人のスモーク選手はファーストメインのため巨人でもファーストの可能性が高くなっています。セカンドは吉川尚選手をスタメンに57試合出場した北村選手やイースタン盗塁王になった湯浅選手が候補となります。
ドラフトで支配下で大卒・社会人内野手を獲得していないため大きな変動はありません。補強については故障や不調の波が多くなってきた坂本選手に変われる2番手ショートがおらず、吉川尚選手をショートとした場合セカンドが対右が打率.185と打てていない北村選手。さらに1軍は代走止まりだった湯浅選手となり、若林選手は守備が致命的であるためセカンドレギュラーでは起用できません。このためショート・セカンドで起用できる巧打タイプの大卒・社会人内野手が1名ほしいところです。
【ファーム内野手】
【2軍内野手】
ファースト:ウレーニャ・香月
セカンド:湯浅・増田陸
ショート:中山・増田陸・湯浅
サード:菊田・香月
【3軍内野手】
ファースト:秋広
セカンド:平間(育)・黒田(育)
ショート:加藤(育)・黒田(育)
サード:岡本(育)
2軍は田中・山本・吉川大選手がいなくなり、レギュラーだった北村選手が1軍出場の機会が増えることが予想されるため、去年に比べレギュラー層が大きく変わっています。さらに育成の黒田選手が眼底骨折からまだ復帰できておらず、視力への影響が懸念されるためリハビリもあり3軍メインとしています。
新人の中山選手を2軍としている理由は、2軍の内野がかなりぎりぎりなためです。田中俊・吉川大・山本・比嘉・山上・折下選手の6人いなくなったのに対し、新たな獲得は秋広・中山・岡本・加藤選手の4人で去年より減っているため、試合数の多い2軍は内野が回りません。
1軍で起用できる内野手をとればその分1軍から弾かれた内野手が2軍で起用されるため、年齢を問わずショートができる内野手1名が補強ポイントです。
【外野手について】
【1軍外野手】
ライト:梶谷・松原
センター:丸
レフト:テームズ・若林・亀井
【ファーム外野手】
【2軍外野手】
ライト:松井・陽
センター:八百板(育)・立岡
レフト:石川・重信
【3軍外野手】
ライト:伊藤
センター:加藤壮(育)
レフト:保科(育)・山下(育)
支配下では加藤・村上・モタ選手を戦力外とし、育成でも笠井・荒井選手を戦力外で合計5名を戦力外とした一方、新たに増えたのは育成11位の保科選手のみ。このためファームは去年の飽和状態から一転カツカツの状況となっています。松井選手はフェニックスリーグでライトで起用されており、もともと投手・サード・ライトで起用されていた選手のため内野に比べ数の少ない外野としています。
このため外野は補強ポイント。また岡本選手に次ぐスラッガー候補、外野の若手レギュラーも少ないことから複数の指名も視野にいれるべき状態です。1年目から1軍に上げられる右打ちの大卒・社会人外野手と左右問わない高卒のスラッガータイプが理想です。
【指名予想】
まとめると即戦力投手1名、左腕投手1名、内野手1名、外野手2名です。理想はスラッガー外野手をメインとした野手ドラフトですが、1位になるほどの候補がまだいません。一方で投手も小園選手や森木選手といった高卒右腕に候補がいますが、1位を投手とするか野手とするかは今年2位で獲得した山崎選手次第となります。
山崎選手はTJ手術で2年は1軍戦力とならないとされるものの、怪我がなければ競合1位と称されるほどの投手。菅野選手に次ぐエース候補として獲得されたため、山崎選手の回復次第で1位を未来のエース候補とするか、スラッガー候補とするかが変わります。
1位指名:岐阜第一 阪口 樂選手 高卒左内野手 将来的な左のスラッガー候補
2位指名:慶応義塾大 正木 智也選手 大卒右外野手 1軍外野手候補
3位指名:早稲田大 徳山 壮磨選手 大卒右腕投手 1軍先発候補
4位指名:東芝 吉村 貢司郎選手 社会人右腕投手 右の中継ぎ候補
5位指名:創価大 鈴木 勇斗選手 大卒左腕投手 左の先発・中継ぎ候補
6位指名:JR東日本 菅田 大介選手 社会人左外野手 ライトの1軍候補