プロからの需要が高いショートでは、池間誉人(日本製鉄鹿島)と中川智裕(セガサミー)、和田佳大(トヨタ自動車)、水野達稀(JR四国/四国銀行に補強)などが目立った
中でも、スケールの大きさでNo.1と言えるのが中川だ。恵まれた体格を誇り、スローイングはまさに“矢のように”と表現したくなるような迫力。今大会もたびたび好プレーを見せた。
一方で、打撃面では踏み込みの強さがもうひとつで、外のボールに対しての弱さがあるが、インパクトの強さと長打力は申し分ない。
守備で一際目立ったのは和田だ。167センチと小柄ながら、プレーのスピード感は抜群。送球の正確さも素晴らしいものがある。打撃にもう少し力強さが出てくれば十分プロも狙えるレベルの選手だ。
【和田選手の紹介】
2020/11/05 トヨタ自動車・和田佳大遊撃手のバッティング
167センチ65キロ 右投げ左打ち
ポジション:ショート
解禁年:2021年ん
非常にバットを短く持つのが特徴の源田2世と高く評価される守備能力が魅力の小柄なショート。始動の速さと脚力を活かした広い守備範囲を誇るだけでなく、球際の深いところでもきっちりと捕球しストライク送球できるコントロールにグラブ捌きの技術も高く、1年目ながらトヨタでショートとして起用されています。
また打撃については9番起用になっているものの、ミート能力の高さやセーフティバントといった小技をいかし出塁。都市対抗の地方大会では打率.429を記録しており、大学時代はリーグ表彰の常連。即戦力の守備能力を持つチャンスメーカーのショートとして期待されます。
【指名への課題】
フォームが非常に落ち着きのない常に全身を揺らしタイミングを取るフォームであるため、自身の踏み込みのタイミングと実際に来た球とのタイミングが合わないとタイミングの調整が出来ず、打ち損じが多くなっています。幸いアウトにならずカット処理は出来ていますが、甘い球も仕留めきれていません。
また小柄であまりパワーがあるタイプでないためかフォームで勢いをつけて振りぬくため、落ちる球に対してバットが動いてしまうと止めることが出来ず、チェンジアップ系の球に弱くなっています。落ちる球に弱いわけでなく見極めが出来ている球もあったため、振るべく始動してしまうと止められないようです。バットを短く持つことによるパワー不足を補うためのフォームのため、フォームに頼らないパワーをつけることが目標となります。
【指名順位予想】
守備は今の時点で他の社会人内野手のなかでも頭一つ秀でています。しかし打撃面でのパワー不足感がどうしてもいなめず、長打面は妥協されがちな社会人ショートである点を考慮してもレベルアップが求められます。
低身長でも上位指名はあるかどうかですが、NTT東日本の福田周平選手は169センチながらオリックス3位で指名されています。ただ福田選手は社会人になり長打力を伸ばしており、都市対抗では本塁打・三塁打・二塁打のサイクル未遂に20打数11安打とが打撃面で大きくアピールしています。
本塁打はなしにしても、打率4割もしくは長打率5割を達成できれば3位指名も狙える立場ですが、その点が達成できないと指名漏れの可能性が高くなります。