来年は藤浪の同級生左腕に熱視線だ。阪神が来秋のドラフト候補としてHonda鈴鹿の大型左腕、平尾奎太投手(23)をリストアップしていることが27日、分かった。
12年の甲子園大会で春夏連覇した大阪桐蔭では同期のエース藤浪(現阪神)の控えとして優勝を経験。同大から社会人に進んで成長を続けており、球団関係者も即戦力候補として注目している。
「左腕で体格もあるし、球速も高校、大学時代に比べて格段に上がっている。高校時代から好素材として注目していたが、大学、社会人で大きく成長。社会人では1年目から日本代表に入って、このままでも十分、指名候補だが、さらに来年、実績を残せば、一気に上位候補になる可能性も秘めている」
甲子園大会では背番号11でベンチ入りしたが、藤浪、沢田(現オリックス)の陰に隠れ登板機会には恵まれなかった。ただ、潜在能力は当時から高く評価されており、経験を積んで開花した。
1メートル88の長身から投げ下ろす直球は最速140キロ台後半を計測する。社会人1年目の今季も主戦級として活躍。都市対抗では1回戦・きらやか銀行戦では救援登板し5回無安打無失点で勝利投手。2回戦・三菱日立パワーシステムズ戦では先発で9回5安打無失点と圧巻の投球を披露した。10月のBFAアジア選手権(台湾)にも侍ジャパン社会人代表の一員として、中継ぎで計3試合に登板し4回無失点5奪三振で優勝に貢献した。先発、救援ともに可能な点も大きな魅力の一つだ。
高校2年秋に大病を患ったが、現在はプレーに支障はない。左腕不足に悩む阪神にとっては、補強ポイントに合致する実力派サウスポーだけに、今後もマークを続けていく。
【平尾選手の紹介】
188センチ87キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
解禁年:2018年
タメを作らず大きく足を上げ、腕を折りたたみながら出所の見難いところから最速145キロ、常時130中盤のストレートとチェンジアップを武器とする長身左腕。HONDA鈴鹿に就職後は1年目から先発起用され、17年の都市対抗では1年目ながら三菱自動車岡崎戦で2番手登板し5回無失点で逆転勝利を呼び込みました。
またアジアWLでも社会人野球代表に召集されており、日本生命・高橋選手や新日鉄住金広畑・坂本選手と並ぶ社会人左腕代表格の一人となっています。
【指名への課題】
18年になってから調子を崩しており、地方予選でも結果を出せておらず、18年都市対抗では5回3失点で1回戦負けとなりました。
その原因はストレートのキレがなくなっており、平尾選手の武器だった出所が見難いところから投げられる球速以上にキレのあるストレートは見る影もありません。このためチェンジアップも見切られてしまうことが多く、スライダー・カーブに頼りきりの投球となっています。変化球中心となるため相手バッターにタイミングを合わせられ、甘いところに来た球を容赦なく強振され2HRを献上しています。
【指名順位予想】
18年については成績は一貫して悪いままとなっており、都市対抗でも結果を残せませんでした。1年目の成績は上位候補となるほどのもののため本人が持っている資質は評価されており、本人が指名辞退を表明しなければ指名はあるでしょう。ただ現状では6~7位の下位指名が候補となっています。