読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

28日に巨人春季キャンプ終了。結果と今後の方針を振り返る

巨人は28日、沖縄キャンプを打ち上げ、原辰徳監督がチーム“MVP”に元木大介コーチを挙げた。

印象に残った選手を問われると「選手はみんな良かったと思います。しいて挙げるなら元木コーチかな。非常にしっかりやってくれたと思います」と言った。

今季から就任した元木コーチは、ムードメーカーとしてノックの際などに大声を出して盛り上げた。

原監督の言葉を伝え聞くと「なんで(笑い)。声だけじゃないですか。うそでしょ。シーズンも頑張りたいと思います」と驚いた。キャンプMVPについては「初めてです。現役の時はだいたいリタイアで終わっていたので。今度はリタイアしないように頑張ります」と笑いを誘った。

初めてコーチとして過ごしたキャンプは「全然違いますね。自分のことより人のこと。選手のためにやらないといけない」と充実した1カ月だった

巨人キャンプ打ち上げ 原監督MVPは元木コーチ - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 

【1軍キャンプについて】

【アピール出来た選手】

【投手について】

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   最もアピール出来たのはなんと言っても育成の坂本工選手。紅白戦で2回無安打無失点、KIA戦では3回1安打1失点。楽天戦では1回1/3を無安打無失点と不足する中継ぎの救世主として大きく進歩しています。膝や肩回りに負担が大きそうなフォームが不安ですが、今後オープン戦も順調であればシーズン開始頃には支配下が見込めそうです。
 
  ドラフト1位の高橋優貴選手はクイック・ストレートと課題が見つかりながらも逐次課題を修正し、ローテ入りへ向けてアピールできています。まだ長いイニングを投げていないため、オープン戦で長いイニングの先発起用結果がローテ戦力として見られるかどうかのラインとなります。幸い1軍ローテを決めていくために2軍教育リーグでの1軍候補選手を先発させて長いイニングを試すようです。高橋選手は2軍で登板予定となっています。

巨人は28日、投手陣に関してオープン戦と2軍春季教育リーグをフル活用して、開幕メンバーを固めていく方針となった。開幕ローテ6枠候補を1軍、2軍で同日登板させる。

 エース・菅野は2日のヤクルト戦(東京D)、メルセデスは3日の同カードに登板予定。両投手とともに開幕ローテ当確の山口とヤングマンもその後の1軍オープン戦で登板する。一方、5、6番手を争う若手は1軍の試合数に限りがあることもあり、より長いイニングを投げるため、2軍教育リーグでの先発が計画されている。

 3日の教育リーグ、日本ハム戦(鎌ケ谷)では田口が先発。新人の高橋は6日の同リーグ、西武戦(西武第二)、14日の楽天戦(G球場)を予定。ファームの試合とはいえ、スタミナ面も含め重要な判断材料。首脳陣は総合的に判断し、20日過ぎまでに開幕ローテを固める方針だ。

 また、1軍戦で先発投手陣が同日に複数登板しないことで、試合の後半は多くの中継ぎ陣をテストすることが可能。2軍から救援陣を昇格する案もある。沢村が先発転向するなど、方程式メンバーはほぼ白紙状態。広い視野で開幕メンバーを組み立てる。

【巨人】開幕メンバー構築へ教育リーグもフル活用…ドラ1高橋6日西武第二へ(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 これまでいまいちだった桜井選手も中継ぎとして投げ抜いており、課題だったクイックでの投球も安定しています。今後はストレートの球速とシュート回転をどれだけ抑えられるかが鍵となります。

巨人の大江竜聖投手(20)が28日、那覇キャンプを打ち上げ、宮崎1次キャンプ初日から1軍で完走した。

 昨年までは1軍登板がなく、ファームで先発として経験を積んだ3年目左腕。昨秋の台湾ウィンターリーグで中継ぎとしての適性を見せ、今キャンプはリリーフ専念。実戦4登板6回2/3、打者20人連続アウトと圧巻の投球で猛アピールした。

 大きな期待がかかる大江は、1か月のキャンプを「いろいろ経験できて、実績のある方から学べる部分も多かったです」と振り返り、3月のオープン戦に向けては「結果を残さないと(1軍に)残れない。結果に1番こだわる中で、内容にもこだわってやっていきたいです」と引き締めた。

 

【巨人】どうなる「勝利の方程式」リリーフ競争へ大江「結果を残さないと」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

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引用:読売巨人軍公式サイト

 左の中継ぎ候補として台頭したのは大江選手。紅白戦で炎上し二軍落ちした高田選手とは評価が逆転しています。実は登板試合全無失点記録を継続中。インコースに投げ抜くストレートとチェンジアップを武器に日ハム戦では初セーブも記録しました。理想は先発ですが、一軍ですぐに使うには中継ぎとなりそうです。

   今季中継ぎ転向した吉川選手も好投。日ハム時代に中継ぎ転向に失敗しており、いくら左腕中継ぎが不足しているとはいえ、先発としてある程度計算できる吉川選手を中継ぎにしてしまうことには不安もありました。しかしストレートとカーブを武器に安定して三振を奪えています。
  戸根選手も今年はストレートの制球が安定し、インコースを詰まらせる攻めの投球を披露しています。一年目以降伸び悩み去年は一軍登板なし。阿部選手から打者転向すればいいなんて言われる始末。首もかかった今年は股関節のトレーニングで制球がアップしここまで中継ぎとして結果を残しています。
【野手について】
 野手では大城選手が打撃で頭ひとつ抜けており、日ハム戦で逆転ホームランも打ちました。一軍捕手は小林・炭谷選手を中心に大城・阿部選手が争います。ただ阿部選手はもう送球の衰えが隠せないほどになっているため、試合で起用できるかと言われれば怪しいレベルです。
 
 
 内野手では途中参加の北村選手が楽天・日ハム戦で合計2安打1四球。サードメインでショートは守れるものの1軍で使うには至っていないレベルのため、のためビヤヌエバ選手次第では一軍昇格も見込めますが、ひとまずは二軍で守備を鍛えながら怪我や調整の一軍内野手との入れ替え待ちになりそうです。

巨人が有事に備えて本職の守備位置とは違う危機管理シフトを敷いた。

丸佳浩外野手(29)が5年ぶりとなる右翼で先発すると中堅手陽岱鋼外野手(32)、中島宏之内野手(36)は移籍後初の三塁で先発し、試合途中には本職二塁の吉川尚輝(24)が遊撃、岡本和真(22)内野手は左翼の守備位置に就いた。

原辰徳監督(60)は「守備は危機管理的な部分で動いてみようかと。どこでも準備、心構えはできていると思います」と言った。

巨人が危機管理、丸ライト岡本レフト吉川尚ショート - プロ野球 : 日刊スポーツ

 吉川尚選手も正二塁手候補としてアピール。安打能力と守備では巨人内の若手内野手の中では群を抜いており、去年は坂本選手の長期離脱もあり、ショートスタメンとして起用された試合もあります。二塁手として田中俊太選手や山本選手などが計算できるようになったため、吉川選手をショートスタメンとして起用できる見込みも立てられるようになりました。
 外野手では石川選手も途中参加組ながら代打として打撃をアピール。レフト専でそのレフトもあまり上手くないためとにかく打撃で結果を残し、代打として生き残る道しかありません。原監督はスペシャリストを好むため、かつての矢野選手のポジションにつければ一軍戦力として計算してもらえるようになります。
  

【アピール出来なかった選手】

【投手について】

5年ぶりの先発再転向が決まった巨人の沢村拓一投手(30)が28日、G球場での2軍練習に合流し、ブルペンで109球を投げた。

 40球を投げた段階で「まだ3回表だな」とこぼし、持ち球をすべて試すなど実戦を想定して投げ込みを行った。「(ワクワクと不安は)半々です。100球投げることって先発の時でもあまりなかった。でも60、70球超えてからの方がいいボールが多かったし、体力に関しては問題ないと感じています」とうなずいた。

 開幕1か月前という異例の時期の配置転換となったが「今は球数を投げて体を作っていくことしか考えてない。勝てるような投球をすることが一番です」と、チームの勝利を第一に考え調整を進めていく。

 「原監督にものすごく熱い言葉をいただいた。その言葉に結果として結びつけられるように、一生懸命やるだけです」と謙虚だった。

【巨人】先発転向・沢村が109球「体力に関しては問題ない」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 澤村選手はリリーフとして一軍帯同したものの、練習試合では失点続き。四球連発と悪い失点の仕方が多く、キャンプ打ち上げを前に二軍落ち。さらに先発転向が決定しました。ストレートは速いものの当てられてしまい、変化球で何とか空振りを取っている状況。その上コントロールはよくないため四球から崩れるという非常に悪印象な炎上を続けており、今の澤村選手は力みすぎているという判断からのようです。
 澤村選手の影に隠れていますが、鍬原選手も楽天・中日戦で失点しており、守護神候補としては微妙な状態。中日戦では5失点と大炎上しており、もともとKIA戦で145キロ以上出なければ二軍落ちを予定されていた選手であり、澤村選手先発再転向・マシソン選手がさらに遅れることとなっているため、勝ちパターン中継ぎを二種類用意し中継ぎ消耗を抑えるプランを予定している以上、守護神候補として鍬原選手は今結果が求められる立場となっています。宮本コーチはまた挽回機会を与える予定とのことです。
【野手について】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 最初は1軍帯同となった外野の若手候補の和田・松原選手。和田選手は岡本選手に続く右に大砲候補。松原選手は去年イースタン安打記録を更新し安打製造器として期待されましたが、途中で2軍降格となりました。この二人は決して守備が上手いわけではないため打撃が求められますが、併殺に三振とあまり良い結果とはいえませんでした。課題がはっきりしたので、今年は守備面を鍛える1年となります。
 

【新戦力について】

原監督は「思ったよりは投げられるなという印象。ただ、まだ彼には時間が必要」と慎重な姿勢。宮本投手総合コーチは1軍での登板について「5月くらいかな」と見立てを示した。28日の春季キャンプ打ち上げ後は、ファームで調整することが決まった。

巨人・岩隈 開幕間に合わず…宮本コーチ、一軍での登板は「5月くらいかな」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 岩隈選手はコンディション不良で離脱したりしながら投球にまではこぎつけましたが、開幕一軍起用はなしとなりました。
「岩隈塾」が臨時開講した。巨人岩隈久志投手(37=マリナーズ)が、若手投手へ金言を授けた。沖縄2次キャンプ第2クール初日の19日、3度目のブルペン入り。立った捕手へ35球を投じた後に、鍬原、大江、桜井、育成の坂本工の投球練習をチェック。捕手として練習を手伝っていた田口を含めて、5選手へ言葉をかけた。日米通算170勝を積み上げた経験を踏まえ、力感のないフォーム、変化球の握りなどのこつを惜しみなく伝授した。
 投球練習を終えると、真向かいで腕を振る鍬原の後ろに立った。数球に目を通し、笑顔で接近。カットボールの握り、腕の位置を伝え、1球1球助言を加えた。坂本工、大江、桜井の投球もチェック。最後は宮本投手総合コーチ、水野投手コーチと並び「やっていることをしっかりやっていけば、ちゃんと自分のものになると思う」と講義を締めた。
 最短で5月とのことですが、岩隈選手についてはコーチとしての役割も期待されており、若手投手にカットボール塾を開くなど効果も出ているようです。このため若手選手の多いファームに帯同してくれるのは理想でもあります。一軍投手がバテてくる夏に投げてくれればといったところ。
 

 ビヤヌエバ選手は守備についてはミスはあるものの無難といったところ。打撃は大振りタイプと思いきや、シェアな打撃をするタイプ。練習試合の内容は一長一短でではまだ評価はしきれないといったところ。

 丸選手はヒットこそ出ているものの、欲をいえばもっと長打を求めたい成績となっています。守備では好守を披露し、長年ついていなかったライトでも起用されました。なにより練習における周囲への影響がプラスに働いているのは思わぬ副産物です。

 炭谷選手は人的補償によりハードルが上がっている感は否めませんが、キャッチングに不安あり。それでも一軍帯同は確実となっています。小林選手・大城選手ともに疲れが出てくると守備面のエラーが増えるため、炭谷選手がどれだけ戦力として見込めるかが捕手起用の大きな鍵となります。

 中島選手については心もとない代打兼ファースト要員として獲得されました。腰の違和感で別調整はあったものの、練習試合では安打を記録。ただ打席数全体でみると安打はあまり出ておらず、不安の残る状態となっています。

 

【ファーム選手について】

【18年ドラフト組について】

 18年ドラフト高卒組は5位の松井選手と6位の戸郷選手。育成では平井選手を除く3名が実戦デビューしました。

◆巨人ファーム紅白戦 2軍 5―1 3軍=特別ルール=(16日・サンマリン宮崎) 巨人のドラフト5位・松井義弥内野手(18)=折尾愛真高=が16日、2軍対3軍の紅白戦に3軍の「5番・三塁」で出場。初打席で初安打を放ったが、守備では3失策と乱れ“ホロ苦”デビューとなった。 高校通算40発を放った打力をいきなり見せた。2回先頭で打席に立つと、アダメスの動く直球を捉え中前打。「高校で動く球を投げる投手はいなかった。それを、1軍で投げる投手から打てたのは良かったです」と振り返った。 一方、課題の守備では2回に1失策、5回には2失策を犯し大量4点を奪われた。「最初にエラーした後から負の連鎖じゃないですけど、ボールが来て慌ててしまった」と猛省。だが「紅白戦ですけど、プロの試合に出られた経験が収穫です」と前を向いた。【巨人】松井“ホロ苦”3失策デビュー…3軍「5番・三塁」で1安打 : スポーツ報知

 松井選手はサードで起用され安打を記録したものの、2・3軍紅白戦では守備ではエラーを連発。打撃では非凡なものがありますが、守備では時間がかかることが予想されるため、高校時代も起用されていた外野での起用を見たいところ。なにより今の巨人は内野より外野が不足しているため外野のほうが出場機会も狙えます。 

 戸郷選手はエネオス戦で実戦デビューし一回無失点。支配下高卒組では最速デビューとなっています。育成組では山下選手はレフト・ライトでも起用されています。本塁打数が注目された選手ですが、一番で起用されており俊足も武器としています。ライトとして見込めれば理想ですが、打撃と健大高崎で機動破壊野球を牽引した走塁技術を活かし、代打で出塁しそのままランナーとして投手を揺さぶる切り札としての起用も面白い選手。そのためにはとにかく打撃成績が求められます。 

 


【育成組は分かれる内容】

 

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   去年はリハビリに終わった堀岡選手がJR東日本相手に3回無失点。失策絡みで無死満塁を作ったものの、そこを無失点で切り抜けたようです。紅白戦でも2回無失点と結果を残しており、橋本選手に続く育成先発として期待されるようになっています。ただし抜け球が多く2軍昇格にはまだまだ時間がかかりそうです。
 また育成投手のなかで先発左腕として期待される橋本選手は同じくJR相手に2回無失点。スライダーのレベルアップを今後の課題としているようです。
 
 問題なのが山下亜文選手。ソフトバンクを戦力外となった後巨人のテストを受け獲得となりました。紅白戦では失策こそあったものの2回4失点。それも四球連発からの押し出し失点という非常に印象に悪い失点。JR東日本戦でも2失点しており、いくら育成とはいえ戦力外からの獲得であり、今年駄目なら1年でクビを切られる可能性のある選手です。
 
 さすがに全選手について触れるのは難しいので、良くも悪くも印象に残った選手についての振り返りとなりました。