読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

上原選手引退で発生した支配下64人問題。支配下されるのは山下・加藤・山川選手の誰か

引き締まった肉体のまま身を引いた。巨人上原浩治投手(44)が20日、都内のホテルで会見し、現役引退を表明。

異例のシーズン途中での引退に涙を流した。雑草魂で、日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手にまではい上がったレジェンド右腕が、栄光のマウンドに別れを告げた。

人目をはばからず涙を流した。上原が会見の冒頭で言葉を詰まらせた。「本日をもちまして、21年間の現役生活を終えたいなと思います」と一息ではき出すと約10秒間の沈黙で涙腺が決壊した。「これまで自分に関わってくれた人、方々に感謝したいと思います。ありがとうございました」。紺色のハンカチで涙を拭った。

常に1軍マウンドが主戦場だった。だが、今季は開幕から日米を股に掛けたベテランが、2軍暮らしを強いられた。昨年10月に左膝のクリーニング手術。開幕2週間前にフリー打撃で「去年とは比べものにならないぐらい良い状態」と手応えを強調した。体重は昨季の90キロ超から3、4キロ絞った。「食事は1日3食。酒も量は少ないけど毎日飲んでいるから、トレーニングじゃないですかね」と自認する経過は順調だった。

今季の1軍登板はオープン戦だけで、2軍戦は9試合で防御率4・00。1軍昇格には届かなかった。ただ肉体面は「20年前の体重と変わらない。体を軽くしたかった」とプロ4年目の最多勝を獲得した時期と重ねた。一方で今季で身を引くことは決まっていた。「最初から決めていたことなんで。3カ月が僕の中では勝負と思っていた」。設定した4月末までの1軍未昇格が決め手にもなったと明かした。

結果至上主義に反することはできなかった。体調、練習量はキープできたが「その状態の中で2軍戦で通用していなかったというのが、自分の中で気持ち的に後ろ向きになったのかなと思ってます」。打者との対戦の中で、衰えを潔く認めた。無名の浪人生からはい上がった21年間のプロ生活。反骨心を原動力として、雑草に大輪の花を咲かせた。

経過順調だった上原、2軍暮らしで定めた引退ライン - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 

【上原選手が引退し支配下数が64名に】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 上原選手が20日に引退。それに伴い支配下公示からも抹消されました。しかし話はこれで終わらず、実は上原選手が引退したことで支配下数が64名となりました。育成指名に参加するには7月31日時点で支配下数が65名となっている必要があるため、必然的に支配下数を1名増やす必要があります。

 巨人は毎年育成指名に参加しているため、どうやっても1名支配下を増やす必要があります。このため育成選手の中で山下選手・加藤選手・山川選手の3名のうちの誰かが支配下登録されるのではないかと話題になっています。ではこの3名の中で支配下の可能性が高いのは誰なのかを考えていきたいと思います。

 

【なぜこの3名なのか】

 そもそもなぜ山下・山川・加藤選手の3名が候補に挙がったのか。それは3名がある程度成績を残していることもありますが、この3名が現在の巨人の補強ポイントに合致していくこともあります。

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 現在の巨人の補強ポイントは先発・中継ぎ。野手であれば左打ちの長打のある外野手です。残念ながら現在の育成選手の中で支配下候補に挙がる成績を残している先発投手はいませんが、中継ぎでは9試合で起用され防御率1.88の成績を残している山川選手が候補として挙がりました。

 また左打ちの外野手として挙がったのが加藤・山下選手の2名。加藤選手は高卒3年目ながら丸フォームをアレンジし打撃開眼。33試合で110打数31安打3HRで打率.282と結果を残しています。また現在の巨人で不足しているライトを守れることも高評価のポイントとなっています。

 

 山下選手は高卒1年目ながら33試合で104打数31安打2HRで打率.298と結果を残しています。なにより104打数で三振が10のみと三振率の低さからも打撃能力の高さが表れており、左打者で長打が期待できる若手として支配下候補に挙がっています。

 

支配下の可能性があるのは?】

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 この3名の中で支配下の可能性がある選手ですが、まず山下選手ははずれます。山下選手はまだ育成1年目ということもあり体も出来上がっておらず、守備もまだ課題を残しています。今支配下にしても1軍では代打起用がメインとなってしまうため、中途半端に1軍帯同するならば2軍で守備機会を与えスタメンとして安定して起用できる能力を鍛えるべき段階です。また1年目ということもあり1年間戦い抜ける体力がどれほどあるかも未知数です。このため最終的にどれほどの成績を残せるかを確認する必要もあります。

 また山下選手が外れる理由はそれだけではなく、加藤・山川選手との育成年数の違いもあります。山下選手は1年目ですが、加藤・山川選手は今年で育成3年目となります。育成指名から3年経過した選手は飼い殺しを防ぐため自由契約にする必要があり、自由契約期間は他球団が契約することができます。このため今年支配下契約しなければ他球団に取られてしまう恐れがあり、山下選手に比べ支配下の優先度が上がっています。

 

【どちらもひっ迫するポジションの選手】

 ぎりぎりの状態である中継ぎを補強できる山川選手と、亀井選手の調子が落ちれば残るのは波の激しい陽選手のみとなるライトを守れる加藤選手。どちらも今年ひっ迫するポジションであり、どちらも支配下したいところです。

 いっそ17年のように1年間に複数名の支配下昇格の可能性もありますが、今年は引退・戦力外を含めても候補は4~6名程度。ここに助っ人外国人補強枠や支配下昇格枠を残すことを考慮すれば、2名とも支配下し66名とすると、ここ3年間で中堅層を一気に戦力外にしており、年齢面での引退選手も候補が減ってくるため2~3年後のドラフト指名数が苦しくなってきます。

 

 それでは何を見るかについてですが、ひっ迫している原因です。中継ぎのひっ迫している原因は候補数自体が少ないこともありますが、故障者が多くなっていることも原因となっています。守護神だったクック選手が肘の違和感で離脱し、マシソン選手もまだ2軍調整中です。谷岡選手もキャンプ以降情報がなく、今後1年投げられない可能性もあります。そしてリリーフとして期待された鍬原・桜井選手もピリッとしない状態が続いています。ただこれは今後状態が上がってくれば中継ぎ候補として計算できるようになることも意味しています。一方ライトの候補は故障者は先日復帰した和田恋選手くらいであり、故障していなくてもまだまだ時間がかかる状態です。このためそもそもの候補総数自体が少なく、現状から候補数が増えることもありません。

 このことから今後状態が上がってくれば候補が増える中継ぎに対し、増える見込みがないライトの外野手。どちらが優先すべきかは加藤選手となります。

 

【今後の動きについて】

 ひとまずすぐに支配下の可能性は低く、7月辺りまで様子を見ながら成績次第では2名支配下の可能性もあります。投手は酷使を防ぐためどうしても出場数を制限しなければならないため、より成績を参考に支配下を検討するには7月まで様子を見る必要があります。