<オープン戦:慶大11ー8ENEOS>◇11日◇ENEOSとどろきグラウンド
慶大が、都市対抗出場を決めているENEOSとのオープン戦を制し、現在開催中の東京6大学野球秋季リーグ戦に弾みをつけた。
プロ志望届を提出している瀬戸西純内野手(4年=慶応)は、3回表2死二塁から右前適時打を放ち勝利に貢献。その後の打席は3三振も「打席の球の見え方も良くなっている。今はドラフトよりも、チームが優勝するには何をすればいいかを考えたい」と前を向いた。
堀井哲也監督(58)は「空き週で社会人の胸を借りて、リーグ戦の次戦へ向け、いい材料ができた。中でも打線は集中打で得点できたのが大きい」と評価。中でも、アピールしたのは植田響介捕手(4年=高松商)だ。
1本塁打を含む4安打と活躍した。投手のリリースの瞬間をしっかりと見て目を離さないこと、体重が後ろに残さないよう、ボールにぶつかっていく感覚で体重移動をすることを意識。広角に打ち分け「最近、堀井監督から指導してもらった理論を実戦できている。自分でもビックリです。対応力がついてきました」と手応えをつかんだ。
高松商では、弟・理久都(3年=明大)とともに、16年春のセンバツに出場。史上初となる同一大会での兄弟アベック弾を放つなど躍動し、準優勝を果たした。「弟は今、試合に出ていて頑張っている。負けたくない。自分はベンチ入りはしても、秋はまだ1試合も出場していない。チャンスがあれば、負けないプレーをしたい」と強い気持ちを口にした。
ENEOSの大久保秀昭監督(51)は、昨年まで指導した慶大の選手たちとの対戦に「これくらい打って当然とは思うけど、打者のレベルは上がっている。リーグ戦の上位にいるチームだね」と温かいまなざしを向けた。チーム内での競争で、選手層を厚くする慶大。早大・早川投手攻略へ着実に力を増している。
【瀬戸西選手の紹介】
177センチ77キロ 右投げ左打ち
ポジション:ショート
守備力の高さで2年生からスタメンショートで起用されている左打ちの内野手。守備範囲の広さもさることながら、グラブさばきやスローイングの安定性も高く評価されており、早くから守備型内野手として注目されていました。
一方で打撃には物足りなさがあり8番で起用されることが多かったものの、4年になり打撃面のアピールができるようになっています。4年春には22打数8安打でそれまで0本だった本塁打を記録。打率.364を残しました。さらに秋のリーグでも本塁打を記録。課題だった長打面もアピールできています。
9月21日にプロ志望届を提出しています。
【指名への課題】
打撃面でのアピールの為に引っ張りを意識したスイングが多くなっています。ただインコースを引っ張ろうと意識しているためか、タイミングを取る際に体が外側に流れる癖があります。
このためスイングが不安定になり甘い球でないと引っ掛けたような当たりになってしまったり、アウトコースへの球が拾えず空振りとなっています。本塁打の当たりもインコースの低めを掬い上げた当たりであったため、インコースへのある程度対応できています。体が流れてしまうせいで外へ逃げる球に対応できないため、しっかり体を置いてスイングすることが今後の課題となります。
【指名順位予想】
守備評価は非常に高く、派手さはないものの高水準で実戦向きな守備をしています。一方で打撃は改善の余地が見られるものの、新たな課題が生まれています。
ただ社会人でより即戦力としての評価が高い三菱・中野選手とNTT・上川畑、さらに守備評価ならさらうえの小川選手がいるため、守備型ショートの優先順位が最優先ではないものの一人は確保しておきたい球団にとって獲得対象となります。このため指名順位は4~5位の下位指名評価となります。