読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2020年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  育成3位指名 敦賀気比高 笠島 尚樹選手 高卒右腕投手

 

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巨人から育成ドラフト3位指名を受けた敦賀気比高の笠島尚樹投手(17)が29日、福井市内のホテルで仮契約を結んだ。支度金300万円、年俸360万円(金額は推定)。背番号は「011」に決まった。

 「自分もこの世界に入るんだという自覚を感じられました。投球術であったり、全体的なレベルアップのことを頭に入れて、試合で結果が出せるようにということを考えています」と早期の支配下登録へ闘志をたぎらせた。

 背番号「011」には平成の大エース・斎藤雅樹さんのように、令和の大投手になってほしいとの球団の思いが込められている。制球力が武器の最速145キロ右腕は「まだ自分には全然想像がつかないというか。そういう立場ではないですけど、言っていただいた言葉に見合うような選手になりたいと思います」と意気込んだ。

【巨人】育成3位・敦賀気比高の笠島尚樹が仮契約 背番号は011 早期の支配下登録へ決意「試合で結果が出せるように」 : スポーツ報知

 

 

 【笠島選手の紹介】


【2020読売巨人 育成3位】笠島尚樹投手(敦賀気比)甲子園練習!

178センチ78キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジアップ

 

 セットからゆっくりと足を上げ、スリークォーターよりも下げた角度からの腕の振りから最速145キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。

 武器は大きく縦に変化するスライダー。少し浮き上がった後打者の手前で突然大きく落ちるため左右問わず強力な武器となっています。右に対しては若干外に逃げるカーブも有効な武器となっており、また140前後ながらコースに投げ込めるコントロールも武器。カット・チェンジともに制球良く投げ込めておりコントロールのよさをスカウトから高く評価されています。

 1年時から先発として登板。2年春には航空石川戦で9回自責点0の完投勝利を遂げ、甲子園での富島高校選でも完投勝利を達成し順調に上位候補として結果を残していました。さらに自粛期間にも総合的なレベルアップを図り体重を7キロ増やし78キロとなりました。

 しかしドラフトでの順位は育成指名。当初育成指名では入団しないと断りをいれていたものの、その後の交渉で入団を決意。育成3位にて入団する形となりました。

 

【なぜ指名されたのか】

 アピール年である3年生の全国大会がコロナで中止になったことでアピールの場が失われ指名順位が落ちてしまった例の一人。特に笠島選手は右腕のスリークォーターとはいえ球速があまり伸びておらず、また2年時に比べストレートのコントロールやスライダーの抜け球が増えていたため、3年になり伸び悩んでいる部分も見られました。

 

 しかしコントロールは才能と評されるように球速や変化球の変化量はプロ入り後にレベルアップできますが、制球はなかなか改善できません。大きくフォームを変えることで改善する例もありますが、それは指名時点では全く予見できるものではないため、笠島選手はこの制球が高く評価されています。ドラフト指名後の評価で「3年後のドラフト1位選手をとれた」とされた選手の一人である可能性が高く、先発・中継ぎともに底上げが必要である今、全国大会中止で指名優先度が落ちてしまった選手を育成で拾うことで早期の支配下が見込める大卒・独立リーグ選手乱獲による1~2年後の戦力整備でなく。4~5年後のチームの底上げを狙っています。

 

【1軍起用への課題】

 上記で書いた通り、2年時に比べ抜け球や制球が悪くなっています。ただ一時的に崩れているだけのためそこまで大きく心配する必要はないと思われますが、一番の課題は左に対して決め球がまだ少ないこととスケールの小ささです。右はスライダーとカーブがあり内に食い込む変化球があればなお良しですが、右はストレートを使えるためまだインアウトを使えます。

 

 しかし左に対してはインコースへのスライダーとストレートで攻めれていますが、アウトコースへのカットは平均的なもののため見逃しは奪えても空振りを奪えるキレはありません。ランナーがいる場面では盗塁への警戒からインコースに構えにくくなるため、チェンジアップの精度向上が先発としての課題となります。