先発を任されたルーキー右腕の長島 彰は、3回を投げて被安打7の3失点。有利なカウントに持ち込みながらも甘く入った球を弾き返される場面があったが、今後が楽しみな右サイドハンドだ。続いて4回からマウンドに登ったのは、187cmの長身から投げ下ろす梁川 匠。こちらも新人で、3回無安打と好結果を残した。三番手の川本祐大も無失点でつなぎ、8回からは鮫島優樹と國本剛志のベテランがバッテリーを組んでしっかりと締めた。
【長島選手の紹介】
178センチ76キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ
解禁年:2021年
セットポジションから大きく足を上げた後重心を落とし、そこから体をサード側に若干傾けながら横手投げの腕の振りで投げ込むフォームから最速140キロ越え、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。小さく変化するスライダーに30キロ近い落差で縦に落ちるカーブで空振りを奪っていきます。
武器は130後半ながら浮き上がってくるストレート。さらに左打者の膝元に斜めに変化するスライダーでも空振りを奪います。そしてインコースに対して意識させたところをアウトコースへのストレートで見逃しを奪うといった形で打ちとります。
チームでは主に中継ぎとして、時に先発としても起用。所属していた三菱重工広島が20年を持って野球チームを事実上廃部としたため、新たに編成された三菱重工EASTしています。まだ実績も少ないもののスライダーにキレのあるサイドスローとして期待される選手となります。
【指名への課題】
サイドスローにとって課題である左打者への対応についてはスライダーが武器となりますが、このスライダーの精度が甘く、真ん中にあまり変化せずいくことがそれなりにあります。あまり変化がなく球速も110キロ前後のため逆方向に打ち返されまたクイックになるとスライダーの精度がさらに悪化し、特に上半身の重心移動がさらにサード側に傾くため、スライダーの制御ができず当ててしまう場面もありました。
このため左打者のインコースに投げ込めなくなり、アウトコース一辺倒の攻めとなっています。またカーブも投げる際に明らかに腕の振りが緩くなっているため打者も反応せず、キャッチャーからはあまり要求されていませんでした。
【指名順位予想】
安定して使える球が無いのは中継ぎとして致命的となります。ストレートもコースに決めるコントロールはなく球威で攻めるタイプのため、コントロールよりも球速の向上と変化球の精度アップが今後の課題となります。
現状では計算できないため指名漏れが濃厚となります。スライダーの変化量自体は中々の魅力があるため、これを制御できるようになれば一気にドラフト候補になってきます。また現状の持ち球では絞り込みがしやすく決まったような球でないとしとめきれていないため、計算できる球がもっと増やすことも求められます。縦に落ちるツーシームやアウトコースを活かすシンカーを使えるようになれるのが理想です。