読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

再び育成再契約となった堀岡 隼人選手。中継ぎとして起用するための課題とは

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育成右腕の快投に思わず唸った。巨人の春季沖縄キャンプに参加中の桑田真澄投手チーフコーチ(53)と阿部慎之助作戦兼ディフェンスコーチ(42)が25日、ブルペン投球を行った育成右腕・堀岡隼人投手(23)を絶賛した。

 沖縄キャンプで最後のブルペン入りとなった堀岡は、制球力を確かめるメニュー「ライン出し」を取り入れながら、53球を投球。この日は制球力がさえわたり、10割の確率で所定のゾーンへの投球に成功する場面も見せ、球を受けたブルペン捕手からも「最高だよ!」、「ホリ、ライン出し得意になってきな!」と惜しみない賛辞を送られていた。

 普段は辛口な軍曹たちからも称賛の言葉が相次いだ。打席、そして捕手の後方と複数の視点からなめまわすように投球を見守っていた阿部コーチは、「100点っ!」と強く頷きながら絶賛。側で見守っていた桑田コーチも、力強く放った53球目の直球を見ると、満面の笑みを浮かべながら大きな拍手を送っていた。

 桑田コーチの口からは、春季キャンプを通じて目に付いた若手投手の一人としてピックアップされた堀岡。待望の支配下復帰に向けて、最高のアピールに成功した1か月となったようだ。

〝鬼軍曹〟阿部コーチも「100点!」とうなった育成・堀岡の投球 桑田コーチも喝采(東スポWeb) - Yahoo!ニュース

 

【堀岡選手の現状】


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 21年のオフに育成再契約となった堀岡選手。21年は2軍で43試合63(2/3)イニングを投げ2勝4敗防御率4.10と結果を残せておらず、ついに1軍登板0で終わっています。

 今年は紅白戦で1回4失点と大炎上したものの、17日のロッテ戦では1回無安打無失点2K。さらに8・9日のソフトバンク戦では2試合で1(1/3)回無安打1四球1失点と無失点好投を続けています。

 

【堀岡選手の武器】

 堀岡選手の武器は角度あるストレート。上半身を捻り角度をつけて投げ下ろすオーバースローのストレートで押していく投球スタイルが堀岡選手の武器となっています。

 平均球速は140~148キロとばらつきが目立つものの、特に右打者のインコースを突き内野フライで打ち取っています。

 

支配下復帰への課題】

【①:ストレート一辺倒からの脱却】

 

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 練習試合・オープン戦で登板した堀岡選手の投球内容がこちら。

・ストレート:34球(66.7%)

・フォーク:9球(17.6%)

・スライダー:4球(7.8%)

・チェンジ:3球(5.9%)

・カーブ:1球(2.0%)

 このようにストレートが6割越えというかなりのストレート頼りであることがわかります。同じくストレートが武器の堀田選手でもストレートは50%前後であるため、堀岡選手はパワータイプピッチャーの中でもストレートへの依存度が高く、打者はストレート待ちとなるため打者10人に対し奪三振は0と全く空振りが奪えていません。

 堀岡選手は中継ぎとして起用されることが多く、得点圏でランナーを抱えた場面での起用も想定されます。そのため三振以外許されない場面もあるため、三振が奪えないと中継ぎとしての起用パターンが限定され、戦力として計算しにくくなります。

 

 

【②:スライダーのキレ不足】

 堀岡選手の持ち球はスライダー・カーブ・チェンジ・フォークの4種。カーブは110キロ前後で緩急を感じさせる球ですが、パワーカーブのように強いブレーキが効いた球ではなく大きく変化するカーブでもないため、ミットの位置がある程度予想でき、2ストライクまでは追い込まれてもファールになりやすく、三振を奪う決め球にはなりません。

 フォークは真っ直ぐ落ちる球で見逃しを奪える球でないため、空振りも見逃しも奪える球として、オーバースローにとってスライダーは生命線となりますが、堀岡選手のスライダーは高め中心に行く上に抜け気味であまり変化しないため、左打者のインコースに投げてもほとんど落ちずに頭付近に抜けるため、左打者のインコースを攻められず外にチェンジアップにしっかり踏み込まれライナーを打たれています。

 特に堀岡選手は左打者のインコースへのフォークはほとんどがボールとなっておりアウトコース用の変化球となっているため、アウトコースを打とうと体を突っ込ませてくる左打者のインコースに投げられる球として、スライダーの精度アップは必須となります。

 

 

【⓷:右打者のストレート依存】

 堀岡選手はストレート依存が強いことを先に述べましたが、その傾向が特に強くなるのが右打者。ソフトバンク・井上選手に対しては8球全てがストレートであったように、右に対してはとにかくストレート押し。

 その原因の一つが②でスライダーの精度不足。アウトコースに投げたスライダーは指に引っかかり叩きつけるようなものであり、とても安定して投げられる球ではありませんでした。チェンジアップも落ちるかほとんど落ちない棒球になるかが5分5部の精度であるため、追い込んでから使える球ではありません。

 フォークも真っ直ぐ落ちるため、シュート気味にアウトコースに落ちていくフォークは左打者に比べ、右打者は球筋を見続けられることから、フォークも左打者ほど有効に使えていません。

 右投手であるにもかかわらず右打者に使えないとなれば起用の幅も狭まり戦力として計算しにくくなります。

 

【まとめ】

 ストレートPである堀田・鍬原選手が支配下に復帰した今、堀岡選手は人員整理の対象の一人です。編成は今年までの3年間は育成選手を多数獲得することを方針としており、若手であっても早めのセカンドライフを確立する必要があるとここ数年は20代中盤でも積極的に戦力外としています。

 このため堀岡選手は今年駄目であれば戦力外の可能性が高くなります。