読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

キレのある落ちる球で空振りを奪う 東日本国際大 大山 凌選手 大卒右腕投手

 南東北大学野球春季リーグ戦が8日、開幕する。昨秋は開幕戦以降戦線離脱していた東日本国際大のエース・大山凌投手(4年=白鴎大足利)が完全復帰。最速151キロ右腕が、冬場に磨いてきた多彩な変化球を生かしながら防御率0.00を目指し、目標のプロ入りへ猛アピールする。

 一回り成長した姿を約7か月ぶりのマウンドで披露する。大学ラストイヤーの幕開けに東日本国際大・大山は「昨年よりも下がってはいけないし、同じでもいけない。結果も内容も技術もすべての部分で成長を見せたいです」と意欲を示す。

 昨春は26イニングを投げリーグトップの防御率0.35をマークし、全日本大学野球選手権でも3試合に登板して4強入りに貢献。しかし昨秋は開幕戦以来、戦線離脱して登板はわずか6イニングにとどまった。それでも「とにかく焦らず自分を磨くチャンス」と前向きに捉えてレベルアップしてきた。

 最速151キロの直球に加え、特に鍛えたのは6種類の変化球だ。中でもスライダー系の「球速とキレを上げたかった」と握りを研究。球速は120キロ台後半から130キロ中盤に増し「抜ける感覚から指に掛かる感覚の方が増えた」と自分なりの正解を見つけ出した。バッテリーを組む播磨雄大主将(4年=埼玉栄)も「捕っていて精度も質も上がっているのを感じる」と手応えをつかんでいる。

 約7か月ぶりのマウンドに向け「自分を信じてやってきたことを出すだけ」と語る大山。目標のプロ入りに向けても勝負の春だけに「まだ取ったことがないので達成したい」と、目指すは防御率0.00。「リーグ戦はもちろん全勝したい。先を見すぎず、まずは目の前の一戦にしっかり集中して戦って、全国大会に行きたい」と意気込むエース右腕が完全復活ののろしを上げる。

【大学野球】東日本国際大エース大山が最終年に完全復帰…南東北大学野球春季リーグ8日開幕 : スポーツ報知

 

【大山選手の紹介】


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180センチ80キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・カット・ツーシーム・スプリット

 

 ノーワインドアップから足を上げた後タメを作り、そこからオーバースローよりも低い角度から投げ込む力強い腕の振りから最速153キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ後半のスライダー、110キロ台のカーブ、130キロ台のチェンジアップ、130キロ台のカットボール、140キロ台のツーシームを投げ込んでいきます。

 武器は先発でも140後半を記録する浮き上がるストレートに大きく縦に落ちるスライダーのコンビネーション。左打者には外に大きく逃げるチェンジアップやフォークのように鋭く落ちるスライダーで空振りを奪い、右打者にはアウトコースへのストレートとスライダー・カーブで打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。3年秋のリーグ開幕で肘を故障し長期離脱。しかし離脱期間に武器であるスライダーの精度アップにつとめ、球速アップと抜け球が減り、復帰した4年春のリーグでは6試合を投げ32イニング3勝0敗2失点防御率0.56という圧倒的な成績を残しリーグ優勝に貢献しました。

 鋭い変化球とストレートを武器に押しているパワー右腕として注目されています。

 

【指名への課題】

 課題は右に対する変化球の少なさ。大山選手のストレートは高めにシュート回転することが多く、左に対してはちょうど腕が伸びる高さに向かって抜けていくため左打者の誘い球として使えていますが、右に対しては頭部付近のインハイになるためしっかりと投げ込めておらず、アウトコース中心に球速を抑えた制球重視の140~145のストレートになることが多いため、左に比べストレートの球威が落ちています。右に対しては厳しいゾーンに投げざるを得ないため、どうしてもボール先行の苦しい投球となっています。

 

 またチェンジアップも右打者に向かって大きく変化するため死球のリスクがあることから膝元への変化球としては使えず、アウトコースへのスライダーとストレートに頼るしかなく、右打者にスライダーを狙われ上手く投げ込めたスライダーを拾われていました。

 このため1割の被打率で抑え込めている左に比べ、右は3割以上打たれており、右に対するインコースの攻めが課題となります。

 

【指名順位予想】

 持ち球であるスライダーはカウントを整える弧を描くタイプとフォークのように一気に落ちる2種類を持っており、先発ながらストレートも140後半から150キロを出せるため、一定の評価を得ています。

 今後は右打者に対するストレートのコントロールアップを図り、変化の小さいツーシームやスプリット系で右打者を引っかけさせられる投球もできれば先発として安定して起用できます。右に比べ左は抜けても打者から大きく逃げていく抜け球になるため痛打にはならない一方、右打者は高めの打ち頃の高さに抜けるため被打率が悪化しています。

 

 現状ではスタミナが落ちてストレートやスライダーが抜けてくると右に対して苦労しているため、3~4位の持ち球評価の裏ローテ候補、もしくは中継ぎとしての獲得となります。右に対する被打率が2割台になれば2位評価となります。