読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

ストレートは1軍クラスと評される堀田賢慎選手。変化球を分析したうえでの今後の課題について

 

巨人や米大リーグ、レッドソックスなどで活躍した上原浩治氏(46)と西武やレ軍などで活躍した松坂大輔氏(41)が28日、東京都内で3月1日から放送される「スカパー! プロ野球セット」のCM発表会に参加した。

両氏は2月のプロ野球キャンプを取材しており、今季の注目選手として上原氏はヤクルトの金久保優斗投手(22)を指名。「フォークボールの質問をしてきたんです。こればかりはやってみないと分からないけど、注目しています。握り方やリリースのときの指の感覚とか。プロの話をしてきました」と明かした。

いっぽうで松坂氏は巨人の育成右腕、堀田賢慎投手(20)の名前を挙げた。「キャンプで見たのですが、ストレートに関しては1軍クラスだと思いました。今は育成選手ですが、故障さえなければ早く(支配下登録へ)上がってくるのでは」と評価した。

松坂大輔氏の注目選手は巨人・堀田、上原浩治氏はヤクルト・金久保に期待 - サンスポ

 

【ストレートは多くの打者を圧倒】


www.youtube.com

 紅白戦では1回完全。楽天戦では2回1失点3奪三振と着実にステップを積んでいる堀田選手。その中でも多くのコーチや解説者が絶賛するのがストレート。常時140後半の角度あるストレートは非常に重みがあり、杉内コーチが「真っすぐであれだけ空振りを取れる投手は久々に見たし、これからも順調に成長してほしい」と評し、松坂氏も「ストレートに関しては1軍クラスだと思いました」と語っています。

 一方で変化球についてはまだ精度に課題があると語られており、桑田コーチからもカーブを指導されておりカーブの精度アップにつとめています。先発として計算するにはストレートだけでなく変化球が使えることも不可欠。それでは堀田選手が投げ込んだ球種の割合から堀田選手の変化球の課題を上げていきます。

 

【変化球の持ち球と使い分けについて】

 堀田選手の持ち球はスライダー・カーブ・チェンジアップ。割合としてはスライダー・チェンジ・カーブの順で投げ込んでいます。その中でも武器となっているのがスライダーであり、縦の変化でストライクゾーンにも落ちる球としても使え、見逃し・空振りを両方獲れる武器として使っています。

 チェンジアップはストレートと同じ腕の振りで、左打者の外に逃げていき、左打者から抜いたような球となっています。そのため左に対してはストレートとスライダーでカウントを整え、仕留める球としてチェンジを使い、右に対してはストレートとスライダーを中心に投げています。

 しかし楽天戦では2回を投げたものの、投げた球はスライダー・チェンジが中心で。カーブは和田選手に投げた1球のみとなっています。

 

 

【左右別球種から見る課題】

f:id:okimono:20220302210454p:plain

 上記画像は楽天・西武戦で堀田選手が左打者に対し投げた球種の割合となります。

 球種としてはチェンジ・スライダー・カーブの順で投げ込んでおり、左に対してはチェンジアップを決め球に使っていることが分かります。

 堀田選手のチェンジは外にまっすぐ逃げていきストレートと同じ軌道のため、左打者はストレートを狙いに行き空振りを奪われていました。しかし2巡目からが課題となり、打者はチェンジアップのタイミングを把握するために1巡目ほど空振りをしなくなるうえ、スタミナが減り抜け球が増えてくると、外に逃げるチェンジアップは130後半の真ん中に吸い込まれる棒球となるため、左打者にとって絶好球となり痛打されていました。

 左については使える変化球がスライダー・チェンジのみでチェンジは変化量が少なく抜けると危険な球種の為、対左の変化球開発が課題となります。

f:id:okimono:20220302213109p:plain

 対して右の変化球がこちら。右に対してはスライダー・カーブ・チェンジの順。左打者に比べても変化球の割合が高く、アウトコースにはスライダー・カーブ、インコースにはストレートとチェンジで攻め立てています。また右は精度はまだあるもののカーブを投げ込めるため、緩急を意識させ打者に思い通りのスイングをさせない耐久が出来ています。

 

 

【今後の課題】

 課題の一つは対左の変化球の開発。オーバースローは縦回転の変化球が投げやすいため、縦スラやカーブ、フォークが投げやすい球種とされています。しかし堀田選手はTJ明けであるためあまり負担はかけてはいけないと佐々木氏からフォークを止められています。

 トミージョン後なじむまでには3年はかかるとされており、堀田選手がトミージョンをしたのは20年の4月であるため、理論通りであれば来年にようやくなじむこととなります。そのためそこまではカーブの精度アップをメインに、あくまで今持つ3球種を投げ込んでいき、来年にフォークを解禁するのが一つ。

 またオーバースローで他に投げられる球種の一つがカットボール。堀田選手の課題の一つである対左のインコースを攻める球であり、貴重な引っ掛けさせる球種の一つとなります。

 堀田選手は球種で勝負するタイプでなく、ストレートで押していきながら変化球でカウントを整えたり、ストレートを見せ球に三振を奪う変化球が投球スタイルとなるため、あまり球種は必要なく、その分精度が必要となります。まだカーブはばらつきが大きいため、右に対してはカーブの精度アップ。左に対してはカットを覚えるか、フォークを解禁するかが選択肢となります。