読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

落ちる球に力あるストレートが魅力 青山学院大 下村 海翔選手 大卒右腕投手

報知新聞社後援 第72回全日本大学野球選手権 ▽2回戦 青山学院大5―1国際武道大(6日・東京ドーム)

 V候補の一角・青学大(東都大学)は最速153キロを誇るドラフト上位候補右腕・下村海翔(4年)が国際武道大(千葉県大学)を相手に6回4安打1失点と好投。チームを初戦突破とベスト8に導いた。ネット裏で視察した巨人・桑田真澄ファーム総監督(55)も将来性に太鼓判を押した。

 納得がいかない。こんなもんじゃない。初の全国デビュー後、下村の口から飛び出たのは反省の弁だった。6回1失点でチームを勝利に導いたにもかかわらず、高い理想ゆえに、悔しさばかりが口から出た。

 「全然、力を発揮できなかったです。初の全国ということで、緊張は想像していましたが、足が震えるぐらいでした。期待をプレッシャーに感じてしまった」

 言葉とは裏腹に、堂々の投球だった。最速151キロと直球が走り、相手打者の反応から得意のスライダーを狙っていると察知。リーグ戦で封印していたフォークを落とし、空振りを奪った。だが、力みから3回の投球時、中指に血まめができた。「気にしてしまい、バランスを崩した。爪が割れたり、足がつりそうになったりと、普段にはない疲労感がありました」。それでも堅固に試合をつくり、リードを許さなかった。悪いなりに抑えるという、先発の任務をしっかりと全うした。

 東京Dのマウンドは憧れの地だった。兵庫・宝塚ボーイズ時代、ジャイアンカップの開会式で初めて訪れ、「ここで投げたいな」と思った。この日、夢はかなった。「やっぱりすごい。これが全国かと。めちゃくちゃうれしかった」。力が入るのも無理はなかった。

 ネット裏からは大勢のスカウト陣が力投を見届けた。その中に、普段は見慣れない姿があった。桑田ファーム総監督だ。下村とは同じ身長174センチ。「一緒ぐらいだと思う」と自身になぞらえた上で、印象を語った。「非常にいいですね。球質もいいですし、マウンドさばきもいい。バネがあって、非常に楽しみな投手だと思いますよ」。成長著しい逸材へ熱視線を注ぎ続けた。

 下村は言う。「注目される舞台で投げられるのは幸せなこと。でも、個人の結果よりは勝たせる投球を、と思ってやっています。そこを評価していただけたら」。今は日本一しか欲しくない。ただ栄冠のために、右腕を振る

【大学選手権】青学大の右腕・下村海翔を巨人・桑田真澄ファーム総監督が視察「非常にいいですね」将来性を絶賛 : スポーツ報知

 

【下村選手の紹介】


www.youtube.com

174センチ73キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・フォーク・カット

 

 セットからタメを作らずリズムのよい動きでオーバースローの角度から投げ込むフォームから最速153キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120後半の縦のスライダー、100キロ台のカーブ、130キロ台のチェンジアップ、130キロ台のフォーク、130キロ後半のカットボールを投げ込んでいきます。

 武器は力あるストレートとフォークのコンビネーション。150キロを記録する球威あるストレートを中心に落差のあるフォークで空振りを奪います。他にもカーブで打者のタイミングを外し、左打者に食い込むチェンジアップで詰まらせるなど、どの球種も安定して投げられる総合力の高さも武器となっています。

 チームでは主に先発で起用。同級生の常広羽也選手とともに2枚看板としてチームを牽引。4年春は5試合を投げ3勝0敗とリーグ優勝に大きく貢献しました。

 1年生のころに右ひじのクリーニング・軟骨再生手術を実施。リハビリに1年を要するも、その間に体づくりに励み体力を強化。すでに多くのスカウトが注目しており、本人も進路をプロ一本に絞っており、即戦力として期待されます。

 

【指名への課題】

 課題は対右の変化球の精度。下村選手の持ち球の中で精度が高く安定しているのがカット・フォークの2球種。この2球種は左打者のインコースに投げ込むことが多く、この2球種とストレートを組み合わせ左打者を効果的に打ち取れており、対左の被打率は1割と抑え込めています。

 しかし右に対して投げ込むカーブはばらつきが目立ち、スライダーは他の変化球に比べるとカウントを整える球として使われることが多く、抜け球や甘いコースも目立ち決め球としては精度に課題を持っています。このためストレートやフォーク・カットといった速球系の球の割合が多く、打者はカーブに対してはあまり手を出さないため、打ち取ってはいるもののタイミングが合っており、ストレートの球速が出ないときや落ちてくるとストレートの割合が多く変化球が外に外れやすい右打者から痛打されています。

 

 

【指名順位予想】

 ストレートと使い分けるカーブ・スライダー系の精度にまだ課題があるため、ストレートで押していける中継ぎ向きの選手。カット・フォーク系の決め球を持っていることからも、スタミナを考えなければならず出力が落ちる先発よりも、短いイニングを全力で投げ抜く中継ぎのほうが計算しやすい選手となっています。 

 先発でも140後半を出せることから中継ぎであれば150前後を期待でき、左に使える中継ぎが不足している球団にとっては欲しい選手となります。ただし、まだ右に対してはストレート依存の傾向が強いため、即戦力中継ぎ候補ですが3~4位が指名順位となります。今後スライダーの精度が上がれば2位指名候補となってきます。