読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

わずか四死球2つの制球力が武器 富士大 中岡 大河選手 大卒右腕投手

◆北東北大学野球春季リーグ▽1回戦 富士大10-2青森中央学院大=7回コールド(15日・花巻球場)

 北東北大学野球春季リーグが開幕し、3試合を行った。富士大はエース右腕の中岡大河(4年=広島商)が、スカウト陣が見つめる中で7回2失点の力投。青森中央学院大に10―2で7回コールド勝ちし、2季ぶりの優勝へ白星発進した。

 重圧を表情に出すことなく、富士大・中岡がテンポのいい投球で開幕戦勝利を呼び込んだ。リーグ戦先発経験はあるがカード初戦となる第1戦は初めてで、試合後は「緊張しました…」と明かしたが、2回まで7得点と打線の援護を受けて好投。7回を投げて6安打7奪三振2失点(自責1)に「要所要所をしっかり抑えられたのがよかった」と振り返った。

 140キロを超える直球を軸にスライダー、カットボール、チェンジアップなど多彩な変化球を併せ持つ。2年時の冬場はあまりボールを持たず基礎体力向上に努めたが、昨冬は投げ込みを多く取り入れてスタミナアップや投球感覚を磨いてきた。この日は自己最速にあと3キロと迫る147キロを計測も、「(球速を)出そうというより、しっかり腕を振れたから出たと思う」。球速にこだわらず、力強い投球をみせた。

 観客席には6球団のスカウトが集まり、中岡の投球を見つめた。広島・近藤芳久スカウトは「変化球の球種が多いし、どの球種でもストライクが取れるのはいい」、ロッテ・柳沼強スカウトは「球種が多いのは指先の感覚がいいから。直球もキレで勝負するタイプ」、巨人・円谷英俊スカウトは「しなやかだし、器用な投手。直球も力を入れて140キロ台後半が出る」と軒並み高評価。最高気温が15度で試合時は10~12度ほどと肌寒いなかでの投球だっただけに、これからさらに調子は上がっていくはずだ。

 今後も第1戦の先発を任されることが濃厚だ。「責任を感じながら、チームが勝つ投球を続けていきたい」と中岡は意気込み十分。現日本ハム・金村尚真投手(22)の後を継ぐ立場として、2季ぶり38度目の優勝までチームを引っ張っていく。(有吉 広紀)

【大学野球】2季ぶり優勝へ富士大が好発進 エース右腕・中岡大河が7回7奪三振 6球団スカウトの前で…北東北大学野球春季リーグ開幕 : スポーツ報知

 

【中岡選手の紹介】


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177センチ71キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・カット・シンカー・ツーシーム

 

 ワインドアップからスリークォーターの角度で柔らかい腕の振りを活かしたフォームから最速150キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。130キロ台のスライダー、100キロ台のカーブ、140キロ台のカットボール、140キロ台のチェンジアップを投げ込んでいきます。

 チームでは主に先発で起用。4年春のリーグでは5試合36イニングに登板しながら四死球はわずか2つと高い制球力を武器にチームをリーグ優勝に導きました。

 広島商時代は最速138キロとあまり注目される存在ではなく、富士大入学後も2年生まではわずか2試合の登板にとどまるも、1年先輩の金村選手(22年日ハム2位)を抑え防御率0.00で最優秀防御率を取ったことでプロへの意識が芽生え、3年冬に投げ込みを行いスタミナとコントロールをアップ。多くのスカウトに注目される存在となりました。

 2年連続指名が期待される右腕としてさらなる活躍が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題は決まった決め球がないために失投が長打に繋がりやすいことです。中岡選手はどの変化球もある程度コントロールできており、ストレートとの球速差が10キロ前後であるため、低めに集め狙い球を絞らせない投球が武器となっています。しかし中岡選手のフォームはあまり角度があるタイプでなく、低めを意識させるフォーム。そのためストレートを見せ球にするチェンジアップやカットも低めを意識した投球となっており、この2球種は大きく落ちる球でないことも低めに意識して投げなければならない要因となっています。

 このため低め低めに投げようとするためにボールになりやすいことや、抜け球が真ん中に抜けやすいためこれが絶好球として狙われやすいことが課題。決まった決め球がないため2ストライク以降に苦労しており、まとまったタイプですが物足りなさが残っています。

 

 

【指名順位予想】

 全日本では3試合に登板するも、7(1/3)回で自責点6点。防御率も7点台と一つの基準である全国大会では結果を残せませんでした。即戦力となるにはまとまった総合型であるゆえに出力不足な点が否めず、決まった決め球がないため少しでも抜けてしまうと振ってもらえず、140前半のストレートを見慣れているチーム相手では決め球に苦労しています。

 大学に入ってから大きく伸びた選手であるため、社会人に進みそこでもう一ランクアップして即戦力を狙いたい選手。現状では即戦力でなく決め球にも欠けるため中継ぎにも向いていない選手であることから、6~8位候補となります。指名するならば3~4年後の即戦力を青田買いする枠となります。