読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

17年ドラフト1位・鍬原 拓也選手が新守護神になれるのか?二つの問題も

 

巨人は11日、宮崎秋季キャンプの第3クール2日目を行った。原辰徳監督(60)がブルペンを視察。来季2年目のドラフト1位右腕・鍬原拓也投手(22)=中大=の投球を見守り、「彼が抑えをやったらおもしろいよ」と、将来の守護神候補に“指名”し、期待度の高さを示した。

 ドラ1の素質、可能性に原監督が大きな期待を寄せた。鍬原の投球に熱視線を送り「彼が抑えをやったらおもしろいよ。ニュージェネレーションだね」と将来的には抑えを任せられる存在であることを明かした。

 「彼も挑戦状を持った状態で、春は戦える一人でしょう。後ろになるのかどうなるのかというのは、われわれがそれは決める。どういうところでも挑戦状を持った状態で来られるような気がしますね」

 期待の表れだ。鍬原はルーキーイヤーの今季、すべて先発で6試合に登板し1勝2敗、防御率6・83と悔しいシーズンに終わった。それでも、指揮官は最速152キロの直球に決め球のシンカーなど奪三振能力の高い右腕に注目した。

巨人・原監督が将来の守護神・鍬原に期待!上原、沢村に続く転向プラン (1/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

 

 

 

【新守護神候補として鍬原選手の名前が挙がる】

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引用:読売巨人軍公式サイト

 18年巨人が優勝を逃した原因が中継ぎ陣の崩壊。特にリリーフが固定できずリードしていた試合だったにもかかわらず、リリーフが打ち込まれ逆転負けという試合が何度も見られました。

 当初守護神だったカミネロ選手は制球が定まらず中継ぎとしてすら計算できず、澤村選手も序盤は安定していたものの、後半から乱丁。マシソン選手も故障で離脱といった具合となり、クローザーの日替わりが優勝を逃した大きな理由の一つでした。

 本人希望により澤村選手は来年も中継ぎ起用となりましたが、その中でクローザー候補に挙がったのが鍬原選手。先発ではあまり結果を残せなかったものの、フェニックスリーグではクローザーとして起用され結果を残しており、MLBエキシビジョンでも9回を無安打で抑え原監督も守護神候補として期待しています。

 【高い奪三振率が評価される】

 鍬原選手がクローザー候補として挙げられた理由が高い奪三振率。先発であれば球数の問題上、打たせて取る投球術はイニングイーターとして非常に重要な要素となります。一方で打たせて取る投球術はゴロを量産するため、コースによってヒットになることもあります。先発であればまだ取り返せますが、リリーフの場合ランナーが一人でるだけで試合の流れは大きく変わってしまいます。またリリーフの場合先発がピンチを招きランナーが貯まった場面で登板することもあり、場合によって1アウト三塁二塁といったゴロや外野フライも許されない場面もあり、三振以外許されないなんてこともあります。このためリリーフでは奪三振率が求められますが、鍬原選手の奪三振率は脅威の11.39という高さを誇っており、リリーフとしての必要な要素を持っています。

【さらにカットボール習得を目指す】

 現在の鍬原選手の武器は高い奪三振率を生み出す力あるストレートとシンカー。オフにはさらにカットボールの習得を目指しています。

巨人鍬原拓也投手(22)が“ニュー・ジェネレーション”を狙う。宮崎秋季キャンプの11日、原監督の熱視線を受けながらブルペンで投げ込んだ。直球中心で習得中のカットボールも披露。同監督を「抑えをやったら面白いかもな」とうならせ、近未来像を描かせた。鍬原も「先発とは違う緊張感がある。可能性を広げる意味でもやってみたい」と気合十分だ。

巨人鍬原、次世代筆頭へ カット磨き「抑え」目指す - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

  カットボールはストレートと似た軌道ながら小さく横に動く変化球。巨人では人的保証で移籍した高木勇人選手や、上原、内海選手などが武器として使用しています。カットボールは本来ストレートを狙った打者の芯をはずす目的のゴロを生み出すためのボールですが、ストレートを印象付けた相手に対し、微妙にはずれボールと思い見逃したら小さく変化してゾーンに入る、そんな見逃しを奪える球でもあります。カットボールはストレートが武器の選手だとより活きる球となりますが、詰まらせる球の分コントロールが求められる球でもあり、制球に課題のある鍬原選手だとどうなるかは期待半分不安半分といったところ。

【リリーフ起用での課題】

【①:クイックの問題】

  鍬原選手の兼ねてからの課題がクイック。クイックになるとコントロールが大きく乱れるため、ランナーが出ると四球を連発しそこから崩れるといったことが多く、先発時の失点は多くがこの流れでした。

  ならば短いイニングのリリーフなら問題ないかと言われればそのようなことはなく、ランナーがいる場面で出せないということは回途中での登板が出来ないということになります。順調にいって9回頭から登板できるなら問題ありませんが、先発が8回途中で崩れ、ランナーがいる場面で火消しとして登板することが求められれば、クイックで投げる必要が出てくるため、クイックに課題がある鍬原選手はリリーフとしても起用に縛りが出てしまいます。

 

【②:肘故障のリスク】

  中継ぎは登板頻度が多いため先発に比べると消耗が激しいポジション。このため中継ぎで10年以上投げれる選手は数えるほどしかおりません。

  そして鍬原選手は入団時に肘の故障で早期リハビリ組となり、回復までに3ヶ月近くを要しました。その上8月にも故障で離脱しており、この1年での投手としての評価は、あまり丈夫ではないというとです。

巨人ドラフト1位の鍬原拓也投手(22)が左脇腹痛のため2軍の戦列から外れた。22日から3軍でリハビリ調整中。23日も室内練習場のウエートルームでのメニューに終始した。

右肘痛で1月の新人合同自主トレから別メニュー。5月31日の日本ハム戦で1軍デビューし、6月14日のソフトバンク戦でプロ初勝利をマークしたが、不調により7月12日に登録を抹消され、2軍再調整を続けていた。ここまで6試合に登板し1勝2敗、防御率6・83。

巨人ドラ1鍬原、2軍から離脱 左脇腹痛を発症 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 これが疲労の溜まりやすい中継ぎではさらなる離脱の可能性もあり、巨人の中継ぎ層の薄さを鑑みれば一人辺りの負担量はさらに大きくなります。このため離脱のリスクはさらに上昇します。

 

【どの中継ぎポジションとなるのか】

  一概に中継ぎといっても、先発が早々に降板したさいの緊急登板や敗戦処理を担うロングリリーフ。7~8回を任されるセットアッパー。そして試合を締めるクローザーがあります。

  鍬本選手の場合、クイックに課題がある以上、イニングの長いロングリリーフ、そして火消しのためにランナーがいる場面でも登板することが多いセットアッパーも外れます。このため起用ポジションは9回頭から起用されることの多いクローザー。しかしリリーフ起用1年目となる選手をいきなりクローザーとするのはなかなか勇気がいる起用となります。澤村選手が来季もリリーフ起用を希望しており、カミネロ選手が退団しマシソン選手も年齢的に起用に限界が出てくるため、クローザー候補の外国人を獲得する可能性があります。このため最初は終盤の畠選手の起用のように、7~8回の頭で起用し実績を積んでいく形となります。