読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

楽天・高梨選手とのトレードが与える巨人ドラフトへの影響は

 

f:id:okimono:20200419215438p:plain

巨人の4年目右腕、高田萌生投手(22)と楽天サイドスロー左腕、高梨雄平投手(28)のトレードが合意に達したことが14日、分かった。巨人と楽天のトレードは、ゼラス・ウィーラー内野手(33)と池田駿投手(27)に続く今季2例目になる。

現在10勝7敗でリーグ2位の巨人にとって、サイドスロー左腕はチームに不在の希少なタイプ。守護神デラロサが左脇腹肉離れで離脱中で、ブルペン強化はチームの課題に挙がっていた。代役の抑えは沢村を中心として中川、大竹、高木らで乗り切る方針。1軍のリリーフ左腕は中川、高木、藤岡の3人で、高梨が加入すれば大きな戦力になる。

侍ジャパン入りした経験もある高梨は、18年には70試合に登板するなど、3年間で計164試合に登板した実績を持つ。背番号は「53」。9月に13連戦、10月には10連戦などシーズン後半はさらなる過密日程が予定され、経験豊富な左腕への期待は大きい。

パ・リーグ首位の楽天にとっては、チームの課題に挙がる先発候補の補強になる。22歳と若い高田は巨人でも将来を嘱望されていた右腕。創志学園(岡山)時代は「松坂2世」と称され、1軍経験は18年1試合、19年2試合と多くはないが、最速154キロの直球は将来性十分。両球団の思惑が合致した。

巨人高田萌生と楽天高梨雄平がトレード 今季2例目 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 

 【高梨選手を獲得したことによる影響】

 高梨選手の獲得は今年の過密日程による中継ぎへの負担増を懸念したリスク管理。さらに中川・高木・藤岡選手が左の中継ぎで登板しているものの、戸根選手が相次ぐ故障で戦力として計算できず、一人離脱した際に運用の見通しがたたなくなることも理由の一つとなっています。

   高梨選手は今年制球に苦慮しており、高年俸でコストカットをしたち思惑もあり、若手とトレードされました。ただし期待されているのは今年戦力になることであり、2軍で投げさせる要員ではありません。

 このため一軍即戦力でなく素材型を二軍で登板させていくために獲得する可能性はありますが、現在支配下枠は69名となっており、トレードやここ3年の戦力外で中堅をかなり出しているためあまり枠にも余裕はなく、支配下は取れても5〜6名。さらに右の中継ぎが不足していることには変わりないため、

【高田選手がいなくなったことの影響】


【巨人vs中日 練習試合】高田萌生 151キロ 2回4奪三振無失点の好投 2020年2月19日

 高田選手は1軍起用経験こそあったものの、変化球が高めに抜けやすく、クイックになると球速が落ちて打ち込まれるという課題があり、1軍戦力とはなっていませんでした。

 一方で2軍では表ローテで安定した成績を残しており、今年で4年目となり今後さらなる成長が期待されていました。ただ今年は3軍に落ちており、抱えていた課題もなかなか改善されず、期待こそされていたものの、燻っている選手の一人でもありました。

 このため巨人は2軍の先発ローテであり、将来的な先発候補を失ったことになります。また巨人はここ2年で高卒投手を数多くとっている一方、15~19年でとった大卒・社会人投手で残っている選手は桜井・中川・畠・谷岡・鍬原・高橋・太田選手のみ。このためファーム先発に余裕はあるものの1軍に上げれる候補の選手が少なく、戸郷選手こそ2年目ながら1軍戦力ですがそれは異例の出世であり、本来高卒投手は4~5年は最低でも時間がかかります。また右の中継ぎも不足しており、高田選手は古川選手とともに中継ぎとしても考えられていた選手でした。2軍でも右の中継ぎは田原・沼田・古川・堀岡・田中豊選手の登板に偏っており、中継ぎ不足が2軍中継ぎの負担増にもつながっています。

 

 高田選手がいなくなったことで1軍に上げられる候補の選手がいなくなっており、高梨選手はあくまで左の中継ぎ。1軍先発・中継ぎが充実しているなら高田選手のトレードも問題ありませんが、どちらももぎりぎりであるため、今季のドラフトでは先発もしくは中継ぎとして最低計算できる投手を一人獲得する必要があります。

 また支配下枠は69名でドラフトの為に空ける必要がある一方、戦力外候補の選手があまりおらず、阿部監督の若手優先起用の方針で1軍経験のある中堅選手の出場機会は減らされています。

 このため若手の出場機会のために中堅野手を駒に燻っている中継ぎをトレードで獲得する可能性があります。

【まとめ】

①左は即戦力でなく、2軍で投げさせる要員で育成でも獲得の可能性あり

②右の中継ぎはさらに不足。ドラフトで即戦力の確保、さらに2軍も不足しているため、他球団で燻っている中継ぎを野手とのトレードで獲得する可能性あり。