<高校野球熊本大会:有明7-0ルーテル学院>◇15日◇2回戦◇リブワーク藤崎台
熊本大会で、春夏通じ初の甲子園出場を狙う有明が、7-0の8回コールドでルーテル学院を下し初戦を突破した。
二刀流のエンゼルス大谷に憧れる「肥後の大谷」こと、最速148キロ右腕、浅田将汰(そうた)投手(3年)が、8回3安打無得点、7奪三振で完投。4番を務める打撃では2打数無安打ながら、敬遠気味に2四球と高校通算28本塁打の貫禄を見せた。
内全12球団が注目する九州NO・1右腕の浅田が、自慢の剛球でルーテル学院をねじ伏せた。「球速以上に伸びる真っすぐを意識している。初回から真っすぐでいくと決めていた」。1回の先頭打者からこの日最速となる146キロなど直球主体にエンジン全開だ。
新球フォークボールは封印したまま。「タイミングが合って来たのでスライダーも投げた」と4回途中からチェンジアップなども交え翻弄(ほんろう)した。「抑えればなんとかしてくれると信じて投げた」と粘投し、終盤の8回コールド勝ちを呼び込んだ。密着マークする日本ハムをはじめヤクルト、中日、DeNA、広島、オリックスなどのスカウトが見守った。中日三瀬スカウトは「持ち味の直球を前面に、出し惜しみせず投げていた。いいものがある。まだ荒削りですが体の強さがあるので楽しみです。九州、沖縄では、浅田投手と興南の宮城投手が抜けている」とさらに評価を高めた。
【浅田選手の紹介】
181センチ84キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カットボール・チェンジアップ
セットポジションから右腕を背中側に伸ばしたまま左手を大きく掲げ、そこから勢いをつけるようにオーバースロー気味で投げ下ろすフォームから最速148キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。投げ下ろすストレートは非常にキレがあり、ストレート主体ながらガンガン空振りを奪っていきます。コントロールもよくインコースや低めにも投げ込んでいけるため、相手は窮屈なバッティングを強いられます。
ほかにもストライクゾーンから地面にバウンドするほど大きく変化する高速カーブと緩い球速の二種類のカーブを駆使して三振を奪っていきます。
さらに打者としてもライトで出場し高校通算28発を記録。投打ともに評価される長身右腕投手となっています。
【指名への課題】
カーブはまだ制球しきれているとはいえず、特にストライクゾーンを狙ったカウントを整える目的のカーブがコントロールできておらず、ほとんどがボールゾーンに外れてカウントを悪くするだけとなっています。
また現在の腕を伸ばし投げ下ろすフォームは負担が大きいものとなっており、浅田選手自身もスタミナ調整のためにもスリークォーター気味のフォームにしようとフォーム改造にも着手しています。このためまだまだ粗削りで直すところは多い選手となります。
【指名順位予想】
現在新球のフォーク習得につとめており、フォークを扱えるようになればストレートをさらに活かすことが出来ます。ただ粗削り感は否めず、フォームをどうするかという点も含め大きく評価が分かれる選手であり、ストレートと素材評価タイプとなるため指名順位は5~6位の下位指名となります。投手や野手どちらかといわれれば現状では投手評価になると思われます。