読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

苦しい巨人の先発事情。今後の戦力見込みは

 山口選手が海外移籍に加え菅野・サンチェスの二名はまだピリッとしない状態が続いており、今後の先発事情の厳しさが予想されます。今回は1・2・3・軍の先発事情を踏まえどの選手がいつごろ戦力として見込めるかを考えていきたいと思います。

 

 【1軍の先発ローテ】

菅野ーサンチェスーメルセデスー高橋ー戸郷ー桜井ー田口 濃厚

今村ー鍬原ー畠ー宮国 候補

 

 正直なところ、かなり苦し紛れにひりだしたようなローテです。特に候補選手については挙げこそしたものの、1軍は厳しく2軍ローテレベルです。かろうじて今村選手が裏ローテになるかならないかです。

 濃厚選手についても菅野・サンチェス選手はまだ不確定。戸郷選手はオープン戦で好投しているものの、さすがに1年ローテを期待するのは酷であり、本来なら中10日ローテで体力に気遣いながら経験を積ませていきたい選手です。メルセデス選手も故障中なうえスタミナ不足が長年の課題です。

 

 高橋選手は依然球数が多く、桜井選手は去年シーズン後半で打ち込まれたことやこれまでの登板内容から不安が拭えず、田口選手もまだ未知数です。このとおり確実に計算できる先発はおらず、ローテ選手が一人でも離脱すればもう計算できる先発がいない状況です。高田・古川選手を中継ぎに回したのも7回まで投げられる選手が少なく、中継ぎの頭数がより必要になるためと思われます。

 

【2軍先発ローテ】

今村ー宮国ーディプランー藤岡ー沼田ー横川ー與那原ー大江ー畠

 

 18年高卒投手組が思ったよりも早く形になってきていることから、2軍は先発の頭数は揃っています。ただこの中ですぐに1軍投入できる選手は少なく、1軍のローテ事情を解決するには至っていません。

 ディプラン選手は3月までに支配下されなければ年齢制限によりそれ以降支配下されないため、1軍起用することはできなくなります。大江・畠・宮国・藤岡選手は裏ローテも崩壊した場合に1軍投入される可能性はありますが、現状では試合を成立させられるかも怪しく、夏ごろまでに戦力になれば儲けものといったところです。

 

 横川選手はまだストレートが130中盤、変化球は120台と物足りなさがあるためまだ1軍は厳しく、沼田選手は対左への変化球に体の細さも目立ち、與那原選手は突然の先発調整に加え変化球の精度が課題であるため、今年1年は2軍で鍛えるべき選手です。この3選手がもし1軍に起用されている状況がある場合、先発事情は最悪といっていい状態でしょう。

 

【3軍先発ローテ】

直江ー池田ー堀田ー太田ー野上ー井上

 

 こちらは3軍であるため今年1年は戦力として見ないほうがよいでしょう。当初は中継ぎで起用するとされていたドラ2位の太田選手がまさかの3軍キャンプスタートだったのは想定外ですが、元々フォームを崩しコントロールが悪化していたことから即戦力ではなかったため、編成が大きく崩れたわけではありません。

 阿部選手の若手優先起用の方針から池田・野上選手は3軍となっています。どのみち野上選手はリハビリで夏までは復帰に時間がかかるため、調整期間も含めると1軍は間に合わないと思われます。

 野上選手は夏まで投げられないことを踏まえると先発ローテは5人しかおらずそのうち2名が高卒1年目となりローテが回るのか、といった不安はありますが、3軍は選手の登板機会を増やすため長くても3~4イニング登板が多く、中継ぎが多く投入されることから、あまり先発ローテは重要視されません。

 

【今後の動きについて】

 

巨人の大塚球団副代表兼編成担当は15日、FA獲得を目指していた楽天美馬学投手(33)と5度目の交渉に臨み、その席で入団断りの意思を伝えられたと明かした。

 今季パ・リーグで6人しかいなかった、規定投球回をクリアした投手の1人だった美馬。球団は投手の層を厚くするために獲得を目指してきたが、この日で入団がなくなった。

 これを受け大塚副代表は「外国人はずっと当たってましたから。あとはトレードですよね。リストアップして可能性があるかどうかね。調査しないといけない。若手がね、力はあっても、まだまだ経験が浅くて、計算はできない。それなりの投手がいないと」とし、新たな先発投手補強の可能性を模索していく考えを示した。

【巨人】FA美馬の入団消滅で新たな先発補強模索へ「外国人、トレード調査」 : スポーツ報知

  美馬選手の獲得失敗により先発獲得を外国人・トレード両面で動き外国人についてはサンチェス選手を獲得しました。しかしそれでも先発は足りていないことから今後トレードに動く可能性はあります。しかし先発トレードとなれば要求される選手のレベルも高く、そのクラスをトレードに出す余裕はありません。

 

 そのため即戦力でなく、古川選手のようなまだ1軍実績の少ない若手や、比較的余裕のあるユーティリティー内野手や田中貴選手のような3番手捕手を駒に中継ぎを獲得し中継ぎの頭数を増やすことで長いイニングを投げられる先発の少なさを補うといったことも予想されます。

 トレードをする場合は同リーグの戦力アップになることは避けたいため、パリーグとトレードすることが多くなります。中継ぎ補強については捕手が足りないところだと故障離脱が多く去年市川選手を緊急補強。また金銭なら砂川選手や尾形選手と支配下有望な若手がおり、支配下枠を空けたい思惑もあるソフトバンクや、1・2軍に内野手の余裕があまりない日本ハムなどが対象となります。ただ中継ぎについてはどの球団も不足気味であり、伸び悩み気味の選手のトレードのような形となる可能性が高いため、即戦力補強は期待できません。17年を野手偏重、18・19年を高卒偏重で指名したツケがここにきて響いています。