◆練習試合 敦賀気比2―1智弁和歌山(28日・いなべ総合学園グラウンド)
今秋のドラフト候補で敦賀気比(福井)の最速145キロ右腕・笠島尚樹投手と最速146キロ右腕・松村力投手(ともに3年)が、複数球団のスカウト陣が視察するなか登板した。
先発した笠島は5回3安打無失点5奪三振と好投。この日の最速は141キロで「全体的にいい投球ができてよかった」と内容を振り返った。視察した阪神の熊野スカウトは「去年よりもキレとパワーが増していて、腕もよく振れている」と評価した。
6回から登板した松村は、3回3安打1失点3奪三振の内容に「先頭打者を抑えようと思っていたが、力んでしまった」と悔しさをにじませた。それでも8回2死二塁で智弁和歌山の4番・徳丸天晴(てんせい・2年)を空振り三振に打ち取った場面では「力でねじ伏せて抑えるしかないと思い、強気に行きました」と自身の持ち味でもある力のあるボールに納得の様子だった。
福井県は夏の代替大会が7月18日に開幕する。「3年生でやる最後なので自分の力を出し切ってアピールしたい。目標は優勝です」とプロ注目の右腕コンビはそろって言い切った。(菅原 美沙)
【笠島選手の紹介】
178センチ78キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・チェンジアップ・カットボール
セットから大きく足を上げ、重心を落とした後で全身のバネを使い勢いよく横手投げで投げ込むフォームから最速145キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。キレのある2種類のスライダーとのコンビネーションで打ちとっていきます。
1年上の木下選手が故障により投球ができなくなったことで台頭。さらに1年冬のフォーム改造で上体が突っ込む癖を直したことで制球に安定感が増し、インコースを突ける強気のピッチングが出来るようになりました。本人も球速よりも使える球種を増やし自身の武器を増やしていきたいと語っており、今後は変化球の球種を増やしたいとしています。
8月11日にプロ志望届を提出しています。
【指名への課題】
サイドスローに近いホームですかコントロールというよりかは球の勢いとスライダーのキレで勝負するタイプです
しかしクイックになるとこのコントロールに課題が発生し特に低めを意識したストレートを投げるときは指に引っかかったようなすっぽ抜けの球が多くなっています。
スライダーも右に対しては縦と横のスライダーで勝負できているものの左に対しては少し苦労していますまたクイックになるとスライダーが真ん中に集まりやすくなっているためスライダー自体かなり変化量が大きく一方であまり球速がないためパワーで持って行きやすいタイプのスライダーです。
どうしてもフォームに勢いをつけて投げ込むため、ある程度コントロールがばらけてしまっています。その割に球速は140程度で迫力にかけのが課題であり、抜けた球で空振りが取れる球威はありません。本人は球速で勝負でなく変化球とのコンビネーションで勝負したいと語っていますが、チェンジやカットの精度、さらにクイック時のスライダーのコントロールが改善できないと先発としての計算は難しくなっています。
【指名順位予想】
上位指名になるほどの強い武器があるというわけではなく、今後の伸びしろに期待といった評価になります。2種類のスライダーを使い分けられるのは魅力ですが、最速145である程度ばらけているサイドスローでインパクトに欠けるため、現状では育成1~2位が指名予想となります。