都市対抗野球の東京二次予選第四代表決定戦が12日、大田スタジアムで行われ、鷺宮製作所が東京ガスを5-0で下し、3年連続15回目の本大会出場を決めた。先発の平川裕太投手が7回3安打無失点の好投で白星を挙げ、最優秀選手に選ばれた。
負ければその瞬間に都市対抗への夢がついえる大一番。先発を任された平川は7回3安打無失点と好投し、日本一への夢をつないだ。平川は9月24日に行われた東京二次予選第一代表決定トーナメントの初戦(明治安田生命戦)に3番手で救援登板したが、3ランを被弾するなど結果は不本意なものに。「かなりの意気込みで臨んだ初戦だったけど、自分のせいで負けを付けてしまった」と肩を落としたが、すぐに切り替えた。「あそこ(敗戦)から立て直せた。低めに変化球を集めることができた」とチームを3年連続の夢舞台に導いた快投に納得の表情を浮かべた。
岡崎淳二監督は平川の一番の魅力について「気持ちのこもったストレートでしょう」と口にする。初戦に敗れた後は、平川に身体のねじりを修正するようにアドバイスした。指揮官は「(助言が)『ハマりました!』と途中で言ってきてね」とチームを本大会に導いた右腕の活躍に目を細めた。
【社会人野球】鷺宮製作所が3年連続の本大会 エース平川が7回0封、フォーム微調整が「ハマりました」 - 記事詳細|Infoseekニュース
【平川選手の紹介】
172センチ75キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・シンカー・スプリット
解禁年:2020年
セットポジションから少し重心を落とし力みを感じさせない投げ下ろすフォームから最速151キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。縦のスライダーと大きく落ちるカーブ、さらに手元で変化するスプリットで空振りを奪っていきます。
チームでは主にリリーフで起用されることが多く、伸びのあるストレートで押していく投球が持ち味。時々高めに抜けることはあるが大きく抜けるため痛打されることはなく、勝負所でゾーンに集められるコントロールも持ち味です。さらに東京ガス戦では先発として起用されると7回無失点で最優秀投手に選ばれており、ロングリリーフもできるパワータイプ中継ぎとして期待されます。
【指名への課題】
課題はストレートを活かすスプリットの精度。130キロ台でストレートと似た軌道で打者に向かうため、ストレートを狙った打者に引っ掛けさせる球として有効ですが、このスプリットがあまり落ちません。このためストレートより10キロ遅いだけということが多く、かといって低めに投げると投げた瞬間からボールとわかる軌道のため、これもカウントを悪くするだけとなっています。
ストレートが強力でコントロールもそれなりのため、ツーシーム系の球を覚えるか、スプリットが今より変化量が増えれば大きく化けることが出来ます。
【指名順位予想】
現状ではロングリリーフとしての起用に留まるため、先発失格となった投手のポジションとなります。このため中継ぎの中でも需要が低いポジションのため、上位指名の可能性は低くなっています。
ただ変化球を覚えれば伸びが期待できるため、先発でイニングイーターが少なく中継ぎでも結構なイニングを消費しなければならないチームや、とにかく中継ぎが欲しい球団にとって指名候補となります。指名順位は7~8位の下位指名となります。