<都市対抗野球:三菱自動車倉敷オーシャンズ3-1JFE東日本>◇第1日◇22日◇東京ドーム◇1回戦
16年ぶり出場の三菱自動車倉敷オーシャンズ(倉敷市)が開幕戦で金星を挙げた。ルーキー右腕の広畑敦也投手(22=帝京大)が昨年王者のJFE東日本(千葉市)に7安打1失点完投勝利。自己最速を2キロ更新する154キロをたたき出し、来秋ドラフト候補に名乗りを上げた。
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3-0の3回1死三塁。「走者が出たら力で押す。腕を振るよう意識してます」。JFE東日本・岡田をカウント2-2と追い込み、最後は右腕をしなやかに振った。外角に外れたが154キロの勢いでバットに空を切らせた。変化球は低めに集め、緩急をうまく使った。7安打1失点で投げ抜き、首藤章太監督(51)からは「すごい。私もびっくりしています。粘り強く投げてくれた」とねぎらわれた。16年ぶり出場で目標の1勝を達成。1戦必勝で勝ちを重ねていく。
【廣畑選手の紹介】
【驚きの最速154km・廣畑敦也】 2020年11月22日 JFE東日本 対 三菱自動車倉敷オーシャンズ 2021年のドラフト候補か!?【今川優馬との対決もあり!廣畑投手の投球内容ダイジェスト】
177センチ75キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カットボール・カーブ・フォーク
セットポジションから足を上げた後若干静止し、そこから上半身全体で勢いをつけて振りかぶるフォームから最速154キロ、常時140後半を記録する右腕投手。
150を超えることも珍しくないストレートを中心に縦と横のスライダーに大きく変化するカーブ、小さく変化するカットボールにフォークを用いて空振りを奪っていきます。社会人になり落ちる球がないと通用しないとフォークを習得。常時140後半のストレートで押していきながら120キロ台のカーブで打者のタイミングを狂わせ、130後半のカットボールでカウントを稼ぎます。
チームでは主に先発で起用。都市対抗中国地区大会では4試合に登板しうち3試合で完投。そのうち2試合は延長戦となっているため、4試合で39イニングとチーム最多登板を果たしており、豊富なスタミナも魅力の一つです。
最速151キロだったのも都市対抗1回戦目で154キロに更新。さらなる飛躍が期待される投手となります。
【指名への課題】
ストレート押しで球速は速いものの、やはり2巡目になるとタイミングが合うようになっています。そこから投げていなかったカーブを加えたことで打者がタイミングを合わせにくくなり再びストレートが有効になっていました。しかしカーブ以外の変化球、特にスライダーとフォークはまだ精度が十分とは言えず、スライダーは甘いコースに集まることが多く、横のスライダーとフォークは変化が早すぎてなかなか手を出してもらえません。
ストレートに押し負けないため強振してくることが多く、決まったフォークにはバットを止められず空振りを奪えています。ただフォークに関してはほとんど変化せず130台の頭の垂れた直球のようなものも多く、武器としては全く計算できないのが現状です。
【指名順位予想】
上位候補となるには変化球の課題が目立ちます。カットボールが武器として使えているため、それを活かすためにもフォークを使えるようになるか、カーブの回転数をあげブレーキをきかせるようにするか、若干シュート回転しているため左打者には使いにくくなっているカットボールの安定性を上げるかがポイントとなります。
特にストレートで押しているパワータイプは落ちる球をどれだけ武器として扱えるかがカギとなるため、フォークの精度アップができれば2~3位が指名候補となります。さらにパワーカーブの習得もしくはストレートの精度が向上すれば1位候補にもなりえます。現在の社会人投手のなかではトップ評価となっています。